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行動に寄り添い 接し方を変え 通じ合う 自閉症の世界に近づく 米の療育プログラム 佐世保の親子が実践自閉症の子どもと向き合うための米国の家庭療育プログラムを、ボランティアとともに実践している親子が長崎県佐世保市にいる。反復行動など特有の言動を自分も一緒にやってみることで「自閉症の世界」を理解し、コミュニケーションを図っていく親や支援者向けのプログラムだ。行動が落ち着くといった変化が見られたため、日本でもプログラムを広めたいと、講座開催を予定している。 ザラザラザラ-。容器に入った色とりどりのビーズを何度もかき混ぜる。重度の自閉症がある奥平佳子さん(23)がよくする反復行動だ。ボランティアの女性も向き合って同じことをした。佳子さんが走れば、ボランティアも走る。目が合うと、ボランティアは両腕を広げて「うれしい。ありがとう」と全身で表現。そばで母のマリさん(52)が見守っていた。 親や支援者が自閉症の子どもへの対応を学び、自宅で行う「サンライズプログラム」。米国の自閉症の子どもを持つ親が考案した。行動を矯正し、社会の枠に当てはめようとするのでなく、周囲が自閉症の人の世界に“参加”する「ジョイン」と呼ばれる手法が特徴だ。 重度の自閉症は周りに関心を示さずコミュニケーションが難しい傾向があるが、自分の世界に入ってきた人には目を合わせたり、感情を表したりすることがあるという。人と関わる楽しさを知ってもらい、信頼関係を築く糸口にする。主管するNPO、米国自閉症療育センターによると、この約40年で約130カ国の子どもが受けたという。 佳子さんは1歳半で自閉症と診断された。発達支援センターや特別支援学校で療育を受けたが、誰とも目を合わせず言葉のやりとりも難しかった。10代になると自分をかんだり、大声を上げたりといった自傷行為やパニックが深刻化した。 5年前、サンライズを知ったマリさんが夫の毅さん(50)と一緒に米国で1週間受講。本人の言動一つ一つに意味があるとしてよく観察し、思いを理解していく方法を学んだ。同時に「異常行動をやめさせなければ」「なんでこれができないの」と追い詰められていた自分にも気付かされた。 「前はできないことを責めてばかりだったが、今は小さな変化もいとおしく思えるようになった。自分も楽になった」とマリさん。佳子さんの感情は安定。マリさんが疲れているときに頭をなでてくれ、「お茶ください」といった簡単な言葉も話すようになった。 知り合いの保育士や社会福祉士ら6人のボランティアが交代で週4日、1日4時間ずつジョインして、佳子さんに接している。 その一人、景浦真美さん(49)は「魔法にかかったように通じ合える瞬間がある」。久野妙子さん(51)は「手をつないでくれたときの喜びは何物にも代え難い」。2人は「よっちゃん(佳子さん)は私たちを変えてくれた」と口をそろえる。佳子さんのありのままを受け入れようとする中で、世間体などの物差しで、自身の家族や友人を見ていたと気付いたという。 「療育方法はさまざまあるが、このプログラムが合っている親子もいるのでは」。マリさんは、昨年9月、久野さんらと「カラフルビーズ自閉を抱く会」を結成。今年9月に米国から講師を招いて佐世保市で講座を開こうと、準備を進めている。 × × ●プログラム開発者の息子 ロン・カウフマンさん講演 興味持つこと通して、信頼関係をつくる 自閉症の息子を持つ米国の親が開発したサンライズプログラム。息子のロン・カウフマンさん(45)の講演が昨年末、福岡市であった。発言要旨を紹介する。 私は1歳半で自閉症と診断された。会話や通学はできないだろうと施設入所を勧められたが、両親は家で療育を始めた。徐々に人と交われるようになった。友達ができ大学も卒業した。個人差はあるが、子どもは周りが思うより高い能力や希望を持っている。 これまでの療育は子どもの行動を変えることに焦点を当ててきた。しかし自閉症は対人関係の障害で、問題行動はそこからくる症状の一つ。サンライズでは子どもが興味を持つことを通して子どもの世界に入り、人間関係を確立していく。 その方法が、親や支援者が子どもと同じ反復行動をやってみる「ジョイン」。自閉症の人にとって反復行動は集中でき、予測できる小さな範囲を作ることで落ち着き、安心できる行為だ。 ジョインをすると反復行動をやめなくなるのではとの指摘もあるが、実際は減少している。ワシントン大の研究でも、母親が毎日20分、子どものまねを2週間継続すると、母親の顔を見つめる時間が増え、想像力豊かに遊ぶようになったという調査結果がある。 =2019/01/22付 西日本新聞朝刊=寄り添い、関わることで、信頼関係も生まれるのでしょうね。☄
2019.01.31
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発達障害の子、個性に合わせ切れ目ない支援を自閉症など発達障害の子どもが進学や進級でつまずかないために、学校にはどんな支援が求められるのでしょうか。専門家は「保護者とよく相談して計画を立て、その子に合った切れ目のない指導が望ましい」と指摘します。 三重県に住む自閉症の男児(7)は2017年春、公立小学校に入学した。障害のある子どもが専ら学ぶ特別支援学校ではなく、地域の小学校の中にある特別支援学級を両親が望んだ。「友達から刺激を受けて成長できる」と母親(36)は喜んだが、学校生活が始まると戸惑うことが増えた。 自閉症は発達障害のひとつで対人関係や社会性をうまく築けず、言葉の遅れ、行動や興味の偏りが特徴だ。男児の担任は30代で、特別支援学級を担当して3年目だった。男児は給食の好き嫌いをとがめられ、「おかずを食べるまでご飯はあげない」と言われたり、持参した幼児用箸を使うのを禁止されたりした。 国語や算数は、ゆっくり復習に重点を置いて基礎を身につけさせてと母親が要望したが、担任は「通知表をつけられない」と先に進めることを優先。男児は授業に集中できないときなどに、「それじゃ立派な2年生になれないね」と教諭に言われて傷つき、「なれないね、僕は」と繰り返したことも。思いが伝わらないストレスからか、壁に頭を打ち付けるようになった。有料記事[朝日デジタル]親の求めるものが必ずしも、本人の幸せに繋がるとは限らないのでしょうね。できたら、本人目線で、教育環境が整えられたらでしょうが、それもまた難儀ですね。☄
2019.01.30
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和歌山の小5刺殺、鑑定医が証言 被告「支援必要な発達障害」歌山県紀の川市で2015年、小学5年の男児を刺殺したとして殺人罪などに問われ一審で懲役16年の判決を受けた中村桜洲被告(26)の控訴審で、再精神鑑定を実施した精神科医の証人尋問が29日、大阪高裁(和田真裁判長)であった。医師は「発達障害の一種で、支援が必要な軽度の自閉スペクトラム症」と診断内容を説明した。 高裁が昨年、職権で再鑑定を決めていた。医師は「他人の心の動きを理解する精神的な機能に障害があり、他人の意図を読み違える」と証言。妄想につながったり、荒唐無稽な主張が周囲に受け入れられると思ったりしていると説明した。(共同通信)[沖縄タイムズ]事件の背景がよく分かりませんが、障害の程度に関係なく、殺人は許されることではないですね。☄
2019.01.29
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自閉症の人「見通しや選択示すこと大事」 専門家語る支援のコツ自閉症の支援について学ぶセミナーが26日、京都市左京区の京都教育文化センターで開かれた。発達障害者向けの商品を手がける会社の代表が講演し、自閉症の特性を踏まえて、今後することの見通しを伝えたり、自分で選ぶ習慣を付けたりする大切さを説いた。 自閉症の人に合ったスケジュール表やメモ帳などを製造・販売する「おめめどう」(兵庫県篠山市)の主催。自身も自閉症の次男(26)を育てた奥平綾子社長(55)が講師を務めた。 奥平社長は、足の不自由な人が車いす、視力の低い人が眼鏡を使うように、自閉症の人にとって支援アイテムは必要な手助けであることを強調。例えば、自閉症の人は予期しないことが起きると興奮したり、パニックになったりすることがあるが、スケジュール表を用いることで「見通しが立ち、心構えができる」と助言した。 同じことを繰り返すこだわり行動についても「選択肢がない状態では前にしたことを倣う」と背景を説明。選択肢を示すメモを使い、自分で行動を決めるよう習慣づけることを勧めた。いつまでも幼児のように扱わず、年齢に応じた接し方をすることも訴えた。 自閉症の子どもを持つ親ら約30人が参加した。[京都新聞]見通しが立つと親も暮らしやすくなりますね。☄
2019.01.28
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体動かせない女性が出産、性的暴行容疑で准看護師を逮捕アメリカの介護施設で体をほとんど動かすことのできない女性が突然、出産したことを受け、警察は、施設に勤務する准看護師の男を性的暴行の疑いで逮捕しました。 この事件は先月29日、アリゾナ州の介護施設で身体のごく一部しか動かすことができず、意思の疎通もほとんどできない29歳の女性が突然、出産したことを受け、地元の警察が性的暴行容疑で捜査していたものです。 その後、女性の介護を担当していた准看護師、ネイサン・サザーランド容疑者(36)のDNA型が生まれた赤ちゃんのものと一致したことから、警察はサザーランド容疑者を性的暴行などの疑いで逮捕しました。サザーランド容疑者は黙秘しています。 施設側は女性が出産するまで妊娠に気付かず、施設のCEOの男性は今月上旬に辞任、一方、生まれた赤ちゃんは女性の家族が育てていて、健康だということです。[TBSNEWS]空いた口が塞がらない事件です。生まれた赤ちゃんの幸せを祈るばかりですね。☄
2019.01.27
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「忘れ物、誰でもあるある」 発達障害、ゆるく語り合う「片付けができない」「自分のことばかり話してしまう」。発達障害に特有の傾向の一つとされるが、誰でも「あるある」と思ってしまうはず。こんな「苦手」なことをオープンに語り合うカフェが、大阪市淀川区で開かれている。発達障害がある人とそうでない人がともに参加し、相互の理解を深める試みだ。 「忘れ物が多い人っています?」 大阪市淀川区のビルの一室。テーブルを囲んで座る20~70代の男女約10人のうちのひとりが、こう問題提起した。 するとリラックスした感じで、こう会話が続く。「しょっちゅう。傘なんて何本無くしたか」「あるある。高い傘を買うと、忘れにくくなります」 月1回程度開催されている「発達あるあるカフェ」。発言したのは、発達障害の当事者だ。忘れ物が極端に多いのは、発達障害のうち「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」に当てはまるとされ、こうした身近な体験から、「苦手」なものに気づいてもらうとともに、対処法も共有してもらうのがねらいだ。カフェの名前通り、テーブルにはジュースやお菓子。「ゆるい感じ」を醸し出すためには、不可欠だという。 主催は障害者の就職支援と職業訓練に取り組む一般社団法人「みがく」(大阪市淀川区)。代表の建山和徳さん(43)は20代の時に周囲とコミュニケーションがうまくいかず、ひきこもった経験がある。その後発達障害のことを知るうちに、「優先すべき仕事より目の前の仕事からしてしまう」「話しだすと止まらない」といった、自分の特性が、発達障害の特性に当てはまると気づいた。 2015年に始めた会は、当事者以外も参加できるようにした。「障害のあるなしにかかわらず、苦手なことはみんなある。さらけだして、みんな同じ人間じゃんと思える場所になればいい」。発達障害の専門外来を設ける「かえでクリニック」(大阪市城東区)の子安信寛院長(43)は発達障害のこうした特性とされるもの自体は、「誰にでもある」と指摘する。その程度が大きく、日常に支障が出るのが発達障害で、特性が重なることもあり症状は人によって大きく違う。 大阪府高槻市の30代の男性会社員は、19歳の時に「自閉症スペクトラム障害(ASD)」と診断された。発達障害について気軽に話せる場所を探して、会にたどり着いた。「経験を振り返ることで、自分を客観的に見ることができる。昔よりコミュニケーションがとれるようになった」。発達障害について知りたいと参加した、障害者の支援を行う女性は「自分にも『あるある』と思うことばかり。境界って、あいまいと思った」と言う。孤独の中で悩む傾向 発達障害は、先天的な脳機能障害によるものとされる。05年に施行された「発達障害者支援法」で、初めて法的に位置づけられた。同法上は、自閉症やアスペルガー症候群などの広汎(こうはん)性発達障害▽計算や読み書きに困難を抱える学習障害(LD)▽落ち着きがない注意欠陥・多動性障害(ADHD)――などからなると定義。円滑に社会生活を送れるよう、国や自治体に学校教育や就労の場での支援を促している。 発達障害の診療に30年以上かかわる青木省三・慈圭会精神医学研究所所長(66)は発達障害がある人は、対人コミュニケーションが苦手な場合が多いという。「友達や話し相手が欲しくても、孤独の中で悩んでしまう」とその傾向を指摘。「誰かと話ができるといった、当事者が人とつながれる場所があること自体が大切」と「あるあるカフェ」のような場の広がりに期待しているという。[朝日デジタル]こういう交流が持てるカフェ、いいですね。☄
