お隣さんの国:韓国からの手紙

お隣さんの国:韓国からの手紙

2006/05/17
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テーマ: 韓国!(17305)
カテゴリ: 韓国の小学校



うちの学校は、木曜日が中間試験なので、ここ数日、親子で一緒に勉強している。

小6からは、本格的に社会科で歴史を学ぶ。
韓国で学ぶ歴史というと、きっと、反日思想の強いものだと思われるので、いろいろ心配になっている。

今のところは、まだ、大昔の歴史なので、攻めてくるのは、「倭の国」くらいなので、あまりたいしたことはない。

しかし、まさか、「国語」の教科書に、こんな小説が載っているとは知らず、はんらは、衝撃を受けてしまった。

10ページにも渡る、長編小説なので、きっと、今回の試験のヤマだと思われる。
だから、勉強しないわけにはいかないが、問題集でコーちゃんと一緒に勉強しながら、大変、複雑な気持ちだった。


タイトルは、「バング(屁)おじさん」という、大層、のどかで平和な題である。



長編なので、適当に短く翻訳して載せてみる。
小6の国語ともなると、かなり難しい韓国語なので、ちょっといい加減な訳かもしれないが。。。

翻訳の部分は、 で。


アンゴル村の大工、ボングおじさんは、屁をよくこきます。
子供たちを見ると、そっと近づいていって、お尻を突き出して「ブー」と、屁をこくのです。
それで、ボングおじさんは、バング(屁)おじさんと呼ばれるようになりました。


このように、始まりは平和そのもの。
このあと、バングおじさんが、子供たちにとても親切で、情深い様子が半ページに渡って書かれている。


近所の大きくて立派な瓦屋根の家は、全部バングおじさんが建てたものでした。
でも、おじさん自身の家は、貧しいわらぶきの屋根の家でした。
「おじさんの家はどうして建てないの?」
ませたヒチョル(村の子供の名前)が聞くと、
「ははは。あとで、いい世の中になったら、建てるよ。」
「おじさん、世の中がよくなるの?」
徴兵だ、徴用だと言いながら、畑にいても、引っ張られていってしまう世の中です。
いい米は、全部日本に持っていかれてしまい、代わりに配られる配給米は、屑米ばかりでした。
最近では、鉄砲の弾を作るからと、真鍮で作られた器やたらい、さじまで、みんな持っていかれてしまいました。
ドゥソプ一家は、耐えられなくなって、荷物を背負って、満州に去っていきました。


このあと、バングおじさんが、韓国が独立できる日はきっと近いと子供たちに言い聞かせる場面などが続く。

ある日、村長が、バングおじさんを訪ねてくる。


村長は、村の仕事だと言いながら、あちこちの家を見回って、日本の役人にいつも告げ口をしていました。


この村長が、親日派であることを匂わすエピソードがいくつか続く。


「何の用だ?」
バングおじさんがつっけんどんに聞きました。
「今度赴任してきた、日本の役人「平野」が、君のうわさを聞いたらしい。
平野は、変わった人だ。
朝鮮のものを何でも好きなんだそうだ。
ヨガン(韓国製、大人のおまる)まで、大切にしているそうだ。」
と、村長は独り言を言いながら、
「家にあるタンス、平野に譲ってはどうか。」
と本心を現しました。



バングおじさんは、激しく怒って、村長を追い返す。

そのあと、このタンスについての秘話が続く。


貧しい夫婦で、二人は休む間もなく、よその家の仕事をしながら、食べ物を得ていた。
子供が4人になっても、妻は家族のために働き続けた。
バングおじさんは、愛する妻と子供たちを置いて、遠く、安東というところに、出稼ぎに出たのだった。

