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BLの苦手な方は読まないで下さい。18禁です。あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。何卒お許し下さいませ。m(_ _)m 遠いあの日。母さんが死んで・・・父さんが死んで・・・僕は兄さんの物になった。「許して下さい。兄さん。」月龍は王龍に組み敷かれて泣いていた。月龍は無抵抗な子供だった。白い肌を弄る王龍の手が細い首へと伸びて行き、真綿で絞めるようにゆっくりと指に力を込める。「く、苦しい。やめ・・・」「苦しいか?もっと苦しめ。俺はおまえを許さない。」王龍は欲望に任せて月龍の首を絞めた。殺されるかもしれない恐怖に月龍は怯えた。痛みと苦しみが月龍を支配し、意識が遠退いて行く最中、 月龍は体内に放たれる王龍を感じた。行為の後、目が覚めると、何故だか腹が白く汚れている事に気付いた。「首を絞められて感じるとはな。呆れたものだな。」王龍がベッドで煙草を吸いながら、汚いものを見る目で月龍を一瞥した。「父はおまえなど愛していなかった。分かるだろう?男は愛していない者を抱けるという事を証明する為に俺はおまえを抱いた。しかし、まさか、おまえがイクとは思わなかったけどな。」王龍は下卑た笑みを浮かべると、煙草を銜えたままベッドから下りて、ガウンを着た。「おまえに見せたいものがある。だが、その前に風呂に入れ。30分で支度しろ。いいところに連れて行ってやる。」「どこですか?どこに行くんです?」月龍が怪訝そうに聞くと、王龍はニヤッと笑って、こう言った。「納屋だ。屋敷の納屋に豚小屋を作ったんだ。」 (続く)
2018年09月17日
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BLの苦手な方は読まないで下さい。あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。何卒お許し下さいませ。m(_ _)m 僕を愛してくれる人はいない。いつか未来に現れるのを夢見てずっと生きてきた。庭のあずまやで読書をしながら、うつらうつらと眠くなったユーシスの瞳に照りつける太陽に苛められて舌を垂らしている番犬と黒服の男が近づいて来る少年を引き止めている光景が映った。池の水面は陽炎のようにキラキラ輝いていた。「読書か?何読んでんだ?」少年はユーシスの前に立ち、本を覗き込んだ。「ヘミングウェイの海流の中の島々?・・・俺は眠くなるな。」「ああ。僕も眠くなった。」ユーシスはフッと笑った。「ところで、シン。あの件は片付いたかい?」「死んだよ。」「そうか。」「そうかって・・・また、とぼけやがって。どうせあんたの手下が殺ったんだろ。一体何人同胞を殺したら気が済むんだ。」シンは怒っているようだった。だが、ユーシスは冷静な口調で、こう言った。「あれは同胞なのではなく、僕の親族だ。兄を始めとして李一族全て死んでもらう。血塗られた歴史の上に立つ者こそ真の支配者になるという言葉があるのを知ってる?」「知るかよ!そんなこと言って・・・あんたは復讐したいだけなんだろ?」「そうさ。僕は復讐すると誓ったからね。」ユーシスは笑った。そして、しなやかな指を伸ばして、シンの手を引き寄せた。「今夜また僕の所に来て。一族を滅ぼしたお祝いをしよう。」「あんたをボスと認めて命乞いした親戚を殺すような人間とは俺は付き合えない。祝うなら独りで祝えよ。」シンは手を振り払った。そして、一度も振り返らずに去って行った。怒らせてしまったと思った。しかし、闇社会においてはほんの少しの温情も命取りだ。ファミリーを大切にする白人と違って、僕たち中国人は上下関係だけで動いている。支配する者と支配される者。アメリカ人の思考回路を持つシンはまだまだ子供だ。いずれ僕の右腕に育てなければならない逸材なのに、あの優しさには先が思いやられる。シンと初めて寝たのはいつだったか忘れたけれど、彼は本当に子供で、僕と対等だと勘違いしたようだ。でも、シンはまだ僕しか知らない。だから、人を愛する方法もろくに知らずにいる。シンは本当の愛を知らないんだ。そして、僕もまだ本当の愛を知らない。 <続く>
2018年08月15日
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