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Another hall of FINAL・FINAL
~第一章・山荘~
第一章-山荘-
外見だけでなく、中も広くて綺麗な山荘だ。
俺は自分の部屋に荷物を置いて一息した後、
ディナーの時間だというので、ダイニングルームへと急いだ。
しかしさっきの幻覚は…
いや、考えるだけ無駄だ。
早く忘れてしまおう。
ダイニングルームにつくと、
すでにみんな席についてディナーを食べている。
俺は空いている席を探して、そこに座った。
座っているのは先ほどバスに乗っていた4人と、
30歳くらいの女性に、
それよりちょっと年を取った感じの男が1人。
どうやら、滞在客はこれだけらしい。
管理人らしき老人男性が、客のグラスに水を注ぎ足している。
「なあ」
突然、あの痩せた男が喋り始めた。
「短い間だが、これからこうやって席を共にするんだ。
ここはひとつみんなで自己紹介といかないか?」
みんながお互い見合わせて、静かにうなずく。
「よし。じゃあここは俺から…」
「はい! 私!
私から自己紹介!」
男の言葉をさえぎり、
さっきの若い女性が立ち上がって自己紹介を始めた。
「えーと、私の名前はジェーン!
ジェーン・マクスウェル!
これからしばらくの間、よろしく!
ちなみに年は21歳で、この前彼氏と別れたばっかりです!」
ゲレンデで素敵な恋を探しに来ました!」
ジェーンはそう言って、俺に向けてウインクをした。
困った。
既婚者だと思われていないらしい。
次に、痩せた男がわざとらしい咳払いをしながら立ち上がった。
「俺はジョー・ラフナーだ。
ハンティングのことなら、何でも俺に聞いてくれ。
銃の腕で、俺に勝るやつはいないからな!」
ジョーはそう言って、席に座った。
何となく嫌味っぽい、とっつきにくい話し方だ。
「じゃ、次は私かな…」
今度は、俺の隣の女性が立ち上がった。
「私はサラ・ペインター。
2日前から、この山荘に泊まっているわ。
以後お見知りおきを」
こちらは打って変わって、
30歳くらいの落ち着いた女性だ。
見るからにキャリアウーマン、という感じか。
リアやジェーンにはない、大人の雰囲気が漂っている。
サラが座ると、俺の向かいに座っていた男が立ち上がった。
「私の名前はアンディ・アルトマン。
ハンティングには私も自信がある。
よろしく」
ジョーが、ライバル意識の視線を送っているのがすぐにわかった。
アンディは体格がよく筋肉質だが、
性格はおとなしそうで、口数も少ないようだった。
残ったのは、ビリーと俺だけだ。
俺がビリーに合図をして、ビリーは渋々立ち上がった。
「わ、私はビリー・トールソンと申します。」
えーと、
スキーをするために、今日山荘にやってきました…
よろしくお願いします…」
ビリーはそう言い終えるとそそくさと席に座った。
彼は人はいいが、かなり気が小さいようだ。
さて、いよいよ俺の番だ。
「俺の名前はディーン・アルム。
ここにはビリーと同じく、スキー目的で来ました。
25歳で、妻ともうすぐ生まれてくる子供がいます」
ジェーンが驚いた顔でこちらを見たのがわかったが、
あえて視線を合わさずに席に座った。
「えー、私も自己紹介よろしいでしょうか?」
みんなが一斉に、声の方向へ振り向いた。
山荘の管理人だ。
サラが、“どうぞどうぞ”と言うようにうなずく。
「それではお言葉に甘えて…。
私はこの山荘ベルマネンツを経営しています、
ロバート・ルーロと申します。
皆さんが快適な時間をお過ごしできるよう、努力したいと思います。
どうか、よろしくお願いいたします」
見るからに、優しそうな性格の管理人だ。
客商売には最も向いていそうだ。
「今日ここに泊まっているのは、俺達だけなのか?」
ジョーが管理人に聞く。
「ええ。
スキーやハンティングをする方は、
