バル対策本部元帥の間

三章　私から君に狂喜ヲ　第一話

闇の追跡者か・・・

俺の力が覚醒する前に始末しに来た

貴様らのせいで・・・貴様らのせいで・・・

三章　私から君に狂喜ヲ　第一話

あの出来事は全て夢

そう・・・夢であれば良いことが

起こったんだ

正体不明のモンスター

Chaser in the dark

俺の黒い鋼の腕を狙って現れた

まだこの力が全身にまわっていない間に

始末をつけに来やがった

何も知らないこの頃の俺は

ただパニックになってるだけで

目の前の現実を受け入れたくなくて

否定しないと頭がおかしくなりそうで

この力を認める勇気が無くて

恐かった

「覇弓！！どうした！？なんで反応しない！！？」

雷破が叫んでる

抜け殻みたいになった覇弓

黒い矢はまだ消えず

覇弓の頭に突き刺さってる

「なにかあったのか！！？なぁ！！覇弓！！！」

ROMの可能性など無い

ありえない

だから雷破は必死で呼びかけてる

肩を掴んで揺らすも

力無く頭がグラグラ揺れるだけ

俺はそんな二人を見てて

ただ呆然としていて

まただ・・・

また・・・護れなかった

護れなかった護れなかった護れなかった護れなかった護れなかった護れなかった護れなかった護れなかった

護れる力が有ったのに

俺はこの世界でも・・・人を護れないのか

・・・ごめん

「雷破・・・覇弓は・・・？」

やっと声を出せたと思えば

分かりきった事を

「動かない・・・動かないんだ」

「いつもはしゃぎまくってた覇弓が」

「動かないんだ・・・動かないんだよ」

「こんな覇弓は初めて見る・・・」

「リアでは小学生で言葉遣いは少し問題あり」

「付き合いも短かったけど」

「決して悪いやつじゃなかった」

「なんで・・・動かないんだ」

どう言葉をかければいい？・・・

このありえない事態に・・・

「あ！」

時間切れか・・・戻された

・・・・！！

「おい！？覇弓が来てないぞ！！？」

「そういえば・・・鎖位って人も居ないぞ」

「鎖位も？・・・」

鎖位・・・そういやあの戦闘の時

どこに居た・・・

落ちたのか？・・・

それより

覇弓はどうなった！？

時間切れになればPCは強制的に戻される

何故戻ってこない・・・

「悪食・・・俺一旦落ちて覇弓に連絡入れて見る」

「覇弓のメルアドくらいは知ってるから」

「今日あった事の整理も・・・したいしな」

無理も無い

あんな事があって正気で居られるか？・・・

今は休んだ方が良いかも知れない

「分かった・・・俺は鎖位を探して見る」

「あぁ・・・無理はするな・・・としか言えないけど」

「ん？」

フレの申し込み・・・

「また会えたらもう一度話したい」

「分かった・・・」

○を押してリストに載った事を確認すると

雷破は「またな」と不安な顔に少し笑みが見えた

「落ちたか・・・」

鎖位は・・・

まだ落ちて無いようだ

だがチャットは反応無し

サーチしても何故か居場所が表示されない

どうなってる？・・・

鎖位は・・・大丈夫なのか？・・・

「悪食、チェイサーと予想外の接触」

「チェイサー達も焦ってるようだよ」

「僕らはこのまま覚醒まで待ってて良いのかな？」

「あぁ、予定通り事を進めれば良い」

「覚醒後は・・・任せる」

「分かった・・・ぁ・・・分かりました＾＾」

三章　私から君に狂喜ヲ　第一話　完

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