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2012.02.27
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鬼の棲む街2





 トゥレディオの酒場 <21> 




 やがて、空がしだいに淡い夕暮れの色に染まり、大通りを行き交う人々の数も増えるころ。
 巨大な歓楽街にずらりと軒を並べた酒場も次々と灯りをともして、夕闇の中にイルミネーションの光が華やかに浮かび上がると、昼間とは異なる夜の顔にめかしこんだ、街全体が、なんとなく活気づき、静かだった 『トゥレディオ』 にも、1人、2人、と客が姿を現し始めた。

 エメラの言っていたとおり、それらの客のほとんどはバルドーラ族の男だったが、どれもみなきちんとしたスーツを身につけて、パピト族と比べてもずっと穏やかで紳士的に見えた。
 バルドーラ客、と聞いてルドゥアが思い描いていたような、すぐに拳を振り上げる凶悪な顔つきのやつや、居丈高に威張り散らすような輩は、一人もいない。

 迎える少女たちのほうもまた、手馴れたもの。 自分の倍もあるような大きなバルドーラ客にも少しもおじける気配なく、女子更衣室での陽気なおしゃべりをそのままこの仕事場へと持ち込んで(もちろんここでは少しよそいきの口調に変わっていたが)、友達のようになれなれしく冗談口を叩き、その肩や膝に手を置き、きわめて自然にふるまっている。

 きょろきょろしていたら、ぽんと背中をたたかれた。
 振り返ると、ガルネが、ちょっとルドゥアを睨んでたしなめるように言った。
 「ルドゥア、そんなにじろじろお客さまを見たりしちゃだめよ。 失礼でしょ。 ほら、私といっしょにいらっしゃい。 お客さまをテーブルにご案内して、お相手をするのよ」

 プラチナブロンドのさらさらの髪をリズミカルに揺らしながら、ガルネが、颯爽とフロアを横切り、正面入り口へと向かう。


 足早にそこへ向かいながら、ガルネが早口でルドゥアにささやく。
 「今コートをクロークに預けたお客さまを、テーブルにご案内するわよ。 あのかたは、この街の南地区にある、クーレ造船という大きな造船所の社長さん。 『トゥレディオ』 の大切な常連客のおひとりだから、失礼のないようにね。 といっても、クーレさんはとても陽気でおしゃべりで、話題も豊富なかただから、緊張することはないわ。 あなたのような新米でも十分お相手がつとまるはずだから、気を楽に、落ち着いて対応して」

 ちょっとホールのほうを目線で示して、ガルネが続ける。
 「クーレさんのお座りになる席はいつも、ホール中央の、一番大きなシャンデリアの真下、と覚えておいてね。 それから、にぎやかなのがお好きな方だから、クーレさんのテーブルにはいつも女の子が3人以上いるように気を配ってちょうだい。 クーレさんはいつも女の子たちに気前よくチップをはずんでくださるから、特に気をつけなくてもみんなあのテーブルに行きたがるんだけど、もしクーレさんの席に女の子が2人しかいないのを見つけたら、すぐに助っ人に飛んでいくのよ。 それに、あなたがクーレさんのテーブルについている時に、女の子が3人しかいなかったら、絶対席を立たないでね。 ただし、ひとつのテーブルにあんまり大勢の女の子を集中させてはだめよ。 ほかのお客さまが不快に思われるの。 女の子の数が5人くらいに増えちゃったら、適当なご挨拶をしてそのテーブルを離れてね」





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最終更新日  2012.02.27 18:09:16
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異種バルドーラ?  
同じバルドーラ族といっても、ルドゥアが知っていた粗暴な連中ばかりじゃないんですね。

ガルネの教える、特別な客に対する細やかな配慮は、ルドゥアにとって貴重なものであり、きっと役に立つことでしょうね。

応援のP!完了です♪ (2013.02.22 14:41:45)

マトリックスさま、コメントありがとうございます☆  
お疲れさまでした!


そうなんですよー
このパピトの国のバルドーラ族は、
ルドゥアの生まれ育った国のバルドーラたちとは違って、
穏やかで紳士的で、
んー、
多数派を占めるパピト族に対してちょっと卑屈なところがあります。

先輩ガルネの丁寧な指導にもかかわらず、
ルドゥア、初めてのバルドーラ客のお相手に緊張しすぎて、
この後大失敗をやらかしちゃいます~ヽ(;´Д`)ノ

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(2013.02.22 19:38:51)

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