3年後、妻と子供に会える嬉しさで、はちきれそうになりながら帰宅したが、妻と子供たちは全員、伝染病で亡くなっていた。


「寿命がそうだったんだから、仕方ない」
村の老人達が慰めてくれましたが、バングおじさんは何日も、水さえ口にしませんでした。
15日ぶりに正気になりましたが、家の中でじっとしたままでした。
亡くなった妻の誕生日に、バングおじさんは銀の蝶の装飾が美しい、素晴らしいタンスを妻のために作って供えたのでした。
苦労だけして亡くなった妻への、初めての贈り物だったのです。
そのタンスを、村長は日本の役人に譲れと言うのでした。



その後、何度か村長が来るが、バングおじさんが拒絶しつづけたため、ついに、平野自身が、馬に乗ってやって来る。



すると、ついには、日本の憲兵の伊藤がやって来たのだった。

伊藤は、平野から、バングおじさんが許可無く木を切っていると通報を受けてやって来たと、言いがかりをつける。
そして、あのタンスも、最近許可無く切った木で作ったという通報が入っているから、押収すると言う。

「あんたたちの国では、最近切った木で、タンスを作るのか?」
とバングおじさんが日本語で言うと、
「何だと?あんたたちの国?
大日本帝国と朝鮮がひとつだということを、まだわからないのか?
お前、不逞分子じゃないのか?
取り調べなければならない。
タンスと一緒に、拘束する。」
伊藤は、警棒でバングおじさんの胸を小突きました。



この時、ついにバングおじさんがキレて、韓国語で怒鳴り返す。
すると、

「朝鮮人のくせに、このやろう!」
伊藤は、警棒で、バングおじさんの頭を殴りつけました。
朝鮮の人の前にさえ立てば、急に肩に力の入る伊藤。
伊藤の木の警棒は、その瞬間、鉄の棒になっていました。
「あっ!」
バングおじさんは、膝を折りました。
血が顔に流れました。
しばらくじっと動かなかったバングおじさんは、そのまま倒れてしまいました。
カッと見開いた目には、春の雨が降る空が映っていました。
「まあ!」
隣のおばさんが駆けつけたときには、バングおじさんはもうこの世の人ではありませんでした。



翌日、バングおじさんは、家族の墓の隣に埋められる。
日本の憲兵たちが見張っているので、死人を乗せる籠にも乗せられず、ワラに巻いて、バングおじさんは運ばれていった。

そして、最後の章は、こう結ばれている。


日が昇り、月が沈み、風が吹き、雨雪が降り。。。
そのように、年月は流れていきます。
花が咲き、鳥が鳴き、虹が出て、年月が流れれば、バングおじさんは、一握りの土になり、白骨になるでしょう。
しかし、バングおじさんの白骨の一番てっぺんには、穴が開いています。
若い日本の憲兵に、朝鮮人だという理由で10倍もの力で殴りつけられた、警棒の痕を、50歳のバングおじさんは、永遠に持ち続けるでしょう。
永遠に!




更に、この単元の次には、
「統一弁論大会」
というタイトルの内容が出てくる。

それは、いつもはおとなしい子が、突然、統一弁論大会に出ると言って、クラスメートを驚かせる。

そして、みんなの前で
「ボクは、サッカーで北朝鮮チームを見たとき、北朝鮮が勝てばいいと思った。
同じ民族同士が、お互いに助け合い、理解していけば、きっと統一できると思います。」
と発言し、クラスのみんなの拍手喝さいを受ける、というような内容。


気持ちはわかるが、反日バリバリのあとに、親北朝鮮、というのは、大丈夫なのか?
確かこの国は、休戦中なのでは??
北が時々、トンネル掘って、侵入してきているのでは???



バングおじさんの内容については、非常に、モヤモヤした気持ちになる。

確かに、日本でも、昔の将校や軍人を美化した話も多く、それぞれ、自分の国を思う愛国心は美しいものではないかと思う。

が、小6。
ちょうど、思春期を迎え、微妙な心理を持つ年頃の子供の学ぶ教科書に、このような小説が載っていることは、はんらにはかなりショックだった。





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Last updated  2006/05/17 01:20:38 PM
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