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ニュース資料-2007佐賀県


ここに、残しておきたいです。
2007/9/25-佐賀県

2007/11/3 読売新聞

「急死男性、警官が殴打」、目撃者が証言…佐賀


 佐賀市で9月25日、授産施設に通う知的障害者の男性が自転車で蛇行運転してバイクに追突し、警察官に取り押さえられた直後に死亡した問題で、市民2人が読売新聞の取材に対し、「警察官が男性を殴るのを見た」と証言した。うち1人は直後に目撃者として県警から事情を聞かれ、見たことを説明したと話しているが、県警は「殴ったという証言は記録されていない」としている。

 死亡したのは、安永健太さん(当時25歳)。女子高校生(16)と成人女性が証言した。高校生は現場の国道208号線そばのファミリーレストランで友人と飲食中、窓ごしに約5メートル離れた歩道で、警察官2人と安永さんがもみ合いになっているのを目撃した。安永さんは追突事故後、逃げようとするそぶりを見せたが、制服の警察官2人に体をつかまれ、もみ合うようにしてあおむけに取り押さえられた。1人が安永さんの腹の辺りにまたがり、胸などを5発以上殴った。安永さんが自分でうつぶせになると、1人が背中を数回殴ったという。

 高校生は安永さんが救急車で搬送された後、レストラン内で、私服の警察官から当時の様子について聞かれ、氏名を名乗って説明。警察官が書き留めた内容を読み上げたのを確認し、書類に指で押印したという。

 一方、成人女性は国道を車で走行中、信号待ちで停車し、高校生とは反対側から約5メートル離れた現場を見たという。制服の警察官2人がそれぞれ安永さんの足と胸を押さえ、胸を押さえていた方が安永さんの左脇にしゃがみ込み、左手で顔を3、4発殴ったという。

 これらの証言について、県警佐賀署の加茂賢治副署長は、女子高校生から当時の様子を聞いたことは認めたが、「書類には、警察官が安永さんを殴ったとは書かれていない。安永さんが警察官をけったことは書かれている」と話している。

 安永さんの遺体は佐賀地検が司法解剖した。父、孝行さん(46)が示された死体検案書によると、安永さんの遺体には顔面などに複数の打撲、擦過傷があった。孝行さんは「唇の右端に血がにじみ、顔の右側がはれていた」と証言している。死因は「急性心臓死」と推定されるが、詳しく分かっておらず、佐賀地検が内臓の組織を採取し調べている。



2007/11/6 読売新聞


佐賀の男性急死事件、県警「殴った」という女子高生証言認める



 佐賀市で9月25日、知的障害者の安永健太さん(当時25歳)が警察官に取り押さえられた直後に死亡した問題で、佐賀県警は6日、聞き込みをした警察官が目撃した女子高校生から「警察官が殴った」と聞いていたことを認めた。しかし、供述調書を作成する際には殴ったという証言が出なかったため、調書には記していないと説明した。

 女子高校生は2人で、ファミリーレストランで飲食中、窓越しに取り押さえの様子を目撃した。うち1人は読売新聞の取材に対し、制服警察官2人のうち1人が安永さんの胸などを5回以上殴り、安永さんがうつぶせになるとさらに数回、背中を殴ったと証言した。同じことを当日、警察官にも話したと言っている。

 県警によると、安永さんが救急車で運ばれた後、女子高校生2人から警察官が話を聞き、その際、1人が「警察官が殴っていたよね」と言った。その後、1人ずつ供述調書を取ると「殴った」という証言はなく、記録した調書を読み聞かせた際に指摘もなかったという。

 喜多恵二・県警生活安全企画課次席は「ファミリーレストランの店内にいた4人の目撃者からも事情を聞いたが、いずれも『殴った』との証言は出ていない。取り押さえた警察官からも5回以上、話を聞いており、殴ったという事実はないと認識している」と話している。




取り押さえ死問題で支援組織発足へ
知的障害者の安永健太さん(当時25歳、佐賀市木原)が警察官に取り押さえられ急死した問題で、2回目となる「安永健太さんの死亡事件について考えるつどい」が24日、佐賀市内であった。授産施設の関係者ら集会の呼び掛け人が中心となり、問題の真相解明と遺族を支援するための市民グループを3月15日に発足させることを明らかにした。

 市民グループは、裁判で真相解明を求める遺族を、長期間にわたり支援する。事務局員らは「これは県民全体の問題でもある。人権教育にも取り組み、多くの世論を得て、戦いたい」と言い、発足当日に街頭アピールなどの行動を起こす方針を示した。

 安永さんの伯母は、刑事、民事の訴訟を見据え、新たに目撃者を捜すための看板を現場に立てることを公表。「どうかよろしくお願いします」と声を震わせて会場に呼び掛けた。

 また、ノーベル賞作家大江健三郎さんの手紙が読み上げられ、大江さんは「なぜ(警察官が殴っていたと主張する)女子高校生の証言が警察当局によって大切に扱われていないのか」と疑問を投げかけた。

 集会には福祉関係者ら約300人が参加。安永さんの友人だった障害者らが壇上に立ち、「真実を明らかに!」と記した黄色い布を掲げ、「なぜ死ななければならなかったのか、許せない」「地域で生きていくために頑張ろう」と訴えた。

【写真】真相解明に向けた決意を示す黄色い布を掲げ、意見を述べる安永さんの友人たち=佐賀市文化会館


2008年02月25日更新



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