第五章



留置場のような屈強な壁で街は囲まれていた。
レンガ造りでもなく、石造りでもない
鉄筋コンクリートの威圧感のある冷たい壁だ。
「門を開けてくれ!」
 すると小さな少年が門の上から顔をひょっこりのぞかせた。
「誰ですかー?」
 答えに困った。旅人なら旅人と答えれば済む。
だけど自分は高校生である。高校生がこんな所にいる理由も無く、
また実際に自分が何故こんな所にいるのかは
むしろ自分が知りたいところである。
あれこれ考えあぐねいて、
とりあえずわかるはずも無いのだが名前を言った。
 すると少年は「ふーん。」と言い頭を引っ込めた。すると門が開いた。
「ようこそ、落ち葉の街へ!」
 急に広がる賑やかな音楽、幸せに満ちた笑い声。
街は祭りの真っ最中のようだ。
人々はそれぞれ踊りや歌に夢中で自分に気づく様子は無く、
さっきの少年だけが俺を迎えていた。
 少年はニカッと笑って雑踏の中へ消えていった。
自分もまた街の賑わいの中へ足を踏み入れた。
 花火がひとつ上がり、街は情熱で満たされた。
孤独が夜空に美しく映えた。




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