2019.01.26
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障害者への偏見、私にもあった 啓発映像上映へ男性奔走障害者とは関わりたくない--。子どもの頃、そんな感情を抱いた男性が差別意識を持ったまま障害者支援施設に就職した。障害者と真正面から向き合い20年を経た今、偏見をなくそうと、明石市内の映画館で障害児への理解を促す啓発映像を流すため、資金集めに奔走している。 社会福祉法人「三田谷治療教育院」(芦屋市)の職員で、受託先の明石市立あおぞら園・きらきらに勤務する服部記昌さん(41)。 高校卒業後、「福祉」という響きの良さから医療福祉の専門学校に「なんとなく」進学した。 フリーターを経て、就職活動をしたが、知的障害者の入所施設しか合格しなかった。入所者と一緒に食事をする施設だったが、最初の3カ月は食事が喉を通らなかった。 だが、猛暑の中、黙々と農作業や野菜の袋詰めをする姿に接し「劣っていない。自分たちと一緒」と考えが少しずつ変わった。 数年後、職員に暴言を吐いたり暴れたりする30代男性との出会いが、さらなる転機になる。 いつのまにか、嫌だった仕事が楽しくなっていた。「障害者を取り上げた感動的なテレビ番組がありますが、特別なことじゃない。毎日のように感動的なことがあるんです」 この思いを広く届けたいと、服部さんは不特定多数が利用する映画館で啓発映像の上映を企画。作品上映前のCMとして流そうと動き出した。 映像は30秒。 知的障害や発達障害のある子どもたちの生き生きとした表情に、「一生懸命頑張っているのに分かってもらえない」「理解と思いやりがあれば世界はもっと素晴らしい」などのメッセージを添えた。 NPO法人「明石障がい者地域生活ケアネットワーク」の協力を得て、昨年12月からインターネットを活用した「クラウドファンディング」で資金を募ると、予想を超える反響があった。 1館でのCM料は4週間で約43万円。クラウドファンディングの募金は既に110万円を超え、完成した映像は「イオンシネマ明石」(JR大久保駅南)で4月公開の人気アニメなど2作品に流す。 手応えを感じ、目標をさらに高くした。 年末公開予定の「男はつらいよ50 おかえり、寅さん」(仮題)でも映像を流そうと、150万円を目標に1月29日まで資金を募っている。 服部さんは「自分が変われたように、偏見はなくせる。誰もが幸せに暮らせる社会にしたい」と意気込む。 クラウドファンディングのサイトは、ウェブサイト名の「FAAVO(ファーボ)」と「播磨」で検索。5千円、1万円、3万円の3種類があり、金額別に異なる大きさで、映像のエンドロールに名前や企業名が入る。同園TEL078・945・0280■差別のない社会を目指して 服部さん 記憶に残る障害者との関わりは小学校高学年。 近くの特別支援学校との交流授業で、よだれを流している児童がいた。 いい子ぶって普通に接したが、本心は「汚い」と感じていた。 クラスにも障害児はいたが、どう触れ合ったか、覚えていない。 「差別するのはあかんことやとは思っていた。ただ、気持ちをシャットアウトしていたから記憶がないんだと思う」 高校生で進路を選択するときも、「いい子」になろうと人のために働くイメージがある「福祉」の専門学校に進んだ。 卒業したが、福祉の仕事に就く気にはなれず、フリーターとして数カ月働いた。お金が尽き、就職活動をした。 福祉以外の業界を回ると「なぜ」と問われ、返答できなかった。内定が出たのは知的障害者の入所施設だけだった。 「嫌な仕事をしたら、その後は何でもできるじゃない」。知人から“アドバイス”され、知的障害や精神障害がある成人向けの施設で寝食をともにした。 黙々と農作業をする姿を見て、少しずつ考えが変わった。 数年後、暴言や暴力の目立つ男性と出会った。自分なりにアプローチを工夫すると、少しずつ心を開き、要望を言ってくれるようになった。 「あだ名で呼んで」「朝起きるときにあいさつして」。全て聞き入れた。朝顔を見たら「おっはー」とおどけた。 すると、暴言や暴力が少なくなった。 「わかり合えた。理由があって暴れていたんだ」 一人一人を見て、向き合うことの大切さをやっと理解した。この仕事を選んでよかったと思えた。 現在は勤務先で、就園前の子どもの親から悩みを聞く。 「子どもの障害を隠している」「言葉が出ないのを見て、周りから『まだ話せないの』と言われる」。不安があふれる。 「こんな広告を出さなくてもいいような社会が来ることが目標です」 障害者と健常者が一緒に楽しめるハロウィーンのイベントなど、次の構想が膨らむ。[神戸新聞NEXT]子どもを抱っこする服部記昌さん(服部さん提供) 自分に見合ったお仕事にいつの間にか出会っている。それもまた何かのご縁なんでしょうね。356万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント感謝です。☄
2019.01.25
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すずちゃんを描いた「自閉症」絵本 三島から台湾、韓国へ自閉症がある長女の障害を友達に分かりやすく伝えようと、三島市のフリーライター竹山美奈子さん(51)が書いた絵本「すずちゃんののうみそ」(岩崎書店)の海外版が2018年12月上旬、台湾で発売された。「国境を越えて、必要としてくれる人の手元に届くことがうれしい」。竹山さんは予想外の反響に戸惑いながらも、喜びをかみしめている。 絵本の主人公は県立沼津特別支援学校小学部3年の鈴乃さん(9)。18年1月に出版した日本版を岩崎書店の担当者が2月、台北ブックフェアで紹介したのがきっかけで翻訳されることになった。台湾でのタイトルは「鈴乃的腦袋瓜」。初版2500部が台北市などの書店に並んでいる。今後、韓国の出版社からも韓国版の発売が決まっている。 この1年、竹山さんは県内外で読み聞かせを兼ねた講演会などを8回行った。障害児の親ばかりでなく、子育てに悩む人や、成人してから自身の発達障害が判明した人など、何らかの“生きづらさ”を感じている読者から「気持ちが楽になった」という感想が届くという。 絵本に取り組んだいきさつを「ただ、こんな体で生まれた子もいることを知ってほしかった」と語る。幅広い層の読者からの声に驚きながらも、「脳からの指令がうまく行かない自閉症の事実をシンプルに伝えたからこそ、多くの人に関心を持ってもらえたのでは」と受け止める。 海外に渡った絵本を通して、誰もが生きやすい社会が世界に広がればと願う。竹山さんは「障害のことを聞くのも話すのもタブーじゃない。絵本のおかげでそんな雰囲気が広がっていることもうれしい」と話す。 <メモ>「すずちゃんののうみそ」は、2016年3月に鈴乃さんの卒園を控え、竹山美奈子さんがクラスメートへの「感謝の手紙」として文章を書いた。イラストレーター三木葉苗さんらの協力を受けて紙芝居に仕立て、園児たちに披露した。本文や大人向けの脚注には、脳の機能障害が原因で起きる行動や特徴を挙げ、対処法も添えた。18年1月に岩崎書店から、医師の監修を加えて加筆修正した絵本が出版され、累計8000部が販売されている。[静岡新聞SBS]すずちゃんののうみそ [ 竹山 美奈子 ]海を越えて翻訳された絵本、いい絵本は世界的にも評価されますね。☄
2019.01.24
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発達障害は病気というよりも、少数派の「種族」だから生きづらいメディアで頻繁に取り上げられ、世の関心も高まっている発達障害は、その特性を正しく把握することが必要だ。発達障害を専門とする精神科医師の本田秀夫氏に聞いた。 私はこれまで、発達障害の専門医として、こんな質問をよく受けてきました。「発達障害と個性はどう違うのか?」と。 私はその違いについて、拙著『発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち』(SBクリエイティブ)にまとめました。このコラムでは、発達障害の特性について触れながら、なぜ発達障害が「少数派の“種族”」といえるのか、その理由ついてお話していきましょう。発達障害と個性はどう違う?まずは、発達障害の特性から、説明しましょう。 以下の図は、「発達障害の基本的な特性」を表しています。 発達障害には、「自閉スペクトラム症」「注意欠如・多動症」「学習障害」など、いくつかの種類があります。そして、それぞれに特性があります。 たとえば、自閉スペクトラム症には「対人関係が苦手」で「こだわりが強い」という特性があり、注意欠如・多動症には「多動性・衝動性」と「不注意」という特性があります。 発達障害とは、これら「自閉スペクトラム症」「注意欠如・多動症」「学習障害」などを総称した呼び方なのです。※ほかにも、知的能力障害や運動症、チック症、コミュニケーション症などの種類があります。こだわりを対人関係のなかで調整できるかがカギ 発達障害は、その人が持つ「特性」、一般的な「個性」とはどう違うのか。ここではケーキ好きな女性たちを例に解説しましょう。 会社などで、休み時間に女性どうしがおしゃべりをするときに、どこのお店のケーキがおいしかったという話になることがあります。そうすると、ほかのお店のケーキと比べてどうか、使っている材料はそれぞれなにか、最近できた新しいお店はどうなのか、といった具合に、マニアックな知識が次々に披露されたりします。 このような会話をする人のなかには、「ケーキオタク」と呼べる人もいるでしょう。 では、ケーキオタクの女性たちに、「対人関係が苦手」「こだわりが強い」という自閉スペクトラム症の特徴が見られるかというと、一概にそうとはいえません。 ある種のこだわりをもっていても、それを対人関係のなかで柔軟に調整できる場合には、むしろ「対人関係が良好」だったりします。 ケーキに関する雑談でいえば、参加者のほとんどは、ケーキの知識を追究するためではなく、おしゃべりで時間をつぶしながら親交を深めるために、たまたまケーキを題材にしているのに過ぎないわけです。