闡鐓魔界・ヴァルセムス

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7章 封印の謎



フウジ山脈付近、導きの小屋シェンピオミートの戦闘が終わったが
最後に参戦したあの奇怪な女がマナ枯渇症状に陥った

隕石系魔法はマナを大量消費する。加えてさらに上の呪文を唱えたのだ
枯渇症状に陥るのはほぼ当たり前といっていいだろう

ふと背中に乗る主がずっと黙っている事に疑問が来る

『どうかなされましたか?』
「一度・・・ガオラキアの森・・・アジトの方に戻る、封印のことについて気になる」
『承知』

*******

「『知らなければ知ればいい、調べて知らなくては道は歩めない
  かといって、知らなくても道は歩める』か・・・」
『懐かしい言葉ですね・・・』
「あぁ・・・あのクソ爺の言葉なんぞ覚えてるとはなぁ」
『・・・』

潮風が気持ちいい、現在は海の上だ
海から出る水系のマナと私自身の雷のマナを反発させて
海の上を走っている、止まれば5秒ほどは浮けるだろう

主はいつもどおり本を読んで・・・

『?・・・寝ている。めずらしい』

あと十数分もあればアジトに着くそのときに起こすか


*****

「封印の術式が解かれている・・・」

此処は地下2階、本を置いていた台や燭台も結界も完全に荒らされていた

『目的はシェンピオミートのみだったらしいですね』
「いや、一階においていた、俺のオリジナルの術をまとめた本も消えている」
『!?あの本には全属性の禁術とその全てを合わせた最悪の魔法があるのでは?』
「あぁ・・・があの魔法は未完成だ、未完成すぎる」
『もし完成させてしまったら・・・』
「それはない」
『?』
「あの術にはお前が必要だからな」

自分が必要という言葉に気になりつつも1階に戻った
が、休む時間はないらしい。外から足跡が聞こえる

「距離は?」
『すぐそこです』
「こっちから出向いてやろう」


いつものごとくエルブンマントの帽子の部分で首から上を隠しつつ、すばやく外に出る
私も外に出たらすぐに伏兵として出るために屋根に身を隠す

「そこの人~助けてくださいー!!」

悲鳴のような声を出しつつ、しっかりとこっちに向かってくる
声の主は女性だった
紺の服に黄色のすそ、首には蝶ネクタイ
その上に濃い碧のコートを羽織っている。どうやらサイバックの女学生らしい

オルクス様にぶつかろうとした時、森からモンスターが出てきた
数は5体、花びらの中心に目をつけ、人の形をしたグラップラワーが2体
カボチャを生やした木のモンスター、パンプキンツリー
さらに、紫色の毛を持ち、ベアより数段強いエッグベアが2体

「この程度のモンスターなど瞬殺だ・・・ルネ、こいつを守れ!」

そういうと、右腕・左腕に高密度のマナ・・・つまり魔力が収束する

「いくぞ!虚空拳!!」

拳を連続して突き出す
が、パンプキンツリーが木に吊り下げてるカボチャと己の体で身代わりとなった
そして飛散する

「!?・・・ほう、少しは手ごたえがありそうだな」

一気に詰め寄って来るグラップラワー2体をアイス・クロウで切り伏せる
が、浅い。
ギリギリのところでバックステップでかわされ、コンビネーションを繰り出される
氷で盾を作り、凌ぐ・・・しかしグラップラワー達の間を割り込むように紫の腕がすばやく伸びてくる
すんでの所でジャンプし、かわす・・がもう一体のエッグベアがいない

「グオォォーーー!!!」

野太い声が上から来る
上を向けば、両手を高らかに上げ、エッグベアが落下してくる
オルクスに両腕を叩きつける。それをアイス・クロウの腕で防いだ
しかし、空中では踏ん張りはきかず、そのまま地面に叩きつけられた

「ぐぅ・・・!(なんだこの連携の良さは?)」

ゆっくりと起き上がり、新手にマナを練る

タン・・・タタン、タッタン。

腕をふり、足が何かのリズムに乗るように動く
周りには氷が少しずつ現れる
しかしモンスターが詰め寄り、また紫の腕が伸びてくる
オルクスの顔には疲れがあらわれてるが、焦りはない

タタタン、タン、タントトンタン、タッタッタン

少しずつ、動きが大きくなる・・・つまり踊っている
氷も急速に増え始める

「氷舞円!」

氷が飛び始めたとき、紫の腕が伸びきった
腕を掠める。しかし既にオルクスは円を描くように回避している
10センチほどの氷が敵に突き刺さる
今度はグラップラワーが2体とも身代わりになるが、全ては防ぎきれない
そして身代わりがこなかったエッグベアは一体倒れた
瞬間的に倒されたため、あと一匹のエッグベアの動きが止まる・・・
いや、止まるというよりも動かなくなった

「今度はなんだ・・・?」

試しに虚空拳を一発、エッグベアの頭にやる
何の行動も起こさず、頭は砕けた

「被害は・・・ないな」
「ないって・・・あなたが傷だらけでしょう!?」

一応ながら助けた女性が大声を上げる

「こんなもの前からあるやつだ。それに今の傷とて回復すれば・・・」

つい口出してしまった・・・
回復が出来るということはマナを操れる
つまり・・・

「ということはあなた・・・ハーフエルフなの?」

人だと思われていことが一気にばれてしまうと言うことだ
・・・というより、まず私に命令した時点で怪しまれたものだと思う

「ちっ・・・」
「やっぱり・・・最初から怪しいと思ったけどそういうことなのね、
 いいわ。助けてもらったものこのことは黙っといてあげる」

そんなにすんなりと決めていいことなのか?

「・・・用が無くなったんだ、さっさと去れ」
「嫌よ、せめてお礼はさせてほしいわ」
「いらん・・・さっさと去れ」
「嫌」
「去れと言ってる・・・!」

ハラリ

振り向こうとしたが、オルクスの顔を覆った帽子が取れる

「ぁ・・・」

サッ、とすぐに直すが、顔がばれてしまった

「あなた・・・まさか指名手配中の・・・」
「・・・ま・・・・まさか?」

焦りながら誤魔化す、いや、むしろコレを言ったことも間違いだっただろう

「やっぱりそうなのねあなた、オルクス=リィルマクスね?」

図星だった・・・



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