アルネのやねうら

アルネのやねうら

運命の発表日


頭の中ぐるぐる回って、クラクラする程でした。

助学は狭き門です。でも、それを理解していない人もいます。
「産婦人科で働いてるんだら受かるでしょ」みたいなこと言われたこともあります。
確かに産婦人科での働きは、受験勉強にとても役立ちました。
でも、だからと言って受かるものではありません。
そんなに簡単だったらみんな苦労しませんよね。
落ちても恥ずかしいことではありません、だって受かるのはほんの一握りなんだから。
受験すること自体も簡単なことではありません。とても勇気のいることです。
だから私は、落ちてもいい と思っていました。
もし落ちたら、神様がその方がいいと判断したということです。
また来年受験したらいいことです。

届いた速達の封書。
持った瞬間、薄いな・・と感じ、ダメだと思いました。
やけくそで、手で封を切ります。

紙がまた複数入っていました。
「あら・・合格してる・・うそでしょ・・」
またもや唖然とする私・・
「入学金を振り込めっていう新手の詐欺じゃないよね?」
なんて疑ってみたりするも、封書は確かに私が2次試験の時に書いて提出したものでした。

私は、自分がバカだと思って生きていました。
ずーっと劣等生だったから。
でも、こんな私でも狭き門である助学に合格することができたのです。
うれし涙はやっぱり流せなかったけど、本当にうれしい出来事でした。


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