もうひとつ補足しておくと、オタクの人は、興味がなくてもケーキに関するおしゃべりにそれなりに参加できますが、自閉スペクトラム症の特性がある人は、もしもケーキに興味がない場合、そもそもおしゃべりに積極的に参加しようとはしません。彼ら彼女らにとって会話はあくまでも情報交換のためであり、時間つぶしや交流のために会話をしようという意欲は、基本的には低いのです。 いっぽう、自閉スペクトラム症の人は、対人関係のために大好きなことの優先順位を下げることには抵抗があるのです(それが「対人関係が苦手」で「こだわりが強い」という特性につながります)。 この「対人関係」に着目すると、自閉スペクトラム症の人とオタク(個性的な人)との微妙な違いが浮きぼりになっていきます。発達障害と個性との違いに、明確な境界線はない しかし、発達障害と個性との違いは、まさに「微妙な違い」です。 なぜなら、対人関係やこだわりの調整は「できる」「できない」の2つにはっきりと分けられるものではなく、あいまいなものだからです。 調整できる場面が多ければ「個性的な人」や「オタク」に近く、調整が難しいと自閉スペクトラム症の特徴に近いというふうに考えられます。 発達障害と個性、自閉スペクトラム症とオタクに明確な違いなく、「個性」や「オタク」、発達障害は地続きのもので境界線はないといえます。なにも話さずに見ているのも「好き」ということ 自閉スペクトラム症の特性が強い人の交流スタイルという点で、とある女の子のエピソードを紹介しましょう。 彼女が家にいて遊んでいたときのこと。手のあいた母親がそばにいって、いつもより積極的に話しかけたりスキンシップをとったりしながらいっしょに遊んでいると、 彼女は母親に向かってこう言ったそうです。「お母さん、なにも話さないで見ていてくれるのも『好き』っていうことなんだよ」 彼女の理想は、母親にそばにいてもらい、やや並行遊びのような感じで淡々と過ごすことであり、それが彼女にとっての「お母さんといっしょに楽しく遊ぶ」という感覚なのでしょう。 ほかの子が好む母子のスキンシップとは異なりますが、それが彼女にとっては心地よいやり方なのです。私はNPO法人などで、発達障害の方たちの余暇活動を支援しています。その活動のなかで「黒ひげ危機一発」で遊んだときのエピソードを紹介しましょう。「黒ひげ危機一発」を使って、自閉スペクトラム症の子どもたちが、ユニークな遊び方をしていたことがあります。ひとりずつ順番に剣を刺すのではなく、ひとりが剣を刺し続け、人形が飛び出したら次の子に渡すという遊び方です。 一般的な遊び方は「誰が刺したときに、黒ひげが飛び出すだろうか?」というスリルを共有することですが、その子たちにとっては、ほかの子とスリルを共有することは二の次だったのです。ひとりだけが剣を刺している間、まわりではそれぞれが好きなことをして、別の遊びを楽しんでいました。 でも、子どもたちは「みんなで『黒ひげ危機一発』ゲームをして楽しかった!」と語り合っていたのが印象的です。発達障害とマイノリティ問題 では、「黒ひげ危機一発」のユニークな遊び方をしているときに、ひとりだけ「みんなで順番に剣を刺そうよ!」と提案する子がいたとしたら……その子は、居心地が悪かったかもしれません。なぜなら、ユニークな遊び方をしている場面では、一般的な遊び方のほうが少数派だからです。 私は、発達障害の人が向き合う困難は、社会のなかで少数派であること、つまり「マイノリティ問題」と共通していると考えています。 人種や民族、性的志向などの少数派(マイノリティ)といわれる人たちは、偏見や差別の目にさらされることがあります。 では、なぜ偏見や差別が生じるのかというと、マイノリティの人たちがマジョリティ(多数派)を知るほどには、マジョリティはマイノリティのことを知らないからです。発達障害は、少数派の「種族」である 発達障害は、病気というよりも、少数派の「種族」のようなものと考えるべきです。 多数派が少数派のことを理解して、お互いに助け合っていくことによって、偏見や差別が少しでも減らせるのではないかと思います。そうすれば、発達障害の特性があっても「障害」とは言わなくてよい人たちが、いまよりも増えていくに違いありません。 また、「黒ひげ危機一発」ゲームの例でいえば、通常とは違った遊び方を楽しんだからといって、通常の遊びを楽しむ能力の欠損があるわけでも、能力が劣っているわけでもありません。 もしも、楽しみ方に優劣があると考える人がいるとすれば、それは多数派のおごりでしょう。自閉スペクトラム症の人たちの楽しみ方は、ただ少数派というだけです。 そして、発達障害(とくに自閉スペクトラム症)の特性がある人たちの社交の仕方は、そういう微妙な対人関係よりも自分の関心、やり方、ペースの維持を最優先させたいスタイルだとしかいいようがありません。 そのスタイルがいい悪いということはなく、それぞれにスタイルがあるというだけの話なのです。発達障害の特性を「選好性」としてとらえる 少し専門的な話になりますが、私は発達障害の特性を「〜が苦手」という機能の欠損として考えるよりも、「〜よりも〜を優先する」という「選好性の偏り」としてとらえたほうがしっくりくるように考えています。ここでいう「選好性」とは、Aというものではなく、Bというものを選ぼうとする生来の志向性のようなものです。 たとえば、「雑談が苦手」という特性は「雑談よりも内容重視の会話をしたがる」という具合に、「対人関係が苦手」という特性は「対人関係よりもこだわりを優先する」という選好性としてとらえることもできます。 また、注意欠如・多動症の特性を「じっとしていることが苦手だが、それは思い立ったらすぐに行動に移せるという長所でもある」というとらえ方もできます。 このコラムによって、より多くの方に、発達障害の方の志向性や社交のスタイルなどに関心をもって、理解していただくことにつながれば幸いです。文/本田秀夫(信州大学医学部子どものこころの発達医学教室・医学博士)本田秀夫(ほんだひでお) 信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授 特定非営利活動法人ネスト・ジャパン代表理事 精神科医師。医学博士。1988年、東京大学医学部医学科を卒業。東京大学附属病院、国立精神・神経センター武蔵病院を経て、横浜市総合リハビリテーションセンターで20年にわたり発達障害の臨床と研究に従事。発達障害に関する学術論文多数。英国で発行されている自閉症の学術専門誌『Autism』の編集委員。2011年、山梨県立こころの発達総合支援センターの初代所長に就任。2014年より現職。日本自閉症協会理事、日本児童青年精神医学会代議員。2013年刊の『自閉症スペクトラム』(SBクリエイティブ)は13刷5万部超のロングセラー。[週刊女性PRIME]本田先生は、自閉症協会の理事だったんですね。☄
2019.01.23
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発達障害の小中学生の通級指導 教員講座に履修証明検討 発達障害などが理由で「通級指導」を受ける小中学生が増えるなか、文部科学省は指導できる教員の数を増やそうと、専門性を高める取り組みを始める方針を固めた。教員が一定の講座などを受ければ「履修証明」を出す制度をつくるほか、細かいマニュアルを策定し、指導計画を立てやすくすることなどを検討しており、早ければ2020年度から順次、実施する。 通級指導は通常の学級に所属しつつ、週に数回はクラスを離れ、別室などで友人との円滑なコミュニケーションの仕方や、自分の障害の特性などについてグループや個別で学ぶ。「一方的に話す」「文字を書くことや読むことが難しい」といった発達障害がある子のほか、視力や聴力に比較的軽い障害がある子らが対象だ。対象の子どもは07年度は約4万5千人だったが、17年度は約10万9千人と、10年で約2・4倍に急増しており、中学生に限ると約5・5倍に増えた。特に、学習障害(LD)や注意欠陥・多動性障害(ADHD)が理由の子どもが増えている。 一方、校内で通級指導を受けられる公立の小学校は全体の22%、中学校は9%で、他校に通うか、希望しても受けられないケースが多い。また、専門の免許を持つ教員が教える特別支援学校と異なり、通級指導は通常の小中の教員が担うことが多く、教員の数と専門性が課題となっている。[朝日デジタル]教育現場での問題は年々深刻化しつつありますね。☄
2019.01.22
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知的障害でも意思くみ取る 成年後見制度 横浜のNPO支援で「保佐」に成年後見制度をめぐり、最高裁は診断書の改訂を決めた。認知症や知的障害があっても、周囲が本人の意思をくみ取る努力をすれば、過剰な権利制限をせずに済む。日常生活が送れる能力を生かし、制度をうまく利用できるよう支援する団体も出てきている。ダウン症による知的障害と心臓病がある横浜市の岡本真理さん(46)は平成27年、成年後見の利用を横浜家裁に申し立て「保佐」と判定された。 判断能力に応じた3個ある類型のうち2個目だ。「後見」よりも軽く、本人が同意した最小限の法律行為しか代理で行うことはできない。保佐人に選ばれたのは、市内の認定NPO法人「よこはま成年後見つばさ」。真理さんの母親(72)が、自分が亡くなった後のことを考えて24年に相談して以来、2人を支援している。 つばさは毎月1回、担当者が真理さん、母親と話し合う場を持つ。真理さんは4段階ある障害者手帳の等級で重い方から2番目。だが、例えば今日、何を食べたいか、将来どこで暮らしたいかといった自分の意思を伝えることはできる。 「多額の金銭を管理できるかという点だけで見れば、後見と判定されそうだが、真理さんには自分で発言する力がある。保佐で十分ではないか」。担当者はそう考え、真理さんと母親に相談したところ、2人も保佐を希望した。現在の診断書は財産管理能力のみに注目した様式だが、成年後見の診断書を作成する医師は真理さんと母親から話を聞き、普段の生活ぶりを尊重して「保佐相当」との診断書を書いた。 つばさの須田幸隆理事長は「財産管理能力だけで判断していたら『自分のことは自分で決める』という真理さんにとって最も大切な権利は守れなかっただろう」と話している。[産経新聞]親としては不安となり、何もかも委ねたくなる中で、こういう冷静な所見で親身に対応して頂けるとありがたいですね。☄
2019.01.21
