Diary of Heavenly-Alica

オレンジは苦悩、ブルーは狂気

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☆オレンジは苦悩、ブルーは狂気:デイヴィッド・マレル(ホラー) (短編集『ナイト・フライヤー』に収録)

デイヴィッド・マレルをよく知らない方も映画「ランボー」といえばご存知だと思います。マレルはその原作者(原題名“First Blood”)です。
そのマレルの書いた短編ホラーがこの「オレンジは苦悩、ブルーは狂気」です。

ネタバレになりますので、詳しくは書きませんが...

画学生と美術史学生のふたりが、ある画家の絵を見ていて、ある秘密に気づきます。
その画家はフランスの片田舎の病院で、パレットナイフで自分の目を突いて自殺した謎の画家なのですが、その画家の気味の悪い絵全面は、すべて狂気をたたえた小さな小さな顔で隠し絵のようにして構成されていたのです。

そしてその美術史学生が失踪し、数ヵ月後、画学生のもとに手紙が届きます。
その失踪した学生は、あの画家が死んだフランスの片田舎の病院にいたのです。
そして彼もそこへ向かうのですが...

「神の杖」という名の村...シュール画ではなく写実画だったというあの画家の絵...タイトルでもある「オレンジは苦悩、ブルーは狂気」という言葉の意味...謎のすべては最後の数ページで一気に暴かれます。

全編に陰鬱な空気の漂う、ホラーのような、SFのような不思議な味わいの短編小説です。

これ、B級でいいから映画化されれば面白いんだけどな...




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