蒼い空、藍い海

蒼い空、藍い海

暴れん坊さんより誕生日SS



家族の誰も祝ってくれなくても(^^;)、こうして祝っていただけるのはまさにブログさまさま鰤さまさまでございます。

しかも兄様!・・・てかルキア目線。

奇しくもWJ本誌で赤くなってたルキアたんの心情と重ねて読むと・・・良いのですよ♪

朽木兄妹バンザ~イ!!と叫びたくなります。

では・・・どうぞ








『兄様の背中』


・・・兄様は一度だって・・私のことを見みてくれたことなど無い・・・。

ずっとそう思ってきた。
朽木家に拾われて40余年・・・。

・・・覚えているのは兄様の背中ばかりだ。

時折私と話をする時でも・・背中越しか、書類を読みながらか・・・。
目を合わせて話した事など・・殆ど無いといっていい・・。

兄様と目が合うときは何かを問われる時だ。
心臓まで貫かれるような鋭い・・しかし冷たい眼差し。
次元の違う霊圧。気品、威厳、自信・・そして人をひれ伏させる、生まれ持った格。

圧倒されて・・・目を合わせられなくて・・・下を向く私がいた・。

・・何と私とは違うのだろうか・・。
兄様と比べて、私はなんて矮小な存在なのだろうか・・。

朽木家に拾われ、朽木の性を名乗る以上、朽木の名にふさわしくあらねばならない・・。
必死で鍛錬し、己を磨いてきたつもりでも・・・

それでも、其の手本となるべき兄様の背中は・・・あまりにも遠い存在だった。


一護たちによって、私は命を救われた。
命だけではない。前に進もうと思う気概を救われた。

しかし、その一護も重傷を負い、市丸により命を絶たれようという時には、死を覚悟した。
まさか・・兄様が私を助けてくださるとは・・・。

しかし、その理由については、兄様の告白で納得が行った。
姉さまとの約束であったから。
私を・・妹として護ると・・。


先の戦いで、私は兄さまのことを少し分かった気がした。
強く美しく、誇り高き兄様。
・・しかし、その兄様とて、悩む時があるということを。
苦しむ事があると言う事を。

それを知り・・私は少し兄様の背中が近くなったように思えた。


しかし・・それでも兄様の背中は遠い。
「斬」「拳」「走」「鬼」のみならず、兄様はその美的感覚においても私の遥か彼方にある。
兄様に、苦手な事などあるのであろうか・・。


いや・・もしあるとするならば・・・。


・・・いや・・兄様にそんなものがあるはずがない・・。




・・・私は知った。

兄様は決して私を見ていなくはないことを。

ちゃんと私のことを理解してくれていることを。


ちゃんと・・わたしを・・見ていてくれているのだ。


井上を助けに行きたくて、その方法を必死で探していた私のことも。
兄様に相談したくても、出来なかった事も。


何度も何度も兄様に相談するために、私室を訪ねようとして・・結局は出来なかった事も・・きっとご存知なのだろうな・・。


嬉しかった。

私のことを見てくれていたことも。
そして、私に手を差し伸べてくださった事も。
・・いかにも兄様らしい差し伸べ方だが・・。

それでも私に手を差し伸べる事は、今までの兄様ならば絶対にされないことだ。
何故なら、尸魂界の意思に反する事なのだから。

私と恋次が虚圏に行って、真っ先に共謀者と疑われるのは兄様だ。
それを解って手を差し伸べてくださったのだ。

・・嬉しかった・・。

何故なら初めて私は兄様から直に物を頂いた。
砂よけのマントだ。
隊の意思に反して行動する私を、黙認するどころか・・気遣ってくださるとは・・。


・・嬉しかった。

そして何故か恥ずかしい。
あの兄様が・・私のことを思って物を下さるとは・・。
何故かは分からぬが・・頬が熱い気がする。


兄様の背は私に向けられたままだ。そして遠い。
でも、私のことをちゃんと見ている背中だ。

何時か追いつけるのであろうか。


私は知っている。

兄様の背中に、怖れつつも憧れを抱いているという事を。

そして、向けられた背中に護られているということを。



だから今は・・その背に向かって頭を下げよう。

感謝をこめて・。

そして帰還を約束しよう。




兄様・・行ってまいります!!



次にお会いする時・・兄様の背中が・・もう少し近くなっているように・・


私も強くなろう・・。


ちゃんと兄様と・・目が合わせられる私でいたいのだ・・。






一緒に暮らしていても(←なんか語弊のある言い方だわ・・)、遠い存在だった兄様との距離が縮まっていく・・・。
(美的センスに関しては似たもの兄妹なんですが・・笑)

兄様ったらこんなにルキアのことを思ってたなんて・・・ちょっと妬けます(^^;)

兄様の背中・・・はああ~vvv

大きくて暖かくて・・きっといいにほひが・・・・くんかくんか(^^;)




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