カトチャンのムチャ釣り日記2012

カトチャンのムチャ釣り日記2012

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2008年10月29日
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テーマ: 釣り小説(28)
カテゴリ: 釣り小説
名人は自分の家の近くの河原で待っていてくれたんじゃ。

そこはな、それ程大きくない里川だったんじゃ。

「ワタル、良く来たな、この方がお前の先生か、まだまだお若いな。先生、ワタルが迷惑掛けてないかな。」
「そんな事言わないでよ、ここまで先生を連れてきたんだ。おとなってのは、扱いが大変だな!」

わたしゃ、その二人の会話に内心笑っちゃいそうだった。


「先生、そんな堅苦しい挨拶は良いから、ここに来てください。」

われわれは一言二言話すと何だか昔からの友人の様な雰囲気になったんじゃ。

その彼の片手には「返し」と言うのかな、仕掛けがあったんじゃ。
彼はそれを持って、川に入り、ワタルと私の見てる前で作業に入ったんじゃ。

何だか知らんが、石をひっくり返して、それを川底に置いて、周りに石を置き上からも石を置いたんじゃ。
彼の仕掛けた返しは川の石に溶け込んでどこにあるか、全然、分からなくなったんじゃ。

「コンナ感じかな」
彼は、そっけなく、言ったんじゃ。






ワシャな、この人が本当に名人か疑ったね。
しゃべり口調がまるっきり、真剣味とか、誠実とかないんじゃな、それはそれで、気楽なんじゃがな。

そん時は彼の鰻取りは単なる、道楽の趣味みたいに感じたヨ。
それでも、ワタルの師匠だから、とりあえず、信じたよ。

見よう見まねで、ワシも彼から渡されたその黒い筒を日が暮れるまであちこちに仕掛けたんじゃ。

さすがに疲れたね。
その様子を見た、師匠は

「今日はむさくるしいけど、わしんとこに晩飯食いによればいいですよ、先生。」
「そのお言葉に甘えて、寄らして貰おうかね。ワタル、お前はどうする」
「僕は家に帰ろうか。明日、朝に早く、来るからね。バイバイ、」
「気をつけて帰れよ。」ワシャ、疲れたからだで答えたんじゃ。
続く。・・・・

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最終更新日  2008年10月29日 13時16分31秒
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