第36話・玉ちゃんVS北海道警察 


 気ままなドライブで小樽まで行った一行。
 しかしその帰り道になぜかパトカーに追われてしまう事に。
 はたして深夜のドライブ劇はどうなってしまうのか!?

第36話 「玉ちゃんVS北海道警察」

「前の車、止まりなさい」
 明らかにパトカーのスピーカーで呼ばれてしまった我々。
 仕方がないので、ハザードを出して車を脇に止めた。
 三人はどきどきしていた。
「おいおい、いったい何で止められるんだよ~」
 ラビがビクビクしながら玉ちゃんに話し掛けた。
「ラビよ、男のお前がそんなにビクビクしてどないすんねん」
 と言った海ちゃんも内心ビクビクしていた。なにしろこんな経験はしたことがない。日ごろから市民の安全を守る警察官は良い人だと感じていたが、この時ばかりはまさに鬼に感じた。まさに触れてはいけない物に触れたという感じである。
「さぁ、分かんないけど」
 意外と冷静な玉ちゃんだった。
 そして警察官が運転席側の外にきたので、玉ちゃんが窓を開けた。
「何か急いでましたか?」
 この警察官は妙な事を聞くなぁ、と海ちゃんは思ったが、明らかに威圧的だ。
「いえ、特に急いでませんでしたけど」
 さらに冷静に玉ちゃんが答えた。
 この時、臆病者二人は(玉ちゃんすげー!)と感心していた。
「赤信号の点滅の意味は知ってる?」
 初歩的な質問をしてくる警官だなぁと海ちゃんは思った。
「はぁ、一時停止して進めですよね」
 玉ちゃんはすぐに答えた。
「さっきあなたはその信号を一時停止しないで進みましたね?」
「え?ちゃんと停止しましたけど…」
 玉ちゃんは答えた。
 海ちゃんも確かに覚えていた。赤信号点滅で、確かに玉ちゃんはスピードを落とした。しかし私から言わせてもらえば、徐行より少し早いかなという感じだった。
「じゃ、ちょっと来てもらえるかな?」
 そういって玉ちゃんは後ろのパトカーに連衡されていった。
 二人はその光景をただただ見ているしかなかった。
「おいおい、ラビ。玉ちゃんが連れていかれたぞ」
「しょうがないねぇ」
「なんとか助けてやれよ、ラビ!彼女だろ?」
「おいおい海ちゃん。無理は言わないでくれよ。後ろを見てみな。パトカーの運転手がジッとこっとