―――― 復刻記事 ――――
ベトナム戦争 そこには見たことがないほどの美人が立っていた
私は今までずいぶんベトナムの、サイゴンの想い出を書いてきた
しかし、気がついてみたら、このベトナム戦争当時のベトナムについて一般人の書いたものを知らない
もちろん、開高健や本多勝一の一連の作品、それに報道カメラマン達の写真集やエッセイなどはある
しかしそれは、敢えてベトナムに来た職業的ルポなり写真である
当時のサインゴンに暮らした一般人の記録が無い
どうしてなのか?
今までそれが不思議で、さんざんネットで探してみたが、それでもみつからない
しかし今日、やっと腑に落ちた 戦時下の危険なサイゴンになど出かける一般人など、ほとんどいなかったのである
当時のサイゴンにいた日本人と言えば
ー 大使館職員
ー 商社駐在員
ー 東京銀行行員
ー サイゴン病院出向医師
ー 日本料理屋経営者
ー 旅行代理店(戦前の特殊機関の人脈)
ぐらいである
他には、工事現場の日本人技師・職人達ていどである
一般の旅行者などに出会ったことはない
つまりサイゴン在留者の数が限られていたから、
特に、一般人の在留者んど、いなかったのだから
サイゴンの想い出を書く人が少ないのである
とすれば、この私が書く稚拙なサイゴンの想い出シリーズも、文章の質どうこうとは関係なく、当時のサイゴンを知る、貴重な資料ではないか?
私は本気でそう思う
~~~~
私が赴任して初めての日曜日であった
メイドが私を呼びに来た
「旦那さん お客ですよ」
赴任したばかりの私にお客とは不思議だったが出てみて驚いた
見たこともないほどの、美人がそこに立っていたのだ
~~~~~
ベトナム女性は、がいして可愛い
例え「美人」とまで行かなくても、まずほとんどの女性が、愛嬌があって可愛い
性格も、周辺諸国の女性に比較しても、明るくて、活発である
それにアオザイが似合うホッソリとした柳腰である
竹久夢二が泣いて喜ぶ・・・(笑)タイプが多い
ベトナムに来た日本人の男性はかならず、ベトナムの女性に「感銘」をうける
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旧フランス植民地である、仏領または仏印インドシナ三国というのがあった ベトナムにカンボジア、それにラオスの三ヶ国である
ただ、カンボジアとラオスの言語はお互いに親戚筋だが、私の見るところ、ベトナム語はこれらとすこし距離があるようである
それにベトナム語は、長く中国の属国だったため、中国・漢字文化の濃厚な影響下にある
文字こそ現在はアルファベット表記だが、語彙には漢語語源のものが極めて多い
言い換えれば、その発音から語源である漢語が推察可能な単語が非常に多い
もちろん、漢語といっても現在の北京語ではない
日本語の中の漢語も、その時代に入ってきた中国の言語から時系列的に、漢音・呉音・唐音など、異なった発音である
すなわち、中国が間であった時代、中国の御地方からの伝播、中国が党であった時代
みな、発音が違う
例えば昔の長安の都、今は西安であるが
日本では、セイアンと発音する
これは、長安が都だった唐の時代の発音だそうである
現代の北京語では、そうは発音しない
ベトナム語の中の漢語も、それなりのベトナムと中国の関係の時代を反映しているはずである
また、漢語の発音もベトナム流にモディファイ(修正)しているはずである
そのモディファイも、注意しているとある一定の法則があるから、なれれば、語源の漢語がさらに容易に推察可能である
同じく、長く中国の属国だった朝鮮の朝鮮語(韓国語)とこの辺は事情が似ている
「アンニョン」は「安寧」が語源だし、「カムサ」はもちろん「感謝」である
このように漢語語源の語彙は無数にある
日本語中の漢語の様に、仏教用語・政治用語・抽象名詞などは漢語語源が多いはずである
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私の見るところでは、ベトナムと他の旧インドシナ二ヶ国は人種的に異なる
ベトナム人の主流であるキン族は非常に小柄な民族で、骨格はきゃしゃだ
ご存じの民族衣装アオザイがあんな身体にピッタリ似合い、着用できるのは、きゃしゃでほっそりしたベトナム女性ぐらいだろうと思う
私は基本的には肉付きのいいアマゾネス的体格の白人女性の肉体に魅力をおぼえる
しかし私はインテリだから単純では無い(笑)
ベトナム女性のホッソリとした柳腰を見ていると、S的本能もよみがえって、「いいな~」と思わずムラムラすると言う幅の広さも持っている
これに対してカンボジア人は背丈はそれほど高くないものの、骨太でガッチリした骨格である
鼻は比較的扁平である
唇は厚い
ガイドが「京唄子です」と言うそうである(笑)
クメールというアンコールワット遺跡を作った民族がいる
カンボジア人は明らかにクメールの末裔である
アンコールワットのバイヨン寺院に見られる彫刻の顔がまさにこんな容貌である
