SMAPに溺れてる人々の部屋

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バレンタイン2



おばあちゃんからチョコレートが届いて

あ!おじいちゃんに買うの忘れてた!

という事で、スーパーに行くことになったわたしたち。

用意をしていると、宇宙人Aが側に寄って来た。

「ねえ、お母さん。Aにもチョコ買って!」


え?何するん?


もじもじ。。。。。。もじもじ。。。。。。。。。。。。。。。

誰にあげるん?

もじもじ。。。。。。もじもじ。。。。。。。。。。。。。。。。


「言いたくない」


「ふうん、 じゃあ 買ってあげない!

誰にあげるのか わからないのに、おかあさんお金は出せん!」


誰が好きなのか 聞き出したいがために

あたしは大人気ないことを言う。

「じゃあ いい。。。。。。」

Bに比べて根がちょっと暗いAは、哀愁を漂わせて自室に去って言った。

いらいらいらいら。。。

言えよ。言ったらいいじゃん、減るもんじゃなし、はっきり言えーーー!

どかどかと子ども部屋にのりこむと

部屋のすみっこで しくしくナミダを流すA。

完全に悲劇のヒロインになりきっている。

あのねえ、毎年毎年好きな子かわるくせ、どうしてそう真剣になるの?

と心で思いながら

幼い頃の自分と重なって 苦笑いしてまうあたし。

そういえば あたしもそうだったなあ。。。。。

あんた 似すぎ。。。。

気を取り直して、

「かっちゃーけん、今から行こ!

でももう暗いけん名前を言わんと家まで連れていけんよ!」

あくまで名前が聞きたいあたしの誘導尋問にあっさりとひっかかって

Aの顔がぱっと明るくなる。

「うん!!!ありがとう お母さん!!!!」

スーパーであれやこれや迷うA。

結構悩んだ後、Aはハートのいっぱい詰まったチョコを選んだ。

嬉しそうににへらにへらしている。

にわかにあたしの方が緊張しはじめた。

こんな時間に行って、迷惑にならないかな。。

まだ小学3年生なのに、こんな事させるべきじゃないのかも。。。

どきどきしながら彼のマンションへ向かう。

結構立派な建物じゃん。


うきうきるんるんっ♪

インターホンに向かって走っていくAの足取りは軽い。

一緒についていく!!!!!という不粋なBをにらみつけながら

見守るあたし。。。どきどき




自動ドアが開いて、Aが出て来た。

「どうやった?どうやった?なんて言った?なんて言ってくれた?」

質問攻めにする大人気ないあたしに

Aは 大人の表情をして くすっと笑いながら答えた。


「『これ よかったら もらってください』って言った。そしたら

○○君は『うん。ありがとう。食べるね。じゃ明日また学校で』って言った」


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

完全に大人な会話だ、完敗だ。。。と

親離れ宣言をされた気分で

ちょっと淋しくなったりした。


その日の夜のAは

空をぼおおっとみあげて うっとりしたり、

「はあ。。。。♪。。。」と意味もなくため息をついて微笑んだりと

見ていて笑える程少女であった。


いつの間にか 成長しちゃったんだね。。。。。   

それにしても そのロマンチストなところ

あたしに似すぎだわ。。。。。と

なんだか妙に気恥ずかしい気持ちになった あたしであった。


来年、またうっとり♪するんだろうな。。。。。。違う子で。。。ぷぷっ

                                完


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