AVEC LE TEMPS

Sylvia Natterer

Sylvia Nattererのこどもたち

Sylvia Nattereさんは、
ドイツ生まれのオーストリア在住のドール作家さんです。
スイスのローザンヌで美術の教師をされていたこともあります。
1988年から2004年3月まで
Gotzファミリーの一員として活躍されました。

私にとっては特別のドール作家さんです。
作家さんの温かい人柄が
ドールに現れているような気がします。
飾らない素朴な顔のドールたちは、
微妙な首の角度により、非常に表情が豊かです。
どこか物寂しげなはかなげな顔は、
人の心の深い部分にある孤独を
表しているのでしょうか・・・。

我が家のナテラーさんのドールたちは、
妖精のようです。
この子たちは、こちらの意図とは全く関係なく、
庭で自由奔放に遊んでいます。

ゆかり（縁）・木の精/Britta2003・Gotz

ゆかりモノクロ

50cm・19.5inch　vinyl body

某オークションで、
この顔で赤毛の子と出会いました。
古い子のようでした。
迷っている間にオークションは終了していました。
それからが大変でした。
東京と大阪のGショップに電話をして、
この子に似た子を探しまわりました。
でも、どこにもいませんでした。

ある日、諦めムードであるドールショップの
HPの2003年の子たちの写真を１枚づつ、
拡大して見ていると、なんとその赤毛の子に
似た子がいるではないですか。
茶髪で雰囲気は違っていましたが、
即、問い合わせをすると在庫は１体限り
ということでした。

ご縁を運んでくれる子のようなので
「ゆかり」と名付けました。
事実、この子が我が家に来て、
とても素敵なご縁が増えました。
そして、お友達のひとりが、
この子はご神体を守る木の精のようだと、
とても素敵なイメージを膨らませてくれました。

くぅー（空）/ 森の精/Vroni2003・Gotz

くぅーモノクロ

50cm・19.5inch　vinyl body

「すべてのことは、空の空なり」

この子を初めて見たとき、どこからともなく、
このことばが聞こえてきました。
人間の欲望とは、無縁の世界で生きているような子です。
そして、
この子ほど不思議なご縁で我が家に来た子はいません。

2003年の秋、
アメリカのショップにこの子とTaliaちゃんを注文しました。
でも、Gotzのドールの入荷状況が悪いということでした。
ドールがショップに入るかどうかはわからないので、
この注文をゲームと思ってくださいという
丁寧なメールをショップからいただきました。

2ヶ月ほど待ったとき、Vroniちゃんは入荷しない
という連絡を受けました。
そのことを、同じドールコレクターのお友達にお話したら、
なんと彼女はこういうこともあるかもしれないと、
私のためにVroniちゃんをアメリカから
取り寄せてくださっていたのです。
彼女のアメリカのお友達のお子さんが行かれている
おもちゃ屋さんで、偶然、Vroniちゃんを
見つけられたのだそうです。
この子は、アメリカ人のお友達からドールコレクターの
お友達の手を経て、我が家に辿り着きました。
本当にドールは人と人も繋いでくれるのだと思いました。

ののか（野の花）/野の花の精/不明・White Balloon

33cm・12.8inch vinyl body

某オークションでお迎えしました。
シルビア・ナテラーさんの子に似ていたのですが、
White Balloon社製ということで、お迎えするまで、
ナテラーさんの子かどうかわかりませんでした。
ナテラーさんは、Gotz以外からもドールを出されて
いたのです。そのときまで知りませんでした。

この会社の子は、Gotzの子よりもお顔が
幼くて優しいような気がします。
野に咲く小さな花のイメージの子です。

小雪（こゆき）/ 雪の精/Talia2003・Gotz

38cm・15inch　vinyl body

アメリカのショップから
嬉しいメールが入りました。
Taliaちゃんが入荷しそうだということでした。
一緒に注文したVroniちゃんがSold Outで、
入荷しなかったので、
ショップの方も気にしてくださっていたようです。

2003年12月。
ドイツからアメリカを経てこの子は日本にやってきました。
小さな雪が空から舞い降りそうな寒い日のことです。
「小雪」と命名しました。
ちょっぴり寂しげな顔をした子です。
でも、とても整っていて、美人さんです。

我が家のナテラーさんのこどもたちには、
春や夏の風景よりも秋、冬の景色が似合いそうです。
苔、枯葉、石、廃屋・・・
誰の目にもとまらないようなところに
この子たちはいます・・・。
小雪もそんな我が家の子の雰囲気を持っていました。

灯り（あかり）/ 木漏れ日の精/Clio2003・Gotz

38cm・15inch　vinyl body

とても元気のいい女の子です。
雨上がりの木々の葉の間から射しこむ光のような子です。
この子が、届いたときは、埃まみれの箱に入ってきて、
お顔はベタベタとしていました。目の黒い部分になにかが
あたったような傷が入っていました。
その部分は、マジックで塗りつぶして、お顔も綺麗に拭いて
やるとすっきりしました。
もしかしたら、ショップの倉庫の奥深くに放置されていたの
でしょうか。
我が家に来て、元気になってくれたので、嬉しいです。

フーカ（風香）/風の香りの精/?1989・Gotz

46cm・ 18inch　vinyl body

この子は、遥かオーストリアから奇跡とも
いえるようなご縁で我が家にやってきました。
1989年の子ということしかわかりません。
当時、前髪をカールして横と後ろ髪はストレートと
いうようなヘヤースタイルが流行していました。
この子が我が家に到着したのは風のとても強い日でした。
1980年代から時間を越えて風に乗って
やってきてくれたようでした。

1989年・・・その頃、なにをしていたのでしょうか・・・。
ドールとは無縁の世界で生きていました。

風に香りがあるのかどうかはわかりませんが、
風香という名前を付けました。
懐かしい雰囲気のする子です。

宣愛（のあ）/愛の精/Mara2003・Gotz

23cm・ 9inch　vinyl body

この子は、風香と一緒に
オーストリアからやってきました。
オーストリア在住の方にプレゼントしていただきました。
とても素敵な宝物です。
その方への温かい思いを受けて、宣愛（のあ）と名付けました。

雨音（あまね）/ 雨の精/Arne 2003・Gotz

35cm・ 14inch　vinyl body

e-Bayでお迎えしました。
雨の降る悲しい悲しい夜にやってきました。
目に涙をいっぱい溜めて、今にも零れ落ちそうな瞳に見えたの
は、自分の心をこの子に映していたのでしょうか。
涙をぐっとこらえている表情に見えます。

妖精たちの午後

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