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(承前)聴いてみたけど、よくわからない。なんどか、繰り返してみよう。。。 透明度の高い湖の水面を絵に描くとして、どんな色を使えばいいのか、と。水面に使う色は、ないのかもしれない。ところどころの波頭や、陽光の反射を描くだけで、平らな水面には、色がなくてもいいのかも。。。。 「サーカスナイト」の物語は、平静な日常をつづるものに自分には思える。ところどころの印象的なフレーズや出来事が目立つけど、大方は、背景にとけてしまっているように、淡々としてすぎてゆく。 という小理屈にもとづき、気になったフレーズで飛び石をつづけます。 「私は一郎を好きになったとき、あまりにも好きになりすぎて一郎の子ども時代に会いたいと思ったし、一生一郎の子ども時代に会えないと思うと悔しいとさえ思った。」(P37) ・・・なんとなく、わが身にも、思い当たるところのあることば。。。これと似たことばを、『宗像教授異考録』でも、みた。 あちらでは、「父親は、娘の成長をみつづけながら、妻の過去の成長過程を理解してゆく。」というようなオヒレもついていたけど。。。恋しい人には、あれやこれや、いろいろ聞きたくなるけど。。。 「専属の伝記作家にでも、なる気?」 とか、軽くかわされて、たいがいはオシマイ。。。 「留守中に突飛なことが起きたという形跡を残さないのは、居候の掟だ。」(P40)・・・いつでも立ち去れることと、自分発の波風を起こさないこと。。。 居候とか、旅人とかの鉄則なんだろうなぁ。。。 『シェーン』とか『マディソン郡の橋』とか、鉄則と非日常のギリギリだから、物語になるんだよね。 さやかは、自分が今の場所で根を張っていることに気づかず、鉄則を守ることを、自分に言い聞かせながら、暮らしているんだね。。。「きっと私みたいじゃない、かわいいお嫁さんをもらって、・・・」(P82) ・・・このテのせりふは、よく、聴く。 先月もどこかで聴いた。 たいがい「かわいい」なのは、なんでだろうなぁ。。。 「美しい」とか「しっかりした」とか書いてしまうと、男性が面食いで、頼りないように、ひるがえってしまうからだろうか。 単純に、さやかが自身を「かわいくないんだ」と、思っているだけなのかな。 でも、義母さんからみれば、「まだまだだよ、かわいいとこらが、あちこちに残っているさ。」とか、きっといわれる。。。
2016年02月26日
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・・ところで、この本のタイトルの「サーカスナイト」とは、何をさす言葉なのか、と、考えた。 本文中には、「サーカス」という単語は出てこない。「夜」の場面も少なく、どちらかというと、ランチタイムの食堂や、ガーデンパーティーとか、お昼の場面の印象が強い。・・あえて、印象的な夜の場面は、終盤のバリ島のリゾートの中庭の夜なのだが、さらりとしていて、そんなに、重要な場面ではないよう。 ・・ばななさんは、やさしい朝の風景に、出口を見ているように思える。短編集「とかげ」のあちこちにある「清涼な朝の開放感」や サーカスナイトでは「出産直後の赤ちゃんとの邂逅」や。。。荒れ狂う夜が明けるとき。なんらかの辛い環境が夜の場面で語られて、問題が収まると、朝や昼間の場面が多くなる。というのが、ばなな流のように思う。夜は、若い人の暴走や渇望で、朝は、それらの終焉かも。。。 ・・で、本件の「サーカスナイト」は、大きな問題がかたづいて、さて、これから何がおこるのか、と、まわりで、何が起こっていたのか、と、視野がひろがる時期の物語。 ・・夜は終わり、朝も明けて、のんびりとした昼寝から、目覚める時間が来ている印象、かな。 こんな理屈が通るなら、タイトルは「サーカスナイトが明けてのちのできごと」とかのが、適当ではないかなぁ。。。 あ、肝心なことを、忘れてた。 そういうタイトルの歌があって、そこが起点になっているんだった。 だから、「曲のタイトル」としての言葉で、 その歌を聴けば、答えがあるのかなぁと。。。きいてみて、ヒントがみつかったら、つづきを、書きます。見つからなかったら、コナママ・トンズラー、かもね。。。
2016年02月21日
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感想文って、じつは、とても、むずかしい。(以下は、『サーカスナト』とは関係のない、想像上の文例です。)1)ストーリー全体について、自分が感想を書くとすると、「どこにでもあるようでいて、じつは、なかなか出会えない」とか、「作者の非情に、反感を覚える」「こんな結末ありえない」なんてことに、なっちまう。「非凡なストーリー展開の妙」なんてのも、上から目線で、変なかんじ。物語の外から目線になってしまう。。。2)登場人物への、自分の思い入れを書くとすると、「際限のないやさしさに感動」「折れないこころに尊敬」「臨機応変、柔軟な対応にあこがれ」、「こまやかな心配りに、脱帽」「スケールの大きな人間性」・・・。とか、かくのかなぁ。。。で、「自分もこうありたい!」と。一歩踏み込んで、「こんな素敵な人物と出会わせてくれて、作者さんに感謝!」とかね。3)情景風景というか、背景となる社会というか。。。「中世農村のリアルな日常」「いまどきの高齢者が立ち向かう、いまどきのご近所問題」「窓際に押しやられたはずの、南の島での1か月」なんか、感想文のテーマの見つけ方を書こうとおもっていたのに、帯の惹句みたいに、なっちまう。。。