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イギリスの70年代プログレッシヴ・ロックの雄、
カーヴド・エア(CURVED AIR)の隠れ名作と長い間言われ続けてきた
彼らの4作目「エア・カット」(Air Cut)が、
とうとうオフィシャルCD化されました。
しかもLPをCDサイズに縮小した紙ジャケでのリリースで、
紙ジャケ好きのコアなコレクターにはうれしい限りです。
韓国のM2Uというレーベルが制作したものを、
日本のベル・アンティークが解説と帯をつけて国内盤(MAR 04951)としてリリースしたもの。
エンボス仕様でジャケが細部に至るまでしっかり作られています。
音質もデジタル・リマスターされていて最高に良い音で甦りました。
M2U幹部のキム・ギテさんはライナーノーツで、
「LAスタジオにあると推測されていたマスター・テープの確保が、
アルバムリリースにおける難題の一つであった」と述懐しています。
というのも発売当時、このアルバムの販売を担当していたワーナーミュージックが、
カーヴド・エア解散後、自動的にバンドとの接点がなくなってしまったからです。
なので彼らの作品中、このアルバムだけが宙に浮いてしまったわけです。
もう一つの難題は、
エディ・ジョブソンがこのアルバムの再発に反対していて、
マスターテープが燃やされてしまったという噂でした。
しかし、エディがリリースを妨害することは全くないと、
彼の側近が釈明してくれたそうです。
この作品は、けっして彼らの最高傑作とは言えないかもしれませんが、
後にロキシー・ミュージックやUKで天才的なヴァイオリンとキーボードプレイを披露する
エディ・ジョブソンのプロデビュー作品としても、よく知られています。
<収録曲>
1.ザ・パープル・スピード・クイーン
2.エルフィン・ボーイ
3.メタモルフォシス
4.ワールド
5.アーミン
6.U.H.F.
7.トゥ・スリー・トゥ
8.イージー
カーヴド・エアーは1968年、フローリアン・ピルキントン・ミクサ(ドラムス)、
ロプ・マーティン(ベース)、フランシス・モンクマン(キーボード、ギター)のトリオに、
フランシスが楽器店で出会ったというグリル・ウェイ(ヴァイオリン)と、
その友人ニック・サイモン(ピアノ)を加えて、SISYPHUSというグループ名で始動。
やがてニックが脱退し、69年、ミニマル・ミュージックの代表格
テリー・ライリーが発表したアルバム「A Rainbow in Curved Air」に
感銘を受けたフランシスの発案で、「CURVED AIR」と改名。
そこにロック・ミュージカル「Hair」に出演していたフォーク・シンガー、
ソーニャ・クリスティーナを迎え、70年11月にデビュー。
デビューアルバム「Air Conditioning」は、予約だけで2万枚を売り、全英チャート8位を記録。
クラシックとフォーク、ロックという要素が混じり合ったサウンドで一躍、有名になります。
2作目の「Second Album」から、ベースがイアン・エアに交代。
さらに3作目「Phantasmagoria」から歌えるベーシスト、マイク・ウェッジウッドが加入して、
楽曲の幅が広がります。
しかし72年10月にダリル、フランシス、フローリアンの創設者3人が脱退。
バンドは解散の危機に直面しますが、ソーニャとマイクは
17歳の美青年、エディ・ジョブソンを引き入れ
、マイケル・カービー(ギター)、ジム・ラッセルを迎えてバンドを立て直します。
そういう激動期の73年4月に発表されたのが、この「エア・カット」です。
この後、このメンバーは「Love Child」というアウトテイク集のようなものを残して解散。
この後、ソーニャは74年にダリルらとカーヴド・エアを再結成します。
ですので、過渡期に作られた「エア・カット」は
彼らの6枚のアルバムの中でも特異な輝きを放っているといえます。
ヘビーでタイトなリズム・セクションをベースに、
クラシックに裏打ちされたエディのセンスと
カービーのストレートなロックギターが絡まり、
ソーニャの透明な歌声が神秘さを増しています。
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