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京都)発達障害児支援、就学後も すてっぷセンター京都府京田辺市にある府立こども発達支援センター「すてっぷセンター」で10月から、学校に通う発達障害児らが専門的な社会適応訓練を受けられる放課後デイサービスが始まった。同センターには就学前の発達障害児向けの療育施設はあったが、学校に通い始めた子は利用できなかった。府は相談室も併設し、支援を充実させている。 今月12日。子どもたちが保護者らに送られ、午後3時からできたばかりの建物のデイサービスに集まってきた。小学2~6年の児童が3人ずつの2グループに分かれ、活動を始めた。 うれしい、楽しい、悔しいといった感情について書かれたプリントをもとに周りの人の気持ちを考えてみたり、ボール遊びを通して友人との関わり方を実践的に学んだり。各グループには臨床心理士や作業療法士、児童支援員、学生ボランティアらが3人ずつ付いた。午後6時前に迎えに来た保護者には、児童支援員らがこの日の活動内容を報告。城陽市から来ている3年生の児童の母親(32)は「これまで放課後には学童保育に通わせていたが、単に預かってもらっていただけだった。ここでは自分と相手とは違う感情を持っていることを丁寧に教えてくれるので子どもも少しずつ理解でき、しんどさが軽減されているようだ」。6年生の児童の母親(52)も「声かけの仕方など、人間関係で苦手なことを一から教えてくれる。他人の気持ちを考えられるようになってきた」と語る。 すてっぷセンター(0774・64・6141)は、府南部の障害児らを対象に2003年に開所。小児科や児童精神科がある診療所を持ち、発達障害と診断された子どもたちが通う施設も備える。この施設だけに通う子もいれば、地域の保育所や幼稚園に通園しながら通う子もいるが、対象は就学前に限られていた。 府北部では、府立舞鶴こども療育センター(舞鶴市)が支援の拠点となっている。 文部科学省の12年の推計では、公立小中学校の通常学級に在籍する児童生徒の6・5%に発達障害の可能性があるとされる。 府障害者支援課によると、学校に入った発達障害児が放課後に通える事業所はほとんどが民間で、増加傾向にある。現在、京都市内を含めて府内に約250あるが、支援が難しい子にはほとんど対応できていないのが現状だ。 すてっぷセンターには臨床心理士や作業療法士らがおり、専門性の高い訓練が可能だ。同課の担当者は「民間事業者の見本になるような放課後デイサービスを目指している」と言う。 府は併せて、京都市伏見区にある府発達障害者支援センター「はばたき」の相談機能を、すてっぷセンター内でも利用できる「こども相談室」を設けた。府南部の小学1年~高校3年の児童生徒やその家族が対象で、臨床心理士らが3人態勢で無料相談に応じている。 相談は電話(0774・64・6000、平日のみ)ででき、必要に応じて家庭訪問もする。診療所から紹介され、定期的に相談を受けている子もすでに5人おり、学校訪問など教育機関とも連携しているという。 こども相談室長の長谷川福美さんは「診療所などをまだ受診できていないが、子どもが発達障害かもしれないと気になっている人も、まずは電話してほしい」と呼びかけている。[朝日デジタル]就学後も継続して同じ放課後支援が受けれると、学校生活にもいい効果をもたらしてくれそうですね。☄
2019.01.20
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高裁で一審と異なる精神鑑定結果 和歌山県紀の川市で2015年、小学5年の森田都史君=当時(11)=を刺殺したとして殺人罪などに問われた中村桜洲被告(26)が大阪高裁での再精神鑑定で、発達障害の一種で軽度の自閉スペクトラム症と診断されたことが18日、関係者への取材で分かった。一審が認定した病名と異なり、高裁の責任能力の程度や量刑の判断に影響する可能性がある。 一審和歌山地裁は17年3月、起訴前の鑑定に基づき被告が統合失調症か、被害妄想による心神耗弱状態で責任能力は限定的だったとし、懲役25年の求刑に対し懲役16年の判決を言い渡した。検察側は量刑不当で控訴した。[REUTERS]遺族にとっては、我が子を亡くした事実は変わらないし、なんとも悲しい現実ですね。☄
2019.01.19
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上尾の施設の障害者放置死で担当職員ら起訴上尾市戸崎の障害者支援施設「コスモス・アース」(現生活介護とさき)で送迎車に取り残された知的障害のある男性=当時(19)=が約6時間放置され、熱中症で死亡した事故で、さいたま地検は28日、業務上過失致死罪で、担当職員だった寺下晋平容疑者(38)=白岡市=、運転手の高橋三男容疑者(75)=さいたま市北区=を起訴した。起訴状などによると、2人は男性の安全を確保する義務があったにもかかわらず、男性の両親や施設管理者に安否確認を怠ったとしている。男性は昨年7月13日午前9時ごろ、送迎車で施設到着後、炎天下の中で約6時間放置され、倒れているところを発見された。[産経新聞]あの事件から既に一年半近く経って、やっと起訴されたんですね。ご遺族にとっては長い年月だったことでしょうね。☄
2019.01.18
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発達障害の人が搭乗体験=成田空港で全日空など自閉症や注意欠陥・多動性障害(ADHD)など発達障害の人を対象に、空港での手続きや飛行機への搭乗を体験してもらう催しが14日、成田空港(千葉県成田市)で開かれた。全日本空輸と成田国際空港会社が主催。日本発達障害ネットワーク(市川宏伸理事長)がサポートした。 全日空などによると、発達障害の人は、想定外の事態が起こるとパニックに陥る可能性があることから、飛行機での旅行を諦めがちなのが実態という。事前の「練習」によって、空の旅になじめるようにするのが狙いだ。 参加したのは、東京、群馬、埼玉、千葉、神奈川の5都県に在住する5~48歳の発達障害の人17人とその家族26人。案内カウンターで質問したり、チェックインや保安検査などの手続きを体験したり、駐機中の飛行機に搭乗したりした。 終了後、取材に応じた小学3年の木綿健人くん(9)は「楽しかった。飛行機に乗って空を飛びたい」とうれしそう。父親で会社員の基二さん(40)は「練習として非常にいい経験になった」と話した。(2019/01/14-15:46) [jiji.com]実際に、空を飛ぶシミュレーションもあればもっと把握しやすいでしょうね。☄
2019.01.17
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発達障害者、災害時手帳の活用進むイラストで会話、避難生活を円滑に環境の変化や言葉でのコミュニケーションが苦手で、こだわりが強いといった特性がある発達障害者。大規模災害時に避難所を気軽に利用できず、孤立してしまう問題が起きている。発達障害への理解を促し、円滑な避難生活が送れるように福井県内の支援団体が作成した災害時手帳の普及が進んでいる。 「発達障害のある人は見通しが立たないことや、いつもと違うことが苦手。災害時は不安がより強まりやすい」。こう話すのは、県内の発達障害者や知的障害者の母親らでつくる団体「にこにこクラブSUNFISH」代表の市岡公子さん(56)。 2016年の熊本地震では発達障害者やその家族の多くが避難所に行くのをためらい、車中泊を余儀なくされた。18年の西日本豪雨でも、知らない環境の避難所を嫌がったり、生活環境が変わることでストレスを抱えたりといった事例が報告されている。 同団体は17年度、主に発達障害や自閉症の人向けの災害時手帳「らいと」を作成した。縦15センチ、横10センチで、災害時にしてほしい配慮や自身が服用している薬を書き込むほか、避難所でのやりとりが円滑に進むよう「こわいです」「トイレ」「おにぎり」などのイラストを指さし、会話できるページを設けたのが特徴。発達障害の人は耳で聞く言葉より、目で見る絵や文字が頭に入りやすいからだ。 手帳はこれまでに2千部作り、特別支援学校や障害者団体などに無償配布した。障害者の保護者でつくる「福井あゆみ会」もその一つ。会員約30人に配った上野孝子代表(58)は「こうした手帳はなかったので本当にありがたい」と言い「親が一緒に避難できればいいが、子どもだけで避難生活をすることになったら不安。周囲の支援はもちろん欠かせないが、障害者自身が手帳を使い、要望や不安を周りに伝えることが大切」と話す。 市岡さんは、万が一の災害に備えて日常的に手帳を活用してほしいという。「学校や病院など普段の生活の場面で使うことで、発達障害者にとって分かりやすいコミュニケーション方法に理解が広まってほしい」と期待する。 市岡さんのもとには「らいと」の配布を希望する声が今も寄せられており、4月をめどに「にこにこクラブSUNFISH」のホームページから印刷できるよう準備を進めている。合わせて「らいと」の所有者から内容に関する改善点も募っている。問い合わせはメールアドレスnikoniko.sunfish@gmail.com[福井新聞]実際に本人が孤立してしまった事態を想定すると、入念な準備が必要になりますね。☄
2019.01.16
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自閉症の妹に売春させ生計立てる…ポン・ジュノが絶賛した「岬の兄妹」特報解禁足に障害を持つ兄と知的障害を抱えた妹の姿を描いた「岬の兄妹」の特報がYouTubeにて解禁。あわせて韓国の映画監督ポン・ジュノによる絶賛コメントが到着した。ある港町を舞台に、仕事を解雇され生活に困った兄・良夫と、町の男に体を許し金銭を受け取る自閉症の妹・真理子が登場する本作。良夫は罪悪感を感じながらも、真理子に売春をさせ生計を立てていく。「ローリング」の松浦祐也が良夫、「菊とギロチン」の和田光沙が真理子を演じた。ワールドプレミアとなったSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2018の国内コンペティション長編部門では優秀作品賞と観客賞に輝いている。「岬の兄妹」「岬の兄妹」監督はポン・ジュノの「母なる証明」、山下敦弘の「苦役列車」などに助監督として携わった片山慎三。ポン・ジュノは「慎三、君はなんてイカれた映画監督だ! 力強く美しい、ここまで大胆な作品が生まれるとは……衝撃を受けたよ。 多くの論争を巻き起こす見事な傑作だ。おめでとう」と賛辞を贈っている。「岬の兄妹」は3月1日より東京・イオンシネマ板橋、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で順次ロードショー。北山雅康、岩谷健司、中村祐太郎、風祭ゆきもキャストに名を連ねた。[映画ナタリー]また一つ、気になる映画が解禁されましたね。☄
2019.01.15
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「発達障害の子どもを伸ばす言葉」とは? 口角を上げて笑顔で実践!『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ』(shizu:著、平岩幹男:監修/講談社)は、「指示が通る」「言葉を理解できる」など、障害が比較的軽度の子を持つ親対象に書かれているように最初は感じたが、読み進めていくと決してそうではない。 障害児を育てる親の苦労という面では、障害の重さに“軽重”はないと思う。よく喋る知的発達に遅れのない発達障害の子であっても、人間関係でつまずき茨の道を歩んでいる場合もある。片時も目を離せず神経が休まらない重い自閉症の子の親もいるだろう。それぞれの家庭が大変な思いを抱えながら日常生活を送っている。「弱者に優しい社会は、すべての人が生きやすい社会」「障害児教育は教育の基本」と言われるように、障害児の子育ては健常児の子育てにも通じるものがある。書かれている項目すべてが、どの子どもにも応用できる内容で溢れていた。 例えば… 子どもが食べた後の食器を下げてくれたが、ガシャンと流しに投げた。こうなると大抵の親は「乱暴に置かないで」と言いたくなる。でも、子どもの気持ちになれば、ダメ出しされて「もう二度とお手伝いしたくない」となってしまうわけだ。あらさがしをしないで「食器を下げた」という良い行動、これを強化するため褒めることにまず徹すること。 平均台の上でふらついて落ちる子。「お友達はできているのにどうしてあなたは出来ないの!」と言ってしまうと自信をなくすだけ。そうではなく、子どもが立っている位置から一歩先に親が手を置き、「ここまで来れるかな」とスモールステップを設け、出来たらすかさず褒めること。 私の息子も自閉症なのだが、健常児と比べて運動会で皆と同じように競技に参加できない我が子を叱るのではなく、1年目は「運動会の日に欠席しないで登校できたことを褒める」、2年目は「競技に参加できなくても、観客席で見学出来たことを褒める」、3年目は「同じようにはできないけれど、競技に加われたことを褒める」と、やっていけばよかったわけだ。 他の子と比べたら永遠に叱ってばかりいることになる。物差しはすべて我が子の過去と今。1時間前と今、昨日と今日、半年前と今日、1年前と今日といった具合だ。出来る子とばかり比較されるのは、オリンピックのマラソン選手と競走させられているのと同じで、親子とも疲弊してしまう。 他の子と比べてダメ出ししたら、子どもには否定的な言葉しかかけられず親子とも笑顔でなくなる。この本には、ハッと気づかされることがたくさん書かれている。重度のお子さんには、ダイレクトには難しい課題もあったが、この本に書かれている基本姿勢を学んでいくとよいだろう。 ただ、親が一生懸命になりすぎ療育者となってしまい、家庭がオアシスでなくなると子どもは辛い。子どもに働きかけるとき親が鬼の形相、活火山のようになってしまってはダメなのだ。口角を上げて笑顔で実践することがポイントだと著者も最後に述べている。“発達障害の子どもを伸ばす”のタイトルの本だが、子育て中のすべての親に読んでもらいたい1冊である。文=立石美津子[ダ・ヴィンチニュース]発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ子育てに障害の有無は関係ないですね。355万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント感謝です。☄
