パン好き

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「”お話もお勉強も”」


このページの内容は、「ぶっくくらぶ」のパンフレットを転載しています。

文章を書かれたのは、こどもの本の童話館グループ 代表 川端 強さんです。

童話館さんから、許可をいただいて転載しています。





「”お話もお勉強も”」       くまのコールテンくん くまのコールテンくん

 お母さん方から、子どもと本について質問を受けることがあります。その中で多いのは、いわゆる早期教育的なものについてです。
 幼児期から入学前のお子さんがいる家庭には、”お話もお勉強も”というキャッチ・フレーズのもと、月刊の雑誌と教材セットなどの勧誘が、さかんに行われているようです。なるほど、それらの雑誌は、親の気持ちをうまくひきつけるように作られています。
でも、子どもにとってはどうでしょうか。そして、さらに気になるのは、親と子にとって本当はどうでしょうか、ということです。私はこのような質問には、およそ、次のようにお答えしています。

1.子どものためのお話を、あまりに低く、安易に考えていないでしょうか。毎月量産され、読み流される雑誌に、子どもに伝えるに値する作品を見つけられるか、とても疑問です。
 それは、幼稚園や保育園を通して購入することのある廉価の各種の月刊絵本についても、全く同じことが言えます。

2.このような雑誌がお母さん方の気持ちをひきつけるのは、おそらく「最小の親の手間で、最大の子どもへの効果を。」と、思われるからでしょう。
 たとえば、雑誌の中のお話がカセットテープやCDに吹きこんであったりします。親にとっては楽なことですが、これまで、私が絵本について述べてきたことを振り返っていただければおわかりのように、これはまた、ほとんど無意味で、悲しい光景です。
むしろ、よそよそしく、さびしい親と子の関係を助長するようにさえ思えます。なにより、これでは、子どもはお話を好きにも、本を好きにもならないでしょう。

3.お母さん方は、”お話もお勉強も”に、より多くの魅力を感じておられるのかも知れません。「学校へあがってから、人並みにやっていけるように...」という、親としての願いはよく理解できます。
でも、「早く走りだせば、少しでも実りを得る」というほど、人間は単純にはできていないようです。
 このことについて、ここで詳しく述べるゆとりはありませんが、ひとことで言えば、この年令の子どもは、”お勉強を”する時期ではありません。そうではなくて、近い将来お勉強できるようになるための土台を、深く耕していく時期です。
深く耕されてもいない大地に種をまいたところで、力強い苗が育ってくるでしょうか。
 子どもは今を生きる人です。今を存分に子どもらしく生きることが、未来へつながることを信じていきましょう。


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aliceblue


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