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2011.07.25

「海に沈んだ町」三崎亜紀・白石ちえこ

カテゴリ：読書・三崎亜紀

【送料無料】海に沈んだ町
価格：1,575円（税込、送料別）

数千人の人々を乗せて海を漂う“団地船”、永遠に朝が訪れない町、
“生態保存”された最後のニュータウン…喪失、絶望、再生
-もう一人の“私”が紡いでゆく、滑稽で哀しくて、
少しだけ切ない九つの物語。
『失われた町』『刻まれない明日』に連なる“町”を、
気鋭の写真家との奇跡的なコラボレーションで描く連作短篇集。

【目次】（「BOOK」データベースより）
遊園地の幽霊／海に沈んだ町／団地船／四時八分／彼の影
／ペア／橋／巣箱／ニュータウン

★★★★　 浸れる　目からウロコ　考えさせられる

このタイトル、津波被害のドキュメンタリーと思われそう…。
しかし、実際には「SF小説短編集」です。
それぞれのタイトルは、前の作品中に出てくる形で、
リレー形式（?）で、志向が凝ってます！！

写真家・白石ちえこさんのモノクロ写真が物語に添えられ、
また。それが三崎さんの摩訶不思議な世界観にマッチしてて、
素敵です。

津波被害の話じゃないとは言え。
表題作は、津波を連想されるような悲しい物語ですね。

今まで読んだ中じゃ、かなり「甘～い！！」と感じた
『彼の影』という作品があったり。読み込ませて頂きました。

そのなかでも。
一番、印象深かったのは『ニュータウン』でしょうか。

住民の高齢化が進み、絶滅寸前のニュータウンを維持しようと
国の支持で、住人達をニュータウン内に閉じ込めてしまう話。
外の世界と遮断され、独自の文化を維持。
国の思うがままにされてるニュータウン。
…まるで原発事故後の福島県民のようだな…。
物語はハッピーエンドでよかったけど、福島はどうなるだろ！？
そんな印象を抱いてしまいました。

こういった短編集の方が、様々な世界を垣間見れて好きかも。

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