2019.01.14
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障害者に寄り添う支援へ カラオケボランティア養成講座 三田 知的障害者と一緒にカラオケを楽しむボランティアの養成講座が12日、兵庫県三田市川除の市総合福祉保健センターで始まった。障害者の気持ちに寄り添って的確に支援できるよう、市民10人が接し方などを学んだ。 知的障害者について理解し、親交も深めてもらおうと、市社会福祉協議会が初めて企画した。全2回。 [神戸新聞]ゲームで知的障害者への接し方を学ぶ参加者たち=三田市総合福祉保健センター長男は一人カラオケを好むのですが、一緒に楽しめるといいのしょうね。☄
2019.01.13
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発達障害でも大丈夫/正しく理解し受け入れて市福祉部障がい福祉課主催の子育て講演会が11日、JTAドーム宮古島研修室で開かれた。発達障害のある双子の娘の母親であり、子育てのエピソードをアニメやエッセーとして出版している森山和泉さんが講師を務め「発達障害があっても大丈夫~子育てのヒントを見つけよう」をテーマに講演。発達障害児の子育て環境を整えて幸せにするためには、まずは親が幸せになれるようにすることが必要との認識を示した。 今は二十歳となった双子の娘が未熟児で生まれた時、医師から何らかの障がいが残ると言われ「現実から逃げ出したくなった」という森山さん。しかし出産からしばらくして初めて子供を抱くことができた時、想像以上に重いと感じ、そのことを看護師に伝えると「それが命の重み」と言われ、娘への愛情があふれ出てきて「育てられると思った」と当時を振り返る。 発達障害とは障がいではなく「脳のくせ」であり、他人と比べ劣っているわけではなく、得意と不得意の差がはっきりしているだけという考え方を紹介。「得意なことを上手にコントロールできれば社会参加し、生きていくことができる」との考えを示した。 発達障害の特性は、その人の持つ価値観や性格によって千差万別で、価値観や性格は周囲の環境に影響を受けやすいと指摘する森山さん。環境を作るのは親などの周りの大人であり、子育て環境を整えるためには親である「わたし」を整える必要があると強調する。 「わたし」を整えるためには、子供の障がいについて正しく理解し受け入れるとともに、心と知識を整えようとするのではなく実践しながら心と知識を整えて、さらにまずは「わたし」が幸せになれるよう自分のことを大切にすべきと語った。 会場には子育て中の保護者や子育て支援に関わる関係者らが多数、来場し、森山さんの話を熱心に聞き入っていた。[宮古毎日新聞]森山さんの話を熱心に聞く来場者=11日、JTAドーム宮古島研修室双子となると二倍以上のご苦労はあったでしょうけど、20歳を越えられて今までの大変さも成人式を迎えられる今春は何にも代えがたい幸せとして感じられることでしょうね。☄
2019.01.12
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発達障害児らの日常的な支援明記福井県いじめ防止基本方針初改定へ福井県と県教委は、2014年に策定した県いじめ防止基本方針を本年度内に初めて改定する。国の基本方針改定に沿い、各学校で発達障害など特に配慮が必要な子どもを日常的に支援すると明記し、いじめ防止に向けた取り組みの達成目標を学校ごとに設定する。 1月10日に福井県国際交流会館(福井市)で開いた、いじめ問題対策連絡協議会で改定案を提示した。 特に配慮が必要な子どもとして、発達障害など障害のある子どもや海外から帰国した子ども、外国人の子ども、性同一性障害がある子ども、東日本大震災で被災し避難している子どもを例示。学校長を中心に特性を踏まえた適切な支援を日常的に行い、保護者との連携や周囲の子どもへの必要な指導を組織的に行う。 学校ごとの達成目標は、毎年定める学校いじめ防止基本方針に設ける。いじめ防止に向けた環境づくりやマニュアルの実行、アンケートや個人面談の実施といった目標の達成状況を毎年評価し、改善に努めるとした。 いじめに関する情報を特定の教職員が抱え込み、学校に報告しないことは法に違反しうると明記し、速やかな情報共有の必要性を強く打ち出した。けんかやふざけ合いも、その背景や子どもの感じ方に着目して、いじめかどうかを判断するよう求めた。いじめの解消を判断する要件として、▽いじめがやんでから3カ月が経過▽被害に遭った子どもが心身の苦痛を感じてないことを本人、保護者に面談で確認-を挙げた。 いずれも2017年の国の基本計画改定で追加された内容を盛り込んだ。 協議会では「達成目標の設定など学校の負担が増えており、負担を減らす対策も必要」(県子ども会育成連合会)、「児童館や児童クラブでもいじめは起きており、発達障害の子どもが置き去りになっている」(県PTA連合会)といった意見や指摘が出た。[福井新聞]日常的に記録を付けることは、ものごとの経緯や原因を探る為にも必要ですね。☄
2019.01.11
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障害児が「普通にいる」クラス求め……「インクルーシブ教育」の壁年が明け、もうしばらくすると入学シーズンを迎えます。子どもが障害を抱えていたり、発達に遅れがあったりすることによって不安を抱えている家族がいます。希望する教育が受けられる学校のある街に引っ越す家族もいます。三つの家族の決断から、障害児の就学問題について少し考えてみました。「普通の子と交流できる方がいい」 菅原光穂さん(43)の長男(12)は、ダウン症です。合併症はありませんが、言葉を話し始めるのが遅かったこともあり、医師からは「普通の子と交流できる方が発育上いい」と言われたことが、心に残っています。 東京都中野区に住んでいたときは、幼稚園に通っていました。「幼稚園では、差別、いじめもなく、恵まれていました」 とはいえ、幼稚園の年長になると、義務教育となる小学校の入学について考える機会が増えていきます。一般の家庭では、私立や国立の小学校への受験を考えなければ、地元の公立小学校に入学します。 しかし、障害や発達の遅れを抱える子どもたちは、その前に、教育委員会や学校に出向いての「就学相談」「見学」などをする機会があり、そこで現実を知ります。障害のある子がいる家族にとっても、進学は大きな転機(画像はイメージ)出典: PIXTA就学相談で言われた一言で決断 菅原さんも、教育委員会で話し合いをした上で、支援学級に通うことを提案されたそうです。 その時、菅原さんは「障害のない子と交流できない学校の支援学級に通わせて、もんもんとする毎日なら、引っ越した方がいいのかな」と考えたそうです。 「障害児」「ダウン症」と言っても、子どもによって違います。個性もあります。自分の子どもには「切磋琢磨していって欲しい」と考えました。それは、長男のためだけでなく家族全員「お互いのためにいいから」です。我が子に合った教育探す 菅原さん家族には、2歳違いの次男もいます。 長男は、障害児だけが集まる支援学級に通い、次男は通常学級に通い、同じ学校の中で支援学級と通常学級が交流することのない生活を送るようになることを想像したそうです。 「弟が成長すると、障害のある兄がいることを隠すようになってしまうのでは……」 菅原さんは、通常学級で生活する時間が長い、交流する時間が長い学校はないか、探しました。品川区、そして世田谷区の支援学級を訪ね、入学後の学校生活を聞いたそうです。 ただ、多くの学校では、菅原さんが期待するような答えは返ってきませんでした。その次に、訪ねたのが、文京区内の公立小学校にある支援学級でした。成長するにつれ、きょうだいの関係性に影響が出ることを心配する家族もいる(画像はイメージ)出典: PIXTA「障害のない子もトイレを失敗します」 菅原さんは、文京区のある小学校の校長(当時)から、次のような説明を受けたそうです。 「支援学級に在籍しますが、朝から帰りの時間まで基本は合理的配慮のもと通常学級で過ごします。授業によっては個別指導になりますが、国語や算数なども内容をかみ砕いて、通常学級で同じ授業を受けることもあります」 菅原さんが、「うちの子は、トイレを失敗することもありますが……」と聞いてみると、その校長はこう答えたそうです。 「障害のない子も失敗しますから」 夫婦で話し合い、その学校に通える学区内への引っ越しを決めました。家族4人で暮らす持ち家を売って、「インクルーシブ教育」が受けられる場所に引っ越すという大きな決断です。「インクルーシブ教育」を求めて 「インクルーシブ教育」を求めて引っ越す家族は、菅原さんだけではありません。 長女(5)がダウン症の高橋真さん(45)は、長男(8)が小学校入学のタイミングで東京都品川区から文京区に引っ越しました。 高橋さんは共働きです。「品川区は、小中一貫校などで知られているように、お兄ちゃんにはいいですが、娘には全然ダメだと思いました」と振り返ります。 引っ越した理由は、自宅が都市計画道路に引っかかっていることもありました。引っ越し先の選択については、「インクルーシブ教育」が整っているところがいい、と考えたそうです。大阪の小学校で学んだこと 「インクルーシブ教育」にこだわるのは、高橋さんが子どもの頃を過ごした、大阪での小学生時代の原体験がありました。 「小学6年間、クラスには障害を持った友だちがいました。給食の介助もしましたし、怒りも笑いもし、町での日常生活でも会いました」 「障害があるなしではなく、誰でも普通に生きている、生きていいんだ、ということを学びました」「インクルーシブ教育」に希望を見いだす親もいる(画像はイメージ)出典: PIXTA幼稚園では仲良く生活 山口千鶴さん(46)は、ダウン症の長男(10)と自閉症の次男(3)の2人の子どもがいます。山口さん家族は、東京都豊島区から文京区に引っ越しました。 長男は、豊島区に住んでいたときから、隣の文京区の幼稚園に通っていました。 ミッション系の幼稚園で、「ぜひ来て下さい。そういう子がいると、クラスがまとまるので」と受け入れを快諾してくれたからです。友だちと仲良く過ごしていました。自宅から遠い支援学級 そして年中の時、地元の豊島区教育委員会に就学相談に行きました。 支援学級がある小学校について尋ねると、「支援学級がある一番近い学校は、巣鴨です」と説明されたそうです。 この時、山口さん家族の家があったのは、高田馬場。「近くの学校に行けませんか」と質問すると、こう言われたそうです。 「みなさん、巣鴨まで通っていますよ」 山口さんは、「幼稚園でみんなと一緒に過ごしているのに、なぜ、小学校からは分けられないといけないのか……」と感じました。 