Happiness
1
【内容情報】(「BOOK」データベースより)京の骨董店を舞台に現代の「百物語」の幕が開く。注目の俊英が放つ驚愕の新作。細長く薄気味悪い座敷に棲む狐面の男。闇と夜の狭間のような仄暗い空間で囁かれた奇妙な取引。私が差し出したものは、そして失ったものは、あれは何だったのか。さらに次々起こる怪異の結末は―。端整な筆致で紡がれ、妖しくも美しい幻燈に彩られた奇譚集。 【目次】(「BOOK」データベースより)きつねのはなし/果実の中の龍/魔/水神 お薦め度 ★★★浸れる 考えさせられる 怖いなんだか薄気味悪い物語です。4つの短編集と言いながらも、それぞれ共通するものがあり(狐面の男、ナツメさん、ケモノetcが主なモノでしょうか)それらのキーワードを繋げ、4つの物語の謎が解けると思ったら…解けないまま。謎は謎のまま終わりました…。読了後はトコトン、薄気味悪~い空気が残りました。ま、謎のまま。この雰囲気を味わいたい~と言う方にはお薦め!私は…すっきりしないので、イマイチ不満が残りましたが。とにかく一度読んだだけでは理解不能な部分が多く…。もう一回読み直してみました。何度も読み返すうちに、自分なりの世界観を見出す事が出来、それを吟味する作品なのではないでしょうか!?この4つの短編集ですが。気になったのは「ケモノ」という生物。『きつねのはなし』では天城家の籠の中に捕らわれ、『魔』では、ケモノ本来の姿で町をうろつき。また憑依(!?)し。『水神』では、曽祖父の庭で遠吠えしたかと思ったら…その後、剥製に。『果実の中の龍』では。それらのケモノ話すべてを、先輩の語りで聞くのですが。とくかく不気味なこの「ケモノ」…。狐に似てるかと思いきや胴が長く、とぐろを巻き、白い歯をのぞかせ、その顔は人間に似てると言う…。(恐!!)その後。ネット検索したら。このケモノとは「クダキツネ(別名・イイズナ)」ではないかという説がありました。ケモノの正体がこうして分かって来ると、摩訶不思議な世界のこの本を読む「ひとつのヒント」になる気がします。(主な登場人物)「きつねのはなし」武藤 「私」。大学生。「芳蓮堂」でバイトする。天城さん 50歳位。着流し姿の不気味な男。狐面に固執する。ナツメさん 30歳過ぎ。母の跡を継いだ骨董屋「芳蓮堂」女主人。須永さん 70歳過ぎ。大地主。布袋様のような面持ち。奈緒子 武藤と同じ大学に通う彼女。「果実の中の龍」私 18歳。サークルで知り合った先輩の図書室に入り浸る。先輩 22歳。法学部学生。シルクロードを旅した。結城瑞穂 22歳。理学部大学院生。先輩の図書室で知り合う。「魔」私 大学生。修二の家庭教師をしている。西田修二 西田酒店次男。高校生剣道部。西田直也 修二の一つ年上の兄。剣道部。夏尾美佳 武道具店「夏尾堂」の娘。直也と同い年。秋月晃純 寺の息子。先輩との喧嘩で剣道部退部。直也と同い年。「水神」私 祖父から同居を求められたが大阪の大学に進学。茂雄 私の父。後妻・花江の連れ子として樋口家に入った。祖父 屋敷で一人暮らしをする、酒豪。末期は水ばかり飲んでいた。花江さん 茂雄の母。私の祖母。祖父の二番目の妻。和子さん 茂雄達が幼い頃、住みこんでた家政婦。弘一郎伯父、孝二郎伯父 茂雄とは血の繋がりが無い義兄。美里さん 弘一郎伯父の娘。介護の必要な祖父の世話をする。樋口直次郎 樋口家開祖。琵琶湖疎水掘削事業技師。曽祖父 直次郎次男。龍にまつわる骨董道楽。酒豪。
2008.03.11
閲覧総数 248