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4、指の使い方


karateC

<動きは5本の指に導かれる>
宮本武蔵は「五輪書」の中で、「敵を切るものなりと思いひて、太刀をとるべし」と述べている。そして「手のうちにかかわりなく、手のすくまざるように持つべし」と記し、「太刀にても、手にても、居つくという事をきらふ。居つくは死ぬる手也。居つかざるは生きる手也。能能心得べきもの也。」と続けている。

では、どう太刀を持てば手は生きるのか。それについて武蔵はこう述べている。「太刀のとりやうは、大指ひとさしを浮ける心にもち、たけ高指をしめずゆるまず、くすり指・小指をしむる心にして持つ也」
つまり、薬指と小指で柄を締め、中指はきつ過ぎずゆる過ぎず、人差し指と親指に至っては浮くようにフンワリと握る。これが武蔵の言う「敵を切るなりと思ひて太刀を取る」ときの握り方である。

一般的に「たかが握り方くらい」と思うかも知れないが、握り方、要するに指の使い方如何によって技に差が出ることは、多くの武術家の指摘するところである。

因みに、徒手空拳の拳の握りもこれに共通する握り方をする。最初から拳を固めて握ると肩と腕全体が力むために拳のスピードも遅くなる。

柳生心眼流師範で武道医学にも詳しい、島津兼治氏は「剣を振り上げる時には、小指から挙げて、降ろすときは人差し指から降ろすようにする。こうして動作をすると、横隔膜が広がりやすく、回数を増やしても疲労が少なくなる。」と指摘している。

突きの場合でも、突き出すときは人差し指を意識し、戻すときは薬指を意識する訓練をすることで技にも差が出てくるのである。

「秘伝」となる事柄より


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