山のふもとのホテルに宿泊される方が多いようで。
この時期は、
それほどお客様が多くないのでございます。
夏場に、避暑地としてご利用される方のほうが…」
「滞在客はもう一人いるよ!」
ひとりの少年が、食堂に入ってきた。
「君も、ここに泊まっているのかい?」
ビリーが聞くと、管理人があわてた様子で答えた。
「いえいえ、こいつは私の孫のアレンでございます。
冬の間、
こうして山荘の手伝いをしておるのですよ。」
「どうも」
アレンが多少照れくさそうに、挨拶をした。
まだ幼さが残っている。
年齢は、中学生くらいだろうか。
「ねえ、じゃあもう一人の滞在客って?」
サラが話題を元に戻した。
「ほら、あの包帯の男!」
アレンが管理人に向けて言った。
「ああ、あのお客様…」
「包帯って何のことです?」
興味があったので、俺も聞いてみた。
管理人は多少戸惑った様子を見せたが、
声を小さくして話し始めた。
「一週間前から泊まっているお客様なのですが、
山荘に着いて以来、部屋にこもりっきりで。
山荘の外はおろか、
部屋の外に出たのも見たことがございません」
「部屋で何かあったんじゃないの?
ほら、殺されたとか!」
ジェーンが冗談っぽくそう言ったが、誰も笑わなかった。
「いえ、毎日の食事は、
部屋の前までお届けするように言われております。
食べた後の食器も、必ず部屋の外に置いてあります」
「死んではいないってことか。
で? それと包帯とはどう関係あるんだ?」
ジョーがせかすように聞く。
「それが…
そのお客様、
顔中に包帯を巻いていらっしゃるのでございます。
顔だけではなく手も包帯だらけで…。
確かお名前は、
ジェフ様、だったと記憶しておりますが」
「何だそりゃ。
まるでミイラ男だな」
「素顔を隠さなければいけない理由があるのかしら」
「指名手配中の連続殺人犯とか!」
またジェーンだ。
ともかくあまり関わらないほうがよさそうだ、
ということで、その話は終わった。
その後もたわいない話が続き、
ディナーの時間は過ぎた。
「それから…
当山荘のサービスとして、夕食後に
ハンティングのレクチャーを無料で提供しています。
参加ご希望の方は、私までお申し付けください」
ハンティングのレクチャーか…。
ちょっと興味があるし、無料だからやってみるか。
俺はほかの滞在客が全員食堂を後にするのを待ってから、
後片付けを始めた管理人に話しかけた。
「あの、ロバートさん。
俺もそのレクチャーに、参加してみたいんですけど…」
「左様でございますか。
それでは、10分ほど後に、
正面玄関前に集合していただけますでしょうか」
「10分後ですね、わかりました」
「それでは、よろしくお願いします」
…10分じゃ何もできないな。
俺は一旦部屋にコートを取りに戻り、
ロビーのソファーに座って、管理人を待つことにした。
「お待たせいたしました、ディーンさん。
それでは参りましょうか」
・・・・・・
「あの」
「いかがなさいましたか」
「他の参加者の人は?」
「実を言いますと…
参加希望のお客様は、ディーンさんお一人だけなのです。
このレクチャーは、私の趣味も兼ねて始めたのですが…
この山荘を開いて以来、
参加をご希望されたお客様は、これまで3人しかおりませんので」
「ということは…」
「晴れて今日で4人目でございます」
まずいレクチャーに参加してしまったかな。
すると管理人は何かを持ってきた。
「これは?」
「射撃陽の的でございます。
まずは、銃の扱いに慣れていただこうと思いまして。
あ、こちらをどうぞ」
管理人にハンドガンとハンドガンの弾を10発渡された。
「くれぐれも、取り扱いには十分の注意を払ってください」
「は、はい」
「まず、簡単に射撃の練習をしてみましょう。
的の中心の黒い部分を狙って撃ってください」
「は、はい」
バンッ!
「簡単でしたでしょうか?