感想というより、推薦文?というような、失敗をへて、今回も箇条書きで、書いています。では『サーカスナイト』へ戻ります。「いろいろな人がそうやって、 今はいない人に話しかける言葉はきっと目に見えない花になってどこかで咲いていると思う。」(P26)・・・だまって消え去るような、軽いことばじゃ、ありません。 って、意味かなぁ。。 ・・・目に見えないけど、つもっているさぁ。。。「だけれど、子どもを作り、籍を入れて、そうして毎日寄り添っているうちに、 形から入ったのに夫婦みたいな確かななにかが、芽生えてきていた。」(P31)・・・よい友人だと思っていた二人が、差し迫った事情から、形式的に夫婦になって、、、。それでも、ちゃんと、「ほんとうの夫婦」になったと、言うんだけれどね。 そういうことも、あるだろなぁ。 ・・・きっと、確かな予感や自信があったんだよ~。・・・(実は、お互いに気づかなかったけど、それ以前から惹かれあっていたんだね。。 って、転回。。)「思いやり合って、調整して、怒っても間を置いて、いっしょにいい時間を作ろうとする力。 うまくいくお見合い結婚ってこういう感じなのかも、」(P31)・・・はいはい、ごちそうさん。。。 つづく、
2016年02月15日
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(承前)サーカスナイトの3分の2くらいまで読んだ。読了をまたずに、感想文を書き始めてみる。今のところは、好きな言葉がいくつかあるのだけれど、最後まで好きでいられるかどうかは、保証のほか。推理小説みたいに、いいひとだと思っていたのに、じつは、、、。どんでん返しがあれば、ドミノ式に印象がかえられててしまうことだって、あるかもしれないしさ。「私が唯一ほんとうに好きになった初恋の人」(P7) はずかしいくらいにまっすぐなんだけど、「初恋」じゃ、しょうがないか。「一朗のお母さんの花のような面影がわたしの心に満ちた。」(P9) うかんだイメージが、こころのサイズのすべてをおおうようなこと。 ときどき、おこることことだけど、こういうふうな書き表し方もあるもんね。。。 まぶたや脳裡に浮かぶ、というよりも、シンプルで、いいね。「あっさりしているのに、冷たくない。あたたかいのに、しつこくない。」(P18) シュウトとシュウトメの理想像。 「必要十分の存在感」と「あるかないかの圧迫感」? なろうと思っても、なれるものではない。と、そうそうに、あきらめてしまおう。。。あれ、感想というより、ただのイチャモンみたいな気もするが。。。これ式の、ジグソーみたいな断片で、ネタバレするこたぁ、まずあんめぇ。。。。
2016年02月11日
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(承前)で、何の本を読んでいるかというと、「サ-カスナイト」byよしもとばなな。 実は、3.11の地震よりあとに、読了した本がない。途中までよんで、中断している本が4冊か、5冊か。集中力がなくなっているのか、周囲の状況をわすれて没頭することに抵抗があるのか。。。 知り合いの人に、おもしろい本がないかと聞いたらば、昨年よんだなかから、4冊ほどをリストアップされて、、、そのなかから、これをよむことに。。。 自分には、よしもとばななさんは、2冊目です。 で、読み始めたのはよいのですが、ちょっと、感想文のプランに変更を・・・。実は、2~3ページに1つくらい、毒か、薬かも、わからないような、でも強力な魅力をもつ「呪文」が混じっている。普通の小説だと、こんなにたびたびは、「呪文」は現れないのだが・・・。 あ、そうだ。新聞連載の小説をまとめたのが、この本だって。連載の1回1回に、メリハリのために呪文が織り込まれていって、密度が高めになったのかもしれない。 で、読書感想文としては、1冊全体を読み切ったあとで、全体をみわたしてから書くのが常道。それはわかるが、気になるフレーズがでてきtらば、そのつど、感想を書くのも、おもしろいかも。折々の「呪文」。。。 半村良さんによれば、全体がしっかりと構想された「書き下ろし」とはちがって、「連載小説」には、偶然の生み出す「楽しみ」があるとか。 で、110ページまでくるあいだにも、30くらいのフレーズが気になっている。ひとつひとつ、出たトコで、勝負してみるのも、おもしろいかな。。。 とっ! (つづく)
2016年02月10日
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おもへば いくつもの 文章をかいてきたもんだ。。。 ちかぢか、「感想文」をかくことにした。えらい、ひさしぶりだし、もともと、感想文は苦手だ。。。 なにをかけばいいのか、どういう視点でかくものか、いつも、とほうにくれる。。。 中学校のときには、読んだ本が「たいくつで、おもしろくなかった」ということを、ぐだぐだとかいて、不評をかった。「”自分の読みたい本”を読め。”よみたくない本”は、無理に読むな。」という、適切な指摘をうけた。また、「たいした感想もないのに書いた”感想文”など、読まされる方もつらい。」「いいと思った本で書け。」とも。 つまり、複数の本を読んで、どれで書くかを考えるゆとりを持つことが、だいじらしい。 つづく
2016年02月10日
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