三島由紀夫原作、劇団四季の「らい王のテラス」という舞台劇を見たが、その舞台にもこのクメールの顔が大きく装置されていた
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ベトナムの歴史は南進の歴史である
元は中国の雲南省あたりに、他の少数民族達とともに居住していたキン族が徐々に南下して、先住民達を駆逐して今のベトナムを作った
まず、北部中部にいたラオス族を追い払い、中部地方に王国を築いていたチャム族というマレー系インド文化の民族を滅ぼし、南部のメコンデルタのカンボジア民族を追い払って豊沃なデルタを手中にした
その一方で、強大な中国には抵抗を繰り返しながらも数百年、属国的な位置に甘んぜざるを得なかった
小柄でホッソリしたベトナム人は、その発展の歴史を知ると、芯の強い、粘り強い、かなり攻撃的な民族とも言える
それは、宗主国であったフランス、それに世界最強の米軍を追い払ったベトナム戦争の経緯を見てもわかることである
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かわいいくてホッソリしたヴィエトナム女性が旧宗主国のフランス人と混血すると、アジア最強の美人が出来る
私の知識内のアジアの混血女性ランキングの中で、首位の位置は動かない
フィリピンのスペイン系美人がそれに次ぐ
インドネシアのオランダ系美人などそれなりにもいいが、やはりベトナムのフランス系美人には遙かに敵わない
フランスはその世界各国の植民地で
フランス式の瀟洒な並木道と売春宿を作ったと言われている
そのせいもあるのか?ヴィエトナムにはフランス人との混血が多い
さすがに地方では、あまり目立たないようだが、サイゴンなどの都会には多い
~~~~~
閑話休題
宿舎に来た女性と恐る恐る話をしてみた
彼女は、この宿舎にいる親しかった「トニー」を訪ねてきたと言う
その「トニー」なるアメリカ人は、米軍のジェット戦闘機のパイロットだという
「なるほど!」と思った
私の宿舎は以前、米国の空軍将校の宿舎として使われていたという話を聞いていたからだ
私がサイゴンに到着、この宿舎二杯って、私にあてがわれた部屋でクローゼットを開けて私の衣類を詰め込もうとしたら、機関銃の弾丸がバラバラっと出てきたことがある
トニーは、私の部屋のその時の住人なのだろう
「トニーは今はここにはいない」と説明した
すると、彼女は、あっさりと「それならそれでいい」という
それから手帳のページを破いて、あるアドレスを書いて私に手渡した
「私はここのバーに働いているから遊びに来てくれ」という
彼女がそれまでに出会ったことがないほどの美人だったので、私は自分の部屋にもどってもしばらくボ~ッとしていた
彼女は明らかに混血美女で、それもフランスの血が強い西洋的美人である
清楚な風情と東洋的な妖しい魅力が混在し、白人の女性以上の魅力がある
身体はしなやかでほっそりしているが、背が高くて、牝鹿のような大きな瞳でじっと私を見た、その記憶がしばらく消えなかった
ーーーー
夜になるのを待ちかねて、私はすぐそのバーを訪問した
いままで外出の経験もないのに、まだ右も左もわからないこの戦時体制の危険なサイゴンで、しかも夜間に、いきなり単独外出したのだ
後にその無謀さを先輩・上司に責められたが、私とはそういう男なのだ
いつも「奔放な」とかいう形容詞がついてまわる
宿舎の前の通りで、は流しのシクロマイを止め、運ちゃんに彼女からもらったアドレスのメモを見せた
「わかりやした!旦那!」
と(恐らく)彼は答えてシクロマイを走らせた
このシクロマイというのは、オートバイの前に座席をつけたようなものである
その座席に乗客が座る
運転手は座席の後ろのオートバイを操って、大爆音をたてながら、高速で爆走する
前が二輪の三輪オートバイである
前を走る人力車・シクロなどを右に左に避けながら、私をのせたシクロマイは、夕暮れの街の風を切って走る
正面衝突などすれば、危険だろうとは思いながらも、薄暗い南国の夜の疾走は爽快である
まもなく空港近くの、米兵相手のバーばかりが並ぶ地区に着いた
普通の瀟洒な住宅地とは異なって、すさんだ雰囲気である
まあ、荒れた西部劇の町のようなイメージである
目的のバーに踏み込んだ
大音響の音楽の店内の客は全員カーキ色の軍服を着た大柄な米兵ばかりである
グリーンベレー(特殊部隊)もいる
警棒と茶色い革製のホルスターに入れた短銃を腰に下げたMP(憲兵)までいる
大音響のジュークボックスと、けばけばしい赤いライトがきらめく中で、化粧した彼女は昼間より更に美しかった
私を認めた彼女が私を手招きでカウンターに呼び寄せた
~~~~~
その次にこのバーを訪問した時には、一人ではなかった
つきあいのあった某新聞社の記者を連れて行った
彼はサイゴン生活もかなり長く、初心者の私とは違って、いろいろ浪瀬を飲み回っているらしい
その彼も、彼女を一目見るなり、やはり「牝鹿のようだね」と感嘆した