今度は、もう少し的から離れて撃ってみましょう」
バンッ!
「惜しい! もう少しです」
バンッ! バンッ!
なんとか的に命中したようだ。
「いかがでしたか?」
「意外と難しいものなんですね」
「遠くから射撃する場合は、
照準を合わせるのも難しいですし、威力も落ちます。
あまり無闇に撃ち続けると、
すぐに弾薬が底をついてしまいますから、
時と場合を考えたほうがいいでしょう」
「なるほど」
「それでは、次に参りましょうか」
今度は管理人が何かの機械を持ってきた。
「今度はこれを使うんですか?」
「ええ。
私がレクチャーのために、
芝刈り機を改造して作ったものです。
その前にこちらをどうぞ」
管理人からショットガンとショットガンの弾を渡された。
「え? この芝刈り機を撃つんですか?」
「丈夫に作ってありますから、心配ありません」
「ショットガンは、先ほどのハンドガンよりは命中しやすい銃です。
ただし標的にある程度近づかないと、
命中精度が落ちてしまうのでお気をつけください」
「わかりました」
「それでは、始めましょうか。
芝刈り機を追いかけて、
そのショットガンで撃ち抜いてください」
バァン!
キュウゥゥゥゥゥゥン・・・。
「…壊れてしまったみたいですけど」
「また時間のあるときにでも、作り直します。
それよりも、芝刈り機に命中したのは
ディーンさんが初めてですよ。
素質があるのかもしれませんね」
「それはどうも」
俺がレクチャーの参加者4人目だからな。
あまり素直に喜べない。
「もう少しレクチャーの続きがあるのですが、
あいにく私は夕食の後片付けがありますので、
山荘に戻らなくてはいけません。
もしご希望でしたら、代理でレクチャーを
続けてくださる方を探してまいりますが…」
「代理でですか?」
「ええ。
滞在客の皆さんの中には、
指折りのハンターがお揃いですから。
いかがいたしましょう?」
「急ぐことでもありませんし、
続きはまた今度にしますよ」
「左様ですか。
それでは、一緒に山荘に戻りましょう」
・・・・・・
「ふう」
シャワーも終えたし、後は寝るだけだ。
でもまだ9時だし、山荘内を少し歩き回ってみるか。
「確かこの辺りに山荘の見取り図が…
あったあった」
「念のために、部屋の鍵もかけていくか」
「さて、まずどこへ行こう…」
と思ったが他の客室に行くわけに行かないため一階に降りようか。
・・・・・・
ロビーはかなり広々としている。
滞在客のほとんどが、ここでくつろいでいるようだ。
俺はロビーの中央にある、高級そうなソファーに腰掛けた。
さて…
俺はニュース番組をじっと見ているアンディに話しかけた。
「最近、物騒なニュースが多いですね」
「そうだな」
「……」
「……」
「…ハンティング、得意なんですか?」
「ちょっと黙っていてくれないか?
ニュースを集中して見れないじゃないか」
怒られてしまった…
しばらく黙っていたほうがよさそうだ。
・・・・・・
しばらくテレビを見て
俺はテレビのスイッチを消した。
「もう11時か…
みんな、寝てしまったのかな」
山荘はすっかり静まり返っている。
俺もそろそろ寝ようかな。
いや、でもまだ眠くはない。
眠くない?
寝るのが…怖いのかもしれない。
いや、そんな馬鹿な。
子供じゃあるまいし。
そう、俺はもう子供じゃないんだ・・・。
今さら、何を・・・。
ガチャ・・・。
バタン・・・。
突然扉が開く音がして、俺は我に返った。
・・・2階からか?
まだ、他にも誰か起きているようだ。
2階の廊下の一部は壁がガラス張りになっており、
1階のロビーからそこだけ廊下が見えようになっている。
でも特に人影は見えないな・・・。
コツ・・・コツ・・・コツ・・・。
足音・・・?
