まい・らびりんす

血と骨

「血と骨」
すっ飛ばし読みなんですが。
タケちゃんの主演で映画になるんで読んでみたのです。

金俊平なる主人公が1920年代に済州島から出てきて大阪のとある蒲鉾工場で働いているところから物語が始まる。
朝鮮では「血」は母親から受け継ぎ、「骨」は父親から受け継ぐと言われているのだそうだ。
切っても切れない血と骨、どこまでも追いかけてくる血と骨、絆。
しかしこの男まるで怒りと暴力で出来ているような男なのだ。
すさまじい暴力とそしてセックス、妻を、我が子を、女たちを力で支配する。
その、なんという身勝手さ、そして女の複雑さ。


当時大阪の蒲鉾工場には朝鮮人が多く働いていたらしい。
聞いたところでは靴職人にも多いらしいが。
日本で一旗あげるというのが夢(?)だったのか。
日本人より安い賃金で働いてもなお故郷へは錦を飾れたようなのだ。
主人公は、キャッチコピー風に言えば日本という国で時代の波に翻弄されながら生き抜き、最後に(1970年代)北へ帰る。
なぜ本来の彼の故郷(済州島)へ帰らずに北へ帰ったんだろう、ふるさとに何も残っていなかったとはいえ。
地上の楽園を信じて、、日本人とのあいだに出来た娘を連れて、ほとんど全財産を寄付をして帰る。
共和国では何でも国が面倒を見てくれる、、だから財産はいらない、、そんな言葉に騙されて沢山の人が帰ったんだよね。
登場人物が誰も仕合せにならないからすっきりしない。
それが日本のせいだと思うから?
しかしこれは同胞が騙したんでしょう。
日本に不満があるなら帰国して欲しいとも思う。
怖さもあるかもしれない、、正直好きになれない。
でも映画は見たい、、俳優タケシがすごそうだ。

梁石日(ヤン・ソギル)著・・「月はどっちに出ている」の原作者でもある。
あの映画は面白かったけど。。



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