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2度目の立派な病名のつく病気 Ⅱ
とうとうやってきましたXデー。2003年5月6日。
手術は午前9時30分から2時間の予定。その前にカウンセリングやら処置で
午前7時半にチェックインしました。
中に入ると、3畳ほどの広さのお部屋が壁とカーテンに仕切られてたくさん並んでました。
部屋の真中にベッドが置かれてて周りにはモニターやらいろんな器具が。
ガウンに着替えて、トイレに行ったり落ち着かない気分でいるとナースが入ってきました。
気分はどう?って。カウンセリングしながら血管確保。私の手の甲の血管は細いらしく
何度も、しかも両手に針を刺されました。(痛)あたりまえのことだけど、ナースは動じないですよね。
なかなか血管とれなくても、結構平気でブスブスさしてくれましたよ。(苦笑)
そうこうしているうちに、今度は麻酔科の先生が。自己紹介をして、カウンセリング。
全身麻酔をかけるので、念のため気管に酸素チューブを入れますって。(鼻からチューブ)
ここで、私、必死の訴えを試みました。「どうか、眠っている間に挿入して、目がさめるころには
とっておいてください。」って。だって、こわいんだもーん。
そして、輸血の話に及んだときにマケが必死の訴えを。
「なるべくなら、輸血しないようにお願いします。」「命に関わることでも輸血を拒否されますか?」
「いえ、そうなると話は別ですが、なるべくなら輸血して欲しくありません。」って。
マケにとってはそっちのほうが怖いみたい。
それから、主治医がきたり、またナースがきて注射したり点滴が始まったり。いよいよ私の番らしく
麻酔科の先生がきて「それじゃ、麻酔を入れてきますねぇ。ボーっとなるけど大丈夫だから」って。
心臓がバクバクしてきたと思ったら、ほんとにボーっとなった。いよいよかぁ・・。
マケに「じゃ、行ってくるね~。」てバイバイして「アロちゃん、がんばってね!マケ、待ってるからね」って。
ベッドごとゴロゴロ転がされて手術室に入りました。あら、手術室は日本もアメリカも大して変わらないわ。
なんて、眺めてたらマスクをあてられて「はい、大きく息を吸ってー」て。意識がなくなりました。
今回は途中で目覚めることもなく、何だか変な夢を見ていた気がします。
知らないローカルハワイアンのおじちゃんたちが出てきたり、家族の誰かもいたような・・。
話し声が聞こえて、あれぇ??なんて思ってたら現実の声でした。
目がさめて、そこがリカバリールームであることを確認したらば「あー、終わったんだぁ・・。よかった。」て
ほっとしました。そして、次の瞬間、鼻に手をあててチューブが取れてることも確認し、よしよしと。
だけど、やたらと鼻とのどが乾燥してる。それだけが、不快でした。
あれ?マケがいない。おーい、私気がつきましたよー。目だけできょろきょろしてたら
ナースが「気がついた?気分はどう??今、旦那さん呼んでくるわねぇ」て。
おっと、ちょっと待った。その前に・・・。そう、何故か、私、トイレに行きたかったんです。
そのことを訴えようと、しゃべれないなりに、トイレに行きたいって言ってみると
「はいはい、ちょっと待ってて」て持ってきたのは尿瓶。おいおい、それだけは勘弁。絶対、無理!!
「あなたは目覚めたばかりで、血圧もだいぶ下がってるから起き上がるのはまだ無理よ」て
言うのを必死に抵抗してみた。そしたら、車椅子を持ってきてくれて3Mほどの距離のところを
車椅子に乗せられて2人がかりで、トイレまで。ナースも普通に中まで一緒に入ってきて私のガウンに手をかけた。
それも、大丈夫だからと抵抗し、無事に用を足せたわ。ドアの外で待ってたナースに声をかけ
また車椅子でベッドまで。そしたら、マケが入ってきた。
マケの顔をみたら、なんだか泣けてきた。麻酔が効いてるので、痛みとかはないけれど
きっとほっとしたんでしょうね。マケも「よくがんばったねぇ~」て頭ナデナデするから
余計にぽろりときちゃった。そして、主治医の先生もきて、説明をうけて「もうしばらく休むように」って。
ほんとーに終わったんだ・・。そう思ったら、また眠くなってきた。
ナースがもってきてくれた、シャーベットバーをしゃぶり、糖分補給をして。
もう一度血圧を測ってもらって、大丈夫そうなので、おうちに帰らせてもらいました。
ほんとは一泊してったらよかったらしいけど、お家のベッドで眠りたかったの。
だから、帰りますって言って帰ってきちゃった。その日、2回もおうちに電話をくれました。
「出血や異常はありませんか??」「気分悪くなったらすぐにきてくださいね」って。
さすが、おっきな病院のナース。とっても、安心できました。
そんなわけで、無事に大仕事(?!)をやりとげたんですけども、ほんとの地獄はこれからでした。
それからの、一週間。まず、固形物は食べれません。口も開きません。ぺこちゃん顔負けのほっぺた。
痛み止めで便秘になり、食べてないせいもあって10日ぶりくらいに死ぬ思いで排便し
(人間て、固形物を食べてなくても便はできるんですね。実感しました)
ようやく、2センチほど口が開くようになったなーというころ、恐る恐る中をのぞくと
まっしろけっけ。舌苔の異常繁殖。びっくりしました。
すこしずつ、やわらかいうどんやら、スープやらが飲めるようになって。普通に食事ができるようになったのは軽く3週間は過ぎたころですね。
ほんとーに、辛かったです。危惧されていた顔面の感覚神経もやっぱり一部なくなってたし
なんというかな、常に麻酔の切れかかりのような状態。ある程度までは復活するかもしれませんとは言われてるけど
やっぱり、不快です。よだれがたれてても全然気が付かないし。
食べれない分、体力もかなり落ちてましたね。
だけど、このことは辛いことだけじゃなかったです。マケの献身的な看病で
「この人は、ほんとに私を大事にしてくれる。何があっても大丈夫だ」って
「私も、この人に何かあったら、絶対最後まで面倒みる」って。再認識しました。
これが、結婚するってことなんだなぁ・・って。結婚相手の条件ってこれだわって。
こんなことも健康なうちはわからないですもんね。実際にその場になってみないと。
マケが精一杯看病してくれたこと、絶対一生忘れないようにしようと思いました。
この先、喧嘩してもこのことだけは絶対に忘れないようにって。
術後の経過はいらいらするほどに、のんびりしたものだったけどさすが再生能力。
いつしか、痛みも腫れも引いてきました。
あとは、再発(術後6ヶ月から2年がもっとも確立高し)なく5年が過ぎれば完治だそうです。
定期検診は続きますが、それはいたしかたないこと。しばらくの辛抱です。
この次は再発した・・か、完治した・・のお話で〆たいと思います。
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