2階の廊下を歩いているみたいだな。
コツ・・・コツ・・・コツ・・・。
足音が段々と近づいてくる。
コツ・・・。
止まった?
足音が止まるのと同時に、
一人の男の姿がガラス張りの廊下に現れた。
男は・・・・・・・・・顔に包帯を巻いていた。
男はガラス越しに、俺をにらみつけている。
顔中にまんべんなく巻かれた包帯。
そしてその間から覗く、冷酷な目。
あれが、
アレンと管理人が話していた包帯の男、ジェフ・・・
男は微動だにせず、じっと俺のことをにらんでいる。
何なんだ。
何なんだ、この感じは。
まるで金縛りにあったかのように、
俺はその場から動くことができなかった。
どのくらい、俺達はにらみ合っていただろう。
包帯の男は突然振り返って、今来た道を戻り始めた。
「・・・・・・」
気味の悪い男だ・・・。
あの包帯は一体何のために・・・?
なぜ俺をにらみつけていた?
「・・・・・・」
俺が考えても仕方がない。
さっさと自分の部屋に戻って、寝ることにしよう・・・
・・・・・・
「ん・・・?」
俺は、薄暗い部屋の中で目を覚ました。
どこだ? ここは?
極端に狭く、寝ていて自由に手足も伸ばせない。
部屋というよりは、刑務所の独房といった感じだな。
俺は体を起こして、部屋を見回した。
天井は少し高いが、壁には窓がひとつもない。
壁も天井も殺風景なコンクリート製で、
ただでさえ狭いのによけい閉鎖感を感じるようだ。
それにしても暑い。
額からどんどん汗が噴き出してくる。
壁の向こうから熱が伝わってくるようだ。
暑さで頭がボーっとしてきた。
ここにいたら、このまま倒れてしまいそうだ。
俺はフラフラしながらも、なんとかその場を立ち上がった。
そのとき、暗い部屋にかすかに光が差したような気がした。
正面を見ると、壁に大きなドアが貼り付けてある。
おかしいな・・・
さっきはこんなドア気づかなかったけど。
ドアと壁の小さな隙間から、確かに明るい光が見える。
突然、ドアの向こうから女性の声が聞こえてきた。
「ディーン! 早く逃げて!」
誰かが向こうにいる?
俺はドアを開けようと、ノブに手をかけた。
ドアのノブに手を触れた瞬間、体中に衝撃が走った。
ノブは、焼けた鉄のように熱かった。
俺は必死で手を離そうとしたが、
手のひらの皮がノブにぴったりとくっついて離れない。
無理やり離そうとすると、手に激痛が走る。
突然、俺の手が発火した。
目の前で、俺の右手がめらめらと燃えている。
相変わらずノブから手は離れない。
火は腕から体に燃え移り、たちまち俺は頭から足まで火に包まれた。
今までこんな苦痛を経験したことがあっただろうか。
皮膚がただれ、焦げ落ち、肉が見えてくる。
そのうち肉も燃え尽き、白い骨が見えてきた。
俺はその場で立ち尽くしたまま、意識を失っていった。
「!」
俺は山荘のベットの上で目を覚ました。
素早く体を起こして周りを見回す。
間違いなく山荘の俺の部屋だ。
「また夢か・・・」
夢を見ながら結構汗をかいたらしい。
シャツがかなり濡れている。
「暑いな・・・」
俺は思わず部屋の窓を開けた。
いつの間にか、外では雪が降っている。
外のひんやりとした風が気持ちよく感じられる。
どうせしばらく眠れないんだし、
外を散歩して涼んでこようか・・・
俺はコートを羽織って、部屋を出た。
・・・・・・
俺は正面玄関から外に出て、山荘の周辺に沿って歩き始めた。
寝ている間にかなり雪が降ったのだろうか。
意外と雪は深く、足がすっぽり隠れてしまうほどだ。
・・・・・・
「おや・・・」
俺は思わず足を止めた。
山荘のテラスには、
簡単な木製テーブルとイスが数組置かれている。
そこに、一人の男が座っていた。
・・・顔に包帯を巻いた男が。
男はまだ俺の存在に気づいていないようだ。
コーヒーカップを片手に、雪を眺めている。
多少不安もあったが、
俺は男に話しかけてみることにした。
一歩一歩雪を踏みしめながら、男に近づいていく。
相変わらず男が俺に気づく気配はない。
いや、わざと無視しているのか?