そこで少しでも早い時期にと考え、年中の時に「インクルーシブ教育」をしている学校がある文京区に引っ越しました。息子を、他の児童たちと一緒に学ばせたい……そんな思いが背中を押す(画像はイメージ)出典: PIXTA通常学級に席と役割があるという大切さ 今回、話を聞いた三つの家族の子どもたちは、同じ小学校に通うか、通う予定です。学校を選んだ理由に、いくつかの共通点が見えてきます。(1) 通常学級にも「席」や「役割」がある(2) 登校から下校まで、給食、掃除も含めて通常学級で過ごす時間が長い(3) くつ箱の位置から、運動会などの行事まで、通常学級と一緒(4) 学童保育も受け入れてくれる(5) 必要なタイミングで合理的配慮が受けられる これらは一部ですが、保護者と学校側が学期前に作る「個別指導計画」にもよります。国語や算数は、支援学級で受けたり、理科や社会は単元によって変わったりすることもあるそうです。 就学前、各地の支援学級を見学したり、就学相談をしたりした三つの家族が感じたのは「公立だからどこの学校も同じではない」ということです。子どもたちの適応力のすごさ 通常学級で一緒に学校生活をする効果について、どのように考えているのでしょう? 高橋真さんは、こんなエピソードを話してくれました。 「集団登校の時、叫んで反対方向に行ってしまった子がいました。すると、他の子が、しょうがないなと思いながらも迎えに行き、対話をして、一緒に登校する姿を見ました。そのときの子どもたちの適応力、対話力は素晴らしく、それは環境で育っていると感じました」 集団登校のエピソードから見えるのは、多様な子どもたちが交わる環境で幼少期を過ごすことの「価値」です。 今、社会で求められている、多様な背景を持つ人たちとの共生に通じていくものがあるのでは、ないでしょうか。 高橋真さんは、こうも言います。 「社会性のある学校がいいと思います。『インクルーシブ教育』は、勉強をしたい子の権利を奪うものではありません。学校には、勉強を学ぶと同時に、社会を学ぶという役割もあると思います」「どの子もいじめられる可能性はある」 菅原さんは、学校からの下校時、「長男が同じ学校に通う子にからかわれている姿を見た時は涙がでました」と振り返ります。 学校には長男に優しくしてくれる子もいますが、残念ながらそうでない子もいます。 それでも、教師たちはクラスの子どもたちが長男を理解出来るように配慮し、共有する時間を多く持つようにしてくれました。 そのことによって、子どもたちも成長し、お互いに認め合うことによって、少しずつ多くの子たちが長男の特性を受け入れられるようになったそうです。 「どの子も様々な個性があるからこそいじめられる可能性はあります」障害がある子もない子も、個性が元でいじめられるかもしれないという状況は同じという(画像はイメージ)出典: PIXTA自然体の心地よさは地域と親の理解から 山口さんも、こんな経験をしています。 友だちが、通学路で道路工事があった際に手を引いてくれたり、授業で苦手なことがあったときに手伝ってくれたりしてくれることがあると言います。 「子どもが自然に助け合える環境を地域で作り出している感じがします。自然体で特別扱いをされていない心地よさは、地域と親の理解があるからだと思います」柳町小学校の取り組み 三つの家族の子どもが通ったり、通う予定だったりする学校は、文京区立柳町小学校です。今年度、創立117年目を迎え、校舎の建て替えが予定されています。 周囲は、マンションと古い住宅地が混在しています。2005年度に「文京区特別支援教育モデル校」に指定されました。その後もそのときに取り組んだ「インクルーシブ教育」を試行錯誤しながら続けています。 例えば、通常学級にも自分の机といすがあり、ロッカーやくつ箱、かさ立ても同じです。50音順に配列されています。学校行事にも通常学級のクラスで参加し、朝の会や帰りの会、日直や給食当番、係活動といった役割分担も同じようにこなしています。「ともに生きる」を学校で体感 同じ環境を整える一方、「一人一人の児童に対して、必要に応じて個別の指導や支援」にも力を入れています。 現在、477人の児童がおり、このうち12人が支援学級の児童です。多い年度は、20人ほどの児童が支援学級に在籍していたそうです。 現在の小池夏子校長は、モデル校の指定を受けた校長から数えると3代目の校長になります。 小池校長は「インクルーシブ教育」の効果について次のように語ります。 「子どもたち同士も、子どもなりのサポートを考えてしています。将来的には社会の中で、共生、ともに生きる、ということになります。それを、学校に中で自然と体感しているのではないでしょうか」異なる特性を持つ子どもたちが、助け合いながら生きること。そこに「インクルーシブ教育」の本質がある(画像はイメージ)出典: PIXTA選択肢がある環境取材を通して、障害を持つ親たちからも、その子どもたちが通う学校の校長からも、同じようなニュアンスのことを言っていることに気付きました。 「保護者にも色々な考え方があると思います」 「支援学校に通った方が手厚くサポートを受けられていいという保護者もいます」 すべての学校で、今すぐ「インクルーシブ教育」ができる環境ではありません。親によってはそれを望まない人たちがいます。 このような問題を考える際、様々な人たちへの一定の配慮が必要であるということにもつながります。 ただ、今回、取材に応じてくれた母親たちは、「選択肢」があることの重要性を話していました。 「選択肢」を作ることは簡単ではありません。 教員や職員を特別に配置するには、人員配置や財政上の措置が求められます。 しかし、柳町小学校のような、学校生活のベースを通常学級に置くような方法は、「無理難題」なことなのでしょうか? 今は、様々な背景を持つ人たちが、互いを理解し合いながら暮らす社会を目指す時代です。 取材を通して、障害児の教育を超えた、重い問いを投げかけられているような気持ちになりました。皆さんの経験談や提案、意見を朝日新聞「声」欄に投稿してください。 投稿はメール、FAX、手紙で500字以内。匿名は不可とします。住所、氏名、年齢、性別、職業、電話番号を明記してください。 ◇〒104・8661東京・晴海郵便局私書箱300号「声・障害児の就学」係メール koe@asahi.comFAX 0570・013579/03・3248・0355[withnews]文京区は子どもが少ないので、より理想的な教育環境が整うのでしょうね。☄
2019.01.10
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頭を傾けると相手がよく理解できる!? 「人の顔の見ること」に関する研究結果が発表カリフォルニア大学サンタクルーズ校の心理学を教えるNicolas Davidenko准教授は、「顔の見つめること」に関する新しい研究を発表した。私たちは人の顔を見れば、年齢、性別、人種、表情、相手の視線の方向、気分など、膨大な情報を容易に手に入れることができる。顔は私たちを引きつけ、人間関係や周りの世界を円滑に進めるのに役立つものだ。反対に、視線が合わすことができないと、顔から情報を得る能力が落ちて、社会的な不利益があるそうだ。これが苦手な人々は、誤解したり、無関心だったり、気が散ったり、よそよそしいことにもなりうるという。科学者のあいだでは、顔を見るときに、見る側からすると見つめる相手の顔の左側に焦点を合わせる「left-gaze bias」と呼ばれる現象があることがわかっていた。また、逆さまの顔を「読む」のにも、まるで神経回路が混乱したかのように時間がかかることも知られていた。Davidenko氏はアイトラッキング技術を用いてみると、中心から11度ほど傾ければ左目バイアスが完全になくなり、「upper eye bias」なる現象が現れることを突き止めた。そこで、自閉症の人は回転させた顔を見る方がより快適で、頭が傾いている方が会話中の理解が進むかもしれないと考えたのだ。視線が合うと気まずいことがあるが、「頭がまっすぐなときには相手の片方か両方の目を見つめてしまうが、頭を傾むければ目の上の方を見るのです。この発見は治療に活用できると思います」と同氏は述べている。[AXIS]治療に役立つというよりは、特性の一つの紐解きになりましたね。☄
2019.01.09
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「手先が不器用」実は発達障害 認知度低くいじめ原因にも、苦慮する教育現場極端に手先が不器用だったり運動が苦手だったりする「発達性協調運動障害(DCD)」への理解を広める動きが、京都などの教育現場で出始めている。発達障害の一種だが認知度が低く、周囲の無理解のために本人が傷ついたり、教員が対応に苦慮したりするケースがあるためだ。教員らは作業療法士からアドバイスを受けるなどして、知識や対応を学んでいる。発達性協調運動障害(DCD)とはハリー・ポッター主演俳優も 昨年11月。京都市左京区の京都大医学研究科を訪ねると、DCDのある同区の養徳小6年山本詩己(うみ)君(11)が、同科の加藤寿宏准教授から、活動を楽しみながら運動機能の発達を促す作業療法を受けていた。天井からぶら下がる遊具に乗り、クッションを投げたり受け取ったりする。 山本君は幼少期から不器用さと運動の不得意が目立った。作業療法を受けるまでは、靴ひもが結べない、キャッチボールができない、手すりを持たずに階段を下りられないなど、日常の活動に支障があった。母親(42)は「苦手意識も強くなり、息子も私もどうしたらいいのか分からなかった」と振り返る。 DCDは専門家の間では知られているが、社会的な理解は進んでいない。加藤准教授は「自閉症などほかの発達障害との併存がよく見られるが、その場合はDCDの診断名を付けない決まりが2013年まであったことと、不器用さは本人の困りごとと捉えられがちであることが原因ではないか」と推測する。 だが近年、周囲の無理解が、子どもの情緒や発達に悪影響を及ぼしたり、いじめにつながったりすることが研究などで分かってきた。図工や体育、楽器を扱う音楽の授業などで劣等感を抱いたり、同級生からからかわれたりするためだ。映画ハリー・ポッターシリーズの主演俳優ダニエル・ラドクリフさんはDCDであることを公表し、学校生活では上手にできることがなく、つらかったと経験を語っている。山本君も「以前は体育が嫌だった」と打ち明ける。 教員もDCDの子どもへの対応に苦慮してきた。京都市教育委員会などによると、障害とは知らず、整った文字が書けない子どもに繰り返し書字の練習をさせる、姿勢を保てない子どもに厳しく注意する、といったこともあったという。研修で教員の理解広げる 学校現場での理解を深めようと、京都府や京都市の教育委員会は教員に対して研修会を開いたり、学校が作業療法士から助言をもらったりしている。 市教委は昨年10月、下京区の市総合教育センターに教員約200人を集めて研修会を開催した。講師の加藤准教授がDCDの基礎知識に加え、書字がうまくいかない子どもには紙の下に紙やすりを敷いて書きやすくするといった改善法について話した。最後に「不器用さは周りが思っている以上に、本人にとっては深刻な問題。自己否定感につながりやすい障害だと十分に認識し、指導してほしい」と強調すると、教員らは熱心にメモを取っていた。[YAHOO ニュース]本人ができないことの生き辛さをどう支援してゆくか。保護者との連携も益々必要になってきますね。☄
2019.01.08
