バル対策本部  元帥の間

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二章 広がる世界と新たな悪意 FINAL




力の制御が効かねぇ・・・手加減はできねぇぞ!!!


力に身を任せよ、覚醒せよ、人知を超えた悪しき力よ!!


二章 広がる世界と新たな悪意 FINAL 



そうだ


ここからだ


溢れ出す力を感じて


それに初めて


笑ったんだ


止められない力に恐怖せず


ただ


笑いながら受け入れたんだ




「!」


「悪食・・・腕が!?」


雷破の声が聞こえた

俺の右腕には無数の黒い亀裂が走っていた

そして

腕の表面が徐々に剥がれて行った

剥がれていくと同時に漏れ出す黒い瘴気

黒い右腕が徐々に露になってくる

爪は鋭く

籠手のように頑丈で

黒光りした巨大な右腕



「はぁ・・・はぁ・・・・ぐっ!」

重い・・・

自由に動かせねぇ・・・

指はなんとか動かせる・・・

だが

腕を曲げることができねぇ・・・



すると突然あの黒いモンスターが狂った声をあげた

俺の黒い右腕を見るなりまるで、怯えているようだ

そして巨大な黒い弓を此方に向けた


「!」

「悪食!来るぞ!!」


来るぞって・・・

腕が動かねぇ

くそっ・・・


「はあああああああああああああ!!!!!」


思いっきり右腕を上に上げた

重てぇ・・・

手は動くようになった

このまま奴を切り裂く

それしかねぇ!

だが・・・どうやってそこまで近付く・・・

矢を避けながら突っ込む・・・

いや、無理だ

腕が重くてそんな動きができるわけが・・・



やるしかない・・・か


せっかく頭絞って考えたんだ


やってみなきゃ分かんねぇよ!!!



「はあああああああああああああ!!!!!!!」


俺は守るんだ!!俺の仲間を!!!!



「悪食!?」

「突っ込む気か・・・無理だ」

「あの矢を避けながらなんて・・・」



奴の巨大な弓から黒い矢が放たれた

一発目は避けることができた


二発目、そして三発目


四発目、五発目


フラフラになりながらもギリギリの所で避け

確実に奴に近付いて行っている




もう少し・・・まだこの距離じゃ





奴が間合いを詰めてきた!!

至近距離からの矢なんて・・・この態勢で!?

くそっ・・・


「させるかぁあああああああああ!!!!」


「!」

「雷破!?」



雷破は奴の後ろから頭を両手剣クロディで斬った

真っ二つにはならず透りぬけた感じだったが

奴は気を逸らし矢を止めた

間合いは十分






貴様のその薄ら笑い

俺が


「消し飛ばしてやるぁあああああああああああああ」



奴の真っ黒な巨体がまるで紙切れのように切り裂かれた

切り裂いてやった奴の顔はまだ笑っていやがった

だがその後

奴の体が一瞬で丸い球体になり

そして一瞬で


消えた



「はぁ・・・勝ったのか?」

雷破は無事のようだ

まだ少し動揺しているようだが



「勝った・・・あぁ、勝った!」

急に気がゆるみ、ほっとしていると

俺の巨大な黒い右腕が消え

普通の腕に戻っていった



「あ!覇弓!!」


雷破が叫んだ

奴の黒い矢が頭に刺さった後ぴくりとも動かない

奴が消えても

刺さった黒い矢は消えて無かった

チャットにも反応しない

ログアウトもしない

覇弓は・・・どうなった?








ここから俺はこの力と共にある事を知った

奴らとの関係も

そしてこれから知るであろう

こうなるように仕向けた者達

いずれ裏切られる


信じていた者達に


二章 広がる世界と新たな悪意 FINAL 完


Welcome to Maple 二章 完結



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