でも何なんだ、この胸騒ぎは。
いやな予感がする。
やはり引き返したほうがよかったのかもしれない。
そんなことを考えている間に、俺は男の目の前まで迫っていた。
俺はそのまま無言で男の向かいのイスに座った。
男はようやく俺に気づいたようで、一瞬驚いた目を見せた。
しかし、それはすぐに冷酷な目に戻り、
俺達は何も言わずお互いをにらみ合った。
何をやってるんだ・・・俺は。
話をしに来たんじゃなかったのか?
しばらくして、男のほうからわざとらしく目をそらし、
コーヒーをすすり始めた。
顔だけでなく、
コーヒーを持つ手にも包帯が巻かれている。
永遠とも思える間、重い沈黙が流れた・・・。
俺はようやく覚悟を決め、口を開いた。
「俺の名前はディーン。
あんたの名前は?」
「・・・・・・」
男はまるで俺の質問が聞こえていないかのように、
無言を貫く。
「ジェフ・・・だろ?
管理人から聞いたんだ」
「・・・・・・」
ジェフは答えようとせず、黙ってコーヒーをすすっている。
しばらく沈黙が続いた後、不意にジェフが話しかけてきた。
「ディーン・・・
あんたのラストネームは?」
「アルム。
ディーン・アルムだ」
「・・・・・・」
初めて聞いたジェフの声は低く、かすれていた。
でもこの声、なんとなく聞き覚えがあるような気がする。
いや、この男とあったことがあるような気がする。
それもかなり昔・・・
ジェフがゆっくりと腰を上げた。
何かを言おうとしたのか一瞬俺の目が合ったが、
すぐに顔をそらして正面玄関の方へ歩いていった。
テーブルの上には、
ジェフが置き忘れていったコーヒーカップが湯気を立てている。
コーヒーはまだ半分以上残っていた。
顔や手を包帯で巻いた男、ジェフ。
こんな時間に、こんなところで何をしていたんだ?
そして、あいつは俺のラストネームを聞いた。
なぜ?
やはり俺とジェフは面識があるのかもしれない。
いや、あんな包帯巻きの男、
会ったことがあるのなら俺が覚えていないはずがない。
俺はしばらく無言で雪を見つめていた。
どれくらいの間そうしていたのだろうか。
気がついたらジャンパーには雪が積もり始めていた。
「寒くなってきたな・・・
そろそろ山荘に戻ろう」
俺はイスから立ち上がった。
ガシャアァァァァァン!
・・・?
ギャアァァァァァァ!
「な、何だ!?」
確かに山荘から叫び声が聞こえた。
それに、ガラスの割れるような音も・・・。
考えている暇はない!
早く山荘の中へ戻ろう!
・・・・・・
山荘のロビーは相変わらずしんとしていて、誰もいない。
特に異変があった様子もない。
確かにあの叫び声は山荘の中から聞こえてきたはずだ。
・・・2階だ!
2階に行ってみよう!
・・・・・・
2階に上がった途端、誰かが廊下に座り込んでいるのが見えた。
・・・ジェーンだ!
「ジェーン! 一体何があったんだ!」
ジェーンは涙目で俺を見つめるばかりで、何も言おうとしない。
「ジェーン!」
俺はジェーンの肩をつかんで、強くゆさぶった。
「か、か、怪物が・・・・・・」
ジェーンはかすれた声でそう言って、ある方向に指を指した。
指の方向には、半開きになった客室のドアがあった。
・・・あの部屋で何かあったのだろうか。
「ジェーン!
今すぐ1階に下りて管理人を呼んでくるんだ!