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以下省略・・・
と言うか、その時、彼女とはなにも無かったのである
ただ、彼女とは、そのあと、動物園デートまではこぎつけた
サイゴンには、あまり動物はいないが植物園を兼ねたような、あまり整備されていない荒れた動物園があった
象がいたことは記憶しているが、そのほかの動物の個別の記憶はない
彼女が新しいハイヒールで、靴擦れになってしまった事を覚えている
私が彼女を紹介した新聞記者は、私とちがって(笑)
女が大好きで、しかも中年で厚顔(笑)勇敢だったから、その後、きっと彼女のバーに通っただろうと思う
あの時の、彼の彼女を見つめていた彼の様子から、そう思える
私はといえば、ずっと後で彼女とは再会したが、わずか2年ほどで、彼女の容色はかなり衰えていた
疲れた風情でもあった
だから、もう圧倒されることは無かった
以下省略
~~~~
この「動物園デート」というのはサイゴンでの男女の定番だった
ベトナムの女性はプライドが高い
再論の水商売の女性にも、いろいろなグレードがあったが
高級ナイトクラブやあるレベルのバーに勤める女性は
いきなり肉体関係に入ることを、どちらかというと避ける
さもないと自分は安物だということになる
だから、かなりの女性が、外国人男性に対して、疑似恋愛のスタイルを求める
護持恋愛関係という前提をつくって、それを演じながら肉体関係に入る
これならプライドを保持できる
そのかわり、疑似とは言え、一応、恋愛関係なのだから、男性の浮気は許されない
少なくとも束縛使用とする
証券保護という目的もあろう(笑)
ーーーー
このサイゴンの米兵相手のベトナム女がホステスでアルバー
そこへの出入りは、我が社始め、日本各社では原則禁止でアタ
いくつか理由があると思う
まず、その種のバーは、ベトコンの攻撃対象になりやすく、現に、何度も、プレスティック爆弾・時限爆弾で、攻撃されている
また、出入りする米兵も、戦場帰りのその足でバーに入ってきて酒をあおるという事でトラブルが絶えない
なにしろ米兵達は、ライフルこそ持っていないが、拳銃と帯剣のまま、と言う兵士が多かった
ブーツも田舎の戦場の田んぼの泥がこびりついていたりする
まあ、戦場の雰囲気、補どんどそのままを持ち込んでいるのである
兵士達にとっては、明日を知らぬ命だ
女と酒を求めるのも当然だろう
サイゴンの日本駐在員の皆さんは、私と違って、こういう危険な場所に、常習的に(笑)出入りする人は少なかった
建前的には、事務所レベルで禁止されていたし
度の変わり、彼らは、危険なサイゴン中心街を避けて、少し離れた中国人街のナイトクラブの常連だった
もう時効だろうが
彼らは、そこで、オンリーの女を作っていた
中華の女の方が危険性が少ないという理由と
駐在員の多くが、東南アジアの他の国での駐在の経験があり、そういうバックグランドがあれば、自然に、化協会の共通語である広東語をしゃべるようになり、サイゴンの中華街(チョロン=ショロン)の中華ホステスとも広東語で、はじめから、コミュニケーションが出来たからである
私は、サイゴンバー街で(笑)、英語とつたないベトナム語でコミュに^ションをとれていて、逆に、広東語は、ほんの、シュウシュウ(少々)(笑)だったのだ
ーーーー
とりとめない話になったが
中国人街のナイトクラブの極めて現実的なビジネスライクな華僑ホステスと比較すると、ベトナムのバーやナイトクラブに勤めている女性は、恋愛モードと言う建前は外さない
個人差もあるが、疑似恋愛で始まっても、そのうちに恋愛感情を持つ場合が、かなり多い
華僑の女性は、日本人の男性を手玉にとって、金を搾り取る
まず外国人の男に本当の恋愛感情など持たない(というのが私の観察である)
非常に即物的な女性達である
「商売!」「商売!」意識が強い
それに、大きな声では言えないが(書くだけならいいか?)、容姿において、華僑の女達は、すらりとしたベトナム女性には敵わない
ベトナムの女性はプライドが高いとともに、嫉妬心が強いと言われる
浮気をして、斬りつけられたとか、肉体の一部を切り取られたとかいう話を聞かさた
肉体のどの部分なのかは重大な問題だと思うが、その辺は不明である
愛情と言うより、独占欲なのかも知れない
商売上の囲い込みなのかも知れない
これが「いい事なのか」「悪い事なのか」、判断に迷うところだ
しかし少なくとも、華僑系の女性相手では、私のような恋愛未熟者でも「恋愛ごっこ」の気分にならない
相手が金目当てである事があまりにも直接的にわかるからである
その点、間接的には、やはり金目当てであっても
明るくて、お茶目で、キラキラしていて、嫉妬深くて、疑似恋愛のつもりでいてもつい本気の恋愛に迷い込むこともある
そんなベトナム女性が好きである
いや、過去の事だから
好きであった(笑)
まあ、話は落ち着くところに落ち着いたかな? (笑)
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