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発達障害と診断されて「普通」とは何か考えさせられた 大人の「発達障害」に対する関心が高まっている。NHKで特集が組まれるなど、ここ数年で、関連の情報も増えている。ライターの姫野桂氏も、世に発達障害とは何かを知らしめてきた一人だ。2018年8月に刊行された『私たちは生きづらさを抱えている』(イースト・プレス)で、発達障害の当事者22人のリアルな声を伝えた。そして12月に刊行された新刊『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)では、発達障害という「診断」は下されていないものの、「傾向」のある人々の悩みや対策を聞いている。自らも発達障害であることをカミングアウトしている姫野さんに、“生きづらさ”を抱えながら生きるすべを聞いた。(インタビュー【後編】をお届けします)私はこんなに出来の悪い子だったのか──姫野さんは前著『私たちは生きづらさを抱えている』で、心療内科を受診し、発達障害の診断を受けることになった経緯から、テスト内容、診断結果までを、克明にレポートされています。発達障害であることを明らかにするのに、抵抗はありませんでしたか。姫野:私自身はこれまでも、自分自身を見せていくスタイルで仕事をしてきましたから、自分にとっては自然な流れでした。ただ、発達障害であるという診断を受けたときはショックでした。 発達障害には大きく3種類【※】あるのですが、私の場合はLDが最も強く、2桁以上の繰り上がり・繰り下がりのある暗算ができません。また、ADHDとASDの傾向も指摘されていて不注意傾向が強く、急な仕事が入るなどイレギュラーな場面に直面すると、緊張感に襲われます。【※発達障害には大きく3種類ある。ADHD:不注意が多かったり、多動・衝動性が強い。ASD:コミュニケーション方法が独特だったり、特定分野へのこだわりが強い。LD:知的発達に遅れがないにもかかわらず、読み書きや計算が困難】──診断が下された瞬間をふり返って、どのような気持ちになりましたか?姫野:自分はこんなに出来が悪い子だったのか、これまでよく生きて来られたなと(笑)。当時、私はワーカーホリック気味で、仕事をめちゃくちゃしていた時期だったのです。それで体調を崩して心療内科を受診したのがきっかけだったのですが、これまで、苦手なことを無理やりやっていたんだな、という気持ちにもなりました。──ただ、診断を受けたときの反応は、人によって違うんですね。姫野:ショックを受けたという方もいれば、うまくいかない理由がわかって、すっきりした、という方もいます。そこはもう、人それぞれですね。私の場合はショックだったのですが、以来、自己認識が変わりました。──どのように変わりましたか?姫野:できないことは認めて、人に頼むようになりました。以前は確定申告を自分でやっていたのですが、計算が苦手なため、80万円も間違えるという失敗をしました。今は税理士さんにやってもらっています。他にも色々とミスが多いのですが、障害だから仕方ないと、割り切れるようになりましたね。努力が足りないのではなく、苦手なだけだと。その認識がないと、自分を責めるか、人を責めるとか、別のどこかに原因を求めてします。今は診断を受けてよかったと思っています。──では、発達障害かもしれないと感じる人は、診断を受けたほうがいいでしょうか?姫野:診断にはお金がかかりますし、心療内科に行くこと自体、ハードルが高いと感じる人もいると思います。そういう方は、今は自己診断できるチェックリストが載った本が出ているので、まずはそうした本を活用するのもいいと思います。自分はこういう傾向があるんだな、とわかるだけでも、変わるかもしれません。「普通」になりたいと思ってきたが……──新刊の『発達障害グレーゾーン』のインタビューの中で、「普通」のことができない、という言葉が出てきます。当事者やグレーゾーンの方の「自分は普通ではない」という自覚によって、そもそも「普通」とは何かを考えさせられます。姫野:「普通」というキーワードは私の中でもずっと引っかかっていました。私自身も、普通になりたいと思って生きてきたからです。私が思い描く普通とは、大学を出て、企業に勤めて、3、4年経って結婚して家庭を持って、子供を2人くらい産んで……というもの。実際に、そういう人生を歩んでいる友人もいますが、私にはムリでした。 1年前くらいからようやく、「普通」にならなくていいや、と思えるようになったんです。──発達障害の診断を受けた頃ですね。姫野:そうですね。ちょうど1年前に、仕事のしすぎで眠れなくなったりと体調を崩して、病院にかけこんだんですね。ついでに発達障害の診断を受けてみたら、診断が下された。これらの一連の体験によって、吹っ切れたのだと思います。同時に、私が必死に仕事ばかりしていたのは、一つの自己逃避だったと気付きました。もちろん、私はライターしかできないので、今、こうして仕事ができていることには感謝しかありませんが。──仕事の仕方が変わりましたか?姫野:はい。今は、スケジュールを管理して、倒れない程度の仕事量にしています。もともと私がワーカーホリックだったのは、恋愛がめっぽうダメなので、仕事で生きるしかないと自分に言い聞かせてきたからです。恋愛より仕事のほうが、私にとってはずっとラクだし、上手くできるんです。でも最近、少しずつ、プライベートも充実させたいという気持ちになってきましたね。──姫野さんの恋愛に対する苦手意識はどこから来ていますか?姫野:高校時代、スクールカーストの底辺にいたトラウマから、男性に恐怖心を持つようになってしまったんです。恋愛への苦手意識はまだ克服できていません。 発達障害の女性は私に限らず、自己肯定感が低いので、自信がなさすぎて誰ともお付き合いができないとか、あるいはダメな男やモラハラ・パワハラ男に引っかかって苦労する人もいる。発達障害の女性がどうしたらいい恋愛ができるのか。その辺りは、いま気になっているテーマの一つです。◆姫野桂/ひめの・けい1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。著書に『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書) [blogos]発達障害グレーゾーン [ 姫野 桂 ]ライターに転身してのカミングアウト。何より受け入れやすいでしょうね。☄
2019.01.07
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「発達障害は特別なことではない」湘南厚木SNECで新しい春を SNEC(すねっく)は不登校や発達に課題をもつ生徒のための学習センター。学習環境はオーダーメイドできる少人数制。高卒資格取得はもちろん、進学や就労までの支援と伴走を受けられます。教員だけでなく、支援員、臨床心理士、担任が一丸サポート。また高校としては珍しく、個別支援計画で学習面、生活面のサポートもあり、見守り環境が揃っています。 この春、本厚木駅南口に開設される「湘南厚木SNEC」の校長を務めるのは、自閉症天才作家の異名をとる東田直樹さんらを見出した日野公三さん(『発達障害の子どもたちの進路と多様な可能性』ほか著書多数)。「高校進学の選択肢に不満や不安を感じている中学生、今いる高校の教育環境に悩んでいる高校生、そしてご家族の方はぜひ一度SNECの扉をたたいてほしい」と話しています。■湘南厚木SNEC 厚木市旭町5の43の14【電話】046・258・6780明蓬館高等学校 横浜・関内 SNEC (スペシャルニーズ・エデュケーションセンター)厚木市旭町5-43-14 パストラル2FTEL:046-258-6780https://www.at-mhk.com/style/snec.html[タウンニュース]障害をきちんと理解した上での充実した教育環境。全ての年齢において対処が可能になると有難いですね。☄
2019.01.06
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福岡)「子の障害、受け入れを」 おやじたいがイベント知的障害がある子の父親でつくる一般社団法人「福岡おやじたい」(吉田正弘理事長)が6日、啓発イベント「笑顔と絆のスクラム」を福岡市で開催する。これが5回目で、「バリアバリュー~障がいを価値に変える~」をテーマに講演やパフォーマンスがある。 ユニバーサルデザインのコンサルタント会社「ミライロ」(大阪市)の垣内俊哉社長が講演する。垣内さんは生まれつき骨がもろいため車いすを使う。学生時代のアルバイトで営業先を車いすで回ったところ、すぐに名前を覚えてもらい営業成績もよかった。この経験からバリアー(障害)をバリュー(価値)に変える発想が生まれたという。 水にぬらしたほうきなどで地面に絵を描くウォーターアートを披露するのは注意欠陥・多動性障害(ADHD)の堀川玄太さん(24)=山口県宇部市=。演劇とダンスのワークショップに取り組む障害児・者がその成果を披露する。知的障害や発達障害の場合、早期に発見して療育することが症状を緩和する。しかし、その前提となる、我が子の障害を受け入れることには困難が伴う。身体的な結びつきが母親より弱い父親にはその傾向が顕著という。吉田さんは「このイベントが障害を受け入れるきっかけになれば」と期待する。 6日は午後1時から、福岡市東区のなみきホールで。前売り券(700円)はチケットぴあで取り扱う。当日は1千円。詳細は「福岡おやじたい」のホームページで。[朝日デジタル]お父さんたちの集まりは、本当に力が結集するので頼もしいですね。☄
2019.01.05
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発達障害の子、教育・医療が一体で支援を 岐阜で協定 発達障害の疑いのある子どもなどを、より手厚くスムーズに支援しようと、岐阜市教育委員会と小児科医の団体「岐阜こどもの発達研究会」が協定を結んだ。教育と医療の現場が一体化した支援体制を作り、情報を共有する。市学校指導課によると、特別支援学級や、定期的に特別支援教育が受けられる通級指導教室に通う小中学生は年々増加しているという。同市では17年度の対象者数が719人で、15年度の531人の1・3倍に増えた。 必要性が高まる一方で教育現場では、「医学的に見た特徴や支援方法が分からない」といった悩みが寄せられているという。反対に、自閉症やLD(学習障害)といった発達障害の診断を下す小児科医たちからは「学校での状態が把握しづらい」「診断名だけ下して、その後の支援につながらない」などの声があった。 「岐阜こどもの発達研究会」は、県内の小児科医ら約20人からなる研修グループ。市教委はこれまでも、研究会の医師らの監修を得て、独自様式の診断書を作成し、市内の医師に活用を促すなど協力してきた。 両者は、さらに連携を強化するために協定を締結。来年度以降、学校側から、子どもの特徴や支援の内容を医師に伝える統一の情報シートを作成するほか、研究会の医師らが学校現場を見学できる機会を作ることを検討するという。 締結式で早川三根夫教育長は「本人(子ども)の生きづらさを少しでも解消して、乗り越えていけるよう互いに高め合いたい」と述べた。これに対し、研究会の西村悟子会長は「互いの現場のことが分かると、さらに風通しが良くなるはず」と応じた。[朝日デジタル]医師が現場と関わることで、本当の意味で子供を理解し向き合い、何より本人の生きづらさが解消され、より良い学習環境が整いそうですね。岐阜は教育にとても熱心ですが、ゆくゆくは、全国的に広がって欲しいですね。☄
2019.01.04