早く!」
ジェーンは何度もうなづき、階段へ走っていった。
それを確認してから、俺は半開きのドアに近づいた。
・・・ドアが熱い。
俺はドアを足で蹴飛ばして開けた。
「なっ・・・!」
部屋の中では炎が舞い、火の海と化していた。
そしてその中央に、怪物が立っている。
赤い皮膚に、鋭い爪、そして体に巻かれた鎖・・・
怪物としか表現できない、異常な生き物・・・
怪物は微動だせず、俺をにらみつけている。
俺はなるべく怪物から目を離さないようにして、
武器となるものを探した。
部屋の壁に、スキーのストックが立てかけてある。
俺は怪物と目を合わせたまま、
スキーのストックにゆっくりと近づいた。
ストックを持った。
俺はストックの先を怪物に向けて構えた。
怪物は俺を威嚇するような声を上げて、
こちらに向かって近づいてきた!
俺はストックで怪物の頭を叩き付けた!
怪物が俺の腕に噛み付いてきた!
「くそ! 離せ!」
なんとか怪物から離れることができた。
俺が振りかぶったストックは怪物の体に命中した!
怪物が俺めがけて爪を振り下ろした!
「くっ・・・!」
俺は怪物をじっくり見つめた。
黄色い目に、赤い皮膚・・・
気味の悪い怪物だ。
怪物の皮膚は、全体的に薄く透明な体液に覆われている。
体液・・・?
・・・皮膚があまり強くないのだろうか。
もしかしたら、ストックを突き刺せば貫通するかもしれない!
俺はストックを構えて、そのまま怪物に突進した!
ストックは怪物の腹に突き刺さった!
怪物は苦しそうな声を上げている。
今のは相当効き目があったようだ。
「大丈夫!?」
突然呼びかけられて、俺は後ろを振り返った。
扉の外には、アレンが立っていた。
その手にはショットガンが握られている。
「今やっつけるから!」
アレンはそう言って部屋の中に入ってきた。
「気をつけろ!
かなり強暴だぞ!」
バァンッ!
アレンが放ったショットガンは怪物に当たった!
怪物はかなり苦しがっている。
怪物がアレンめがけて爪を振り下ろした!
「うっ・・・」
突然怪物が大きなおたけびを上げた。
俺は思わずストックを構え直す。
怪物は少しの間俺をにらんだ後、
素早く部屋の窓から外へと逃げていった。
「くそ! 逃げられたか!」
窓の周りには火が燃え盛っていて、あまり近づけない。
「まずこの炎を何とかしないといけないね」
アレンが額の汗をふき取りながらそう言った。
「一体何があったんですか!」
突然管理人が部屋の中に入ってきた。
「事情は後で説明します。
とにかく今は、この火をどうにかしないと!」
「山荘中の消火器を集めてきましょう!
さあ早く!」
・・・・・・
バシュウゥゥゥゥゥーーーーーーーー!
・・・・・・
何とか消火器で火を消し止めることができた。
「部屋の大半が焼けてしまったな・・・」
ガラスが割れた窓から、雪が吹き込んでいる。
外は吹雪になっているらしい。
「ディーンさん! ちょっとこれを!」
管理人がしゃがみ込んで何かを見ている。
俺は管理人の方へと近づいていった。
「こ、これは!」
管理人の前にあったもの、それは・・・
人の焼死体だった。
性別もわからないほどまっ黒に焼け焦げているが、
はっきりと人の形をしている。
「・・・とにかく、一度滞在客を全員集めましょう」
・・・・・・
深夜3時過ぎに、滞在客全員がロビーに集まった。
もちろん、包帯巻きのジェフもいる。
ただ、ビリーの姿だけは見当たらなかった・・・。
俺は全員に今まであった出来事を話し始めた。
始めは皆わけがわからなそうに聞いていたが、
俺が冗談を言っているのではないと気づいたのか、
段々と聞くほうも真剣になってきた。
俺が全部話し終えた後、ロビーは長い沈黙に包まれた。
「本当に怪物だったんですか?
その・・・見間違いなどという可能性は・・・」
ソファーの横に立っている管理人がそう聞く。
「私が見たもの・・・
あれは間違いなく・・・・・・怪物だった」
俺の代わりに、ジェーンが答えた。
「それはいいとして、
その焼死体は一体誰だったんだ?」
ジョーが多少苛たしそうに聞く。
「火事が起こったのは、ビリーさんがお泊りしていた部屋でした。
さきほど皆さんを起こしに回りにいったときに、
山荘内をすべて見回りましたが、他に誰もおりませんでしたし・・・。
おそらく、ご本人と判断してよろしいのではないかと・・・」
管理人がそう答えると、皆下を向いて黙り込んでしまった。
「ロバートさん、とにかく警察に連絡しましょう」
俺は沈黙を破って、そう言った。
「そ、それが・・・
電話が、繋がらないのです。
それどころかテレビやラジオ、無線も・・・」
「どういうことですか?」
「私には、わかりません・・・」
「みんなでふもとまで降りるしかなさそうですね」
すると、ジョーが口を開いた。
「外は今猛吹雪なんだぞ。
そんな中で山を歩こうなんて、自殺行為だ」
「でも、ここに残るのが安全だとも思いません」
俺が反論する。
突然、今まで黙っていたジェフが立ち上がった。
「どこへ行くんだ?」
俺はジェフを引き止めた。
「決まっているだろう、俺の部屋だ」
ジェフは階段の前で止まって、背中を向けたままそう言った。
「やめておいたほうがいい。
2階は危険だ!」
「・・・余計なお世話だ」
ジェフはそのまま階段を上って2階へ消えた。
再びロビーに沈黙が流れた。
「俺が助けを呼びに行ってきます」
俺はソファーから立ち上がって、そう言った。
「私も行くわ」
サラが立ち上がった。
「私も行こう」
アンディは座ったままそう言った。
今度はアレンが口を開いた。
「じゃあ、俺も行くよ!」
「しかし君はまだ・・・」
「子供だと思って馬鹿にしないでよ!
さっきだってあんたを助けたじゃないか!」
「そうだけど・・・。
ロバートさんがそれでいいのなら・・・」
「まあ、皆さんと一緒に行動するのなら、いいでしょう」
「ありがとう! おじいちゃん!」
やれやれ・・・。
「助けを呼びに行くには、
スキー場かふもとのホテルが一番近いでしょう」
管理人が周辺の地図を広げながら、俺達4人に説明する。
「どちらに行くか・・・だな。
4人いるのだから、二手に分かれてもよさそうだ」
「そうね。
どうするの、ディーン?」
「俺はアレンと一緒に行動します」
「よろしくね、ディーン。
スキー場とふもとのホテル、どっちに行くの?」
「俺達はふもとのホテルに行きます。
だから・・・」
「私とアンディはスキー場ね。
いいでしょう」
サラがそう言った。
「皆さん、本当にお気をつけてください」
管理人が心配そうな顔で言う。
「わかっています。
ロバートさんもこの山荘をしっかりお願いします」
俺は管理人をなだめるようにそう言った。
「承知しました。
あと、出発する前にこれを・・・」
雪原の地図
ハンドガン
ハンドガンの弾30発
痛み止め3個
止血剤2個
救急セット
を管理人から貰った。
「あ、そうそう。
これは俺の持ち物なんだけど、
ディーンのリュックに入れておいていいかな?」
アレンがそう言って何かを差し出した。
「ああ、いいよ」
ショットガンとショットガンの弾を手渡された。
「さて、行こうか」
「皆さんを巻き込んでしまって、
まことに申し訳ございません・・・」
「いえ、ロバートさんのせいではありませんから・・・」
「皆さんのお帰りをお待ちしております」
「ええ。
必ず戻ってきます」
俺は管理人に軽く解釈をして、山荘を出た。
第二章-廃村-へ続く・・・
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