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自閉症の科学21 ASD児童の言語学習にとってバイリンガル環境は有害か?毎月少なくとも1報は自閉症に関する研究を紹介したいと、ノルマを課してきたが、今月はなかなか紹介したいと思う論文に出会えなかった。ゲノム研究などは進んでいるのだが、大筋でこれまでの研究を越えず、ただただ複雑になっている印象が強い。そんな時「自閉症スペクトラムの児童にとって2ヶ国語環境は有害か?」と、私が考えもしなかった問題に疑問を持って調べた論文に出会ったので、紹介することにした。 自閉症スペクトラム(ASD)の症状は多様で個人差も大変大きいが、社会性の障害、反復行動とともに、言語障害の3症状が決め手になって診断される。個人的には、社会性、あるいは他の人とのコミュニケーションの難しさが、全ての症状の原点にあるように思う。実際、言語障害の程度や内容は結構多様で、ASDと診断されている人でも、ほとんど気がつかない場合もある。また重度の言語障害があると診断されても、多くの著書を発表している東田直樹さんや、米国のIdoさんのように、文章を書かせたら普通の人よりはるかに高い言語能力を発揮する人もいる。すなわち、ASDは言語に問題があると単純に決めてしまうことは極めて危険で、言語についてはASDでも高い可能性がひらけていると個人的には思う。 ASD=言語学習障害と単純に思い込んでしまった一つの例として、「ASDの児童にとってバイリンガル環境は有害だ」という考えがある。すなわち一つの言葉でも学習に苦労するのに、2ヶ国語なら余計混乱するだけで、なるべく一つの言語に絞るべきだとする考えがあったようだ。確かに言われてみると、一理あるような気がする考えだ。 この思い込みに対して、社会や学校の環境がフランス語と英語が並立するモントリオールの公立学校に通うASDの学童について、バイリンガル環境に問題があるかどうかを調べたのが今日紹介する、モントリオールのマクギル大学の論文で、12月号のAutism Researchに掲載された。タイトルは「Bilingual Children with Autism Spectrum Disorders: The Impact of Amount of Language Exposure on Vocabulary and Morphological Skills at School Age (バイリンガルなASDの子供:学童期での言語への暴露量が語彙や言語構築力に及ぼす影響)」だ。 確かにバイリンガル環境でのASDの子供達の言語学習について、普通の環境のASDと比べてみるというのは着想が面白い。ただ、残念ながらこの研究では、バイリンガルと、モノリンガルのASDを科学的に比べるという研究が行われたわけではない。モントリオールの公立学校というバイリンガルの環境に通う子どもについて、言語能力を決めている要因をASD児童と典型的児童で調べただけの研究だ。言い換えると「モントリオールの子どもについての調査を示すので、あとは自分で考えて」と言った、ちょっと突き放した論文になっている。 実際には30人余りの知能発達障害の見られないASDの子どもについて、言語能力の調査を詳しく行っている。その結果、2ヶ国語環境のモントリオールの学童に関して、第一言語(フランス語)のボキャブラリーを決めているのは、典型児もASD時も、言語に触れている時間が最も重要で、あとは年齢、IQ、そして作業記憶と続く。また、言語構築の能力については、作業記憶が最も重要だという結果だ。もちろん、ASD児では典型児と比べた時、同じボキャブラリーを獲得するためには、より長い時間言語に触れる必要性があり、学習に苦労はしている。しかし、時間をかければ、十分高い言語能力を獲得できる。ボキャブラリーに関していえば、医師により言語障害と診断されている場合でも、言語に触れれば触れただけ、ボキャブラリーは増えることが明らかにされている。 ところが、言語構築力については、言語障害と診断されている児童の場合、言語に触れる時間が長くてもあまり改善しないという結果になっている。構築力が記憶を一時保持する作業記憶を反映しているとすると、この結果はASDの言語障害を理解するカギになるかもしれない。ただ、言語障害の軽度なASDの場合、典型児と大きな差が認められないことも示されている。まだまだ研究しがいがありそうだ。 以上のことから、少なくとも社会性や人付き合いに問題があっても、言語障害が強くないASD児童では、典型児と比べて言語が身につくための条件にほとんど違いがないことから、言語学習のためにはまず言語に触れることが重要で、バイリンガル環境が言語学習を妨げることはないと結論している。そして、ASDでも十分バイリンガル能力を獲得できるので、バイリンガル環境を避ける理由は全くないとも結論している。 もちろんこの研究はまだまだ不完全で、最終的な結論は、やはりパリの児童とモントリオールの児童を同じ条件で比べるなどの調査が必要だと思う。とはいえ、個人的感想を述べると、ASDの児童は、人付き合いが苦手でも、決して言葉を嫌っているわけではないことはこの研究からも明らになったと思う。その意味で、ASDと診断されても言語に触れる時間を十分取ることが重要だと思う。しかし、このような個人的感想も本当は全て科学的に確かめられるべきで、聞き流しておいてほしい。その意味で、バイリンガル環境とASDを結びつけた着想には感心させられたし、今後も研究を進めてほしいと思う。[YAHOOニュース]個人的な見解で語ると、実際に生後10ヶ月で夫の赴任で海外のニューヨークに連れ出した長男は最初は、「ママ」などとしゃべることもあったが、現地のナーサリーに入れると巻き舌のような‘r’の発音を面白がり、ロリロリロリ~などと担任のLaurieの名を口にするようになったんです。そして、ナーサリーでも自閉が明確となり、スクリーニングを勧められました。この子たちは、環境次第で幾様にもあらゆる言語を受け入れ慣れ親しむことはできるけど、それを伝達手段として使うとなるとまた別の関わり方が必要になってくるのだと思い、やはり日本人と暮らす以上は日本に帰国し言語統一を図ることを決めた次第です。思い悩んだ時に、この研究を拝見したかったです。あのままアメリカにいたらどうなったのかとたまに思うこともあっても、やはり難題も多々あったように感じます。☄
2019.01.03
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「自閉症を育てるプロ」目指す 息子2人との日々を発信自閉症の息子2人との日常を、講演会やSNSで発信している奈良県生駒市の山口歩さん(51)。「いろんな障害をもちながらも頑張って生きていることを知ってほしい」と活動している。 長男の真生(まお)君(17)は3歳の時、次男の悠生(ゆう)君(15)は1歳半ごろ、知的障害を伴う自閉症と診断された。「真生だけでも手いっぱいなのに2人も育てていけるのか」。当初は不安でいっぱいだった。 歩さんを前向きに変えたのは、夫の幸人さん(45)の一言。「こうなったら夫婦で自閉症を育てるプロになるしかないな」 自身の子育て経験を講演会で話すようになったのは、10年ほど前。小学校教諭や児童、教員免許取得を目指す大学生など、これまでさまざまな人を対象に講演してきた。 これまでに話した内容をつづった8千字の作文は今年、障害児教育のすぐれた実践記録などに贈られる「NHK障害福祉賞」の最優秀賞に選ばれた。 「自閉って『自分を閉ざす』と書くけど、私たち家族はオープンでいこう」。歩さんはフェイスブックなどで息子たちとの日常を発信し続けている。[朝日デジタル]]新年早々、明るいニュースにほっこりですね。☄
2019.01.02
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自閉症長男と勇気の一歩…志布志移住、開けた未来 弁護士 内藤由佳さん自閉症の長男が生まれて、人生が変わった。予測ができない未来に不安を感じ、もがく日々から抜け出せたのは、現実を受け入れ、一歩を踏み出す勇気を手に入れたから。その経験を胸に、母として、弁護士として前を向く。 「大人になってもみんなが幸せでいるためには、どうすればいいと思う?」12月初旬、鹿児島県志布志市の小学校。いじめ防止にちなんだ授業で、4~6年生の約70人に語りかけた。 中学生の頃、太った体形をからかわれたことがある。その体験を交え、いじめをなくすには何が大切か一緒に考え、こう強調した。「一人一人が大事な存在。そのことを忘れないで」 大学3年で司法試験に合格し、2002年、24歳で裁判官になった。間もなく同期の裁判官だった大作さん(41)と結婚し、04年に長女を出産。仕事と育児を両立する「裁判官夫婦」としてキャリアを積むと信じていた。「足りないものは何もないね」。そんな会話をしていた夫婦のもとに08年、第2子の長男 大雅(ひろまさ) 君が生まれた。「お姉ちゃんによく似ている」。夫婦で喜んだ。 1歳半の健診で発達の遅れを指摘された。名前を呼んでも反応せず、おもちゃに興味も示さない。2歳半で自閉症と診断された。「やっぱりそうだったんだ」 当時住んでいた愛知県で、1歳10か月の大雅君を保育園に入れた。その後、自閉症が分かると、「来年からは受け入れる枠がない」と言われた。裁判官としてようやく一人前になる時期。だが、仕事を辞めた。自閉症 一般社団法人「日本自閉症協会」によると、生まれつき脳の機能に何らかの障害があるとされる。他者との関係構築やコミュニケーションに強い不安や抵抗があったり、興味や関心が強く偏っていたりする。◇ 大作さんの転勤で引っ越した兵庫県でも、絵本が好きな長女のために大雅君も連れて図書館に行くと、大声で泣かれ、冷たい視線を浴びた。障害のない子どもと親が、うらやましかった。「この子の将来はどうなるんだろう」。大作さんと育児方法をめぐって衝突もした。不安をかき消すように、育児書を読みあさった。 そんな時、障害があっても積極的に何でも挑戦させるという鹿児島県志布志市の保育園を本で知り、すぐに現地へ見学に行った。 大雅君はいつものようにパニックを起こした。機嫌を取ろうとなだめると、園を運営する横峯吉文さん(67)に一喝された。 「泣いても誰も困らない。放っておいて大丈夫。子どもの能力を信じなさい」 自立を促す教育方針に共感し、入園を決めた。突然の決断に「非常識だ」と反対する大作さんを兵庫に残し、12年4月、志布志市に移住した。 縁もゆかりもない土地の人たちは、図書館で大雅君が騒いでも笑顔で見守ってくれた。園の指導で、4歳で両足跳びができるようにもなった。その場の雰囲気をぱっと明るくできる、表情が豊かな子どもに育っていた。 同年9月、知人の契約書の作成を手伝ったことをきっかけに、「まだ法律家として人の役に立てるのでは」と、長らく弁護士がいなかった同市に法律事務所を開設した。その直後、大作さんも裁判官を退官。「弁護士夫婦」となり、親子4人での生活を再開した。 大作さんは休日、大雅君とサッカーをして父子の時間を持つようになった。「妻は目標に向かって全力で突っ走るタイプ。これから先、どんな困難があっても、最善の策を選択してくれるはず」と信頼を寄せる。◇ 障害のある子どもと向き合い、悩んだ経験を一人でも多くの人に伝えたい。育児本を出版し、自治体や教育機関などから依頼された子どもの育ちに関する講演や出張授業を、これまで40回ほど行ってきた。 大雅君は小学5年生になり、最近、友達の応援もあって一輪車に乗れるようになった。「運動が得意になって警察官になる!」と張り切ることもある。英語も好きで、中学卒業程度の英語検定3級に合格した。 志布志に来て、本当に良かったと思う。「どんな環境でも現実と向き合い、一歩踏み出そう」。大切なことを、長男が気付かせてくれた。◇内藤 由佳 1978年6月、福島県いわき市生まれ。子どもの頃は手塚治虫の漫画作品を好んだ。「様々な立場の人と出会い、物事の解決に取り組めるから」と裁判官の道に。東京や高知地裁で主に民事事件を担当した。「子育てが落ち着いたら、食品ロス問題に取り組みたい」と話す。好きな言葉は「足るを知る」。[yomiDr.]我が子を想う母の想いは絶大ですね。そして受け入れる環境さえあれば、子どもは成長が図れるのでしょうね。354万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント感謝です。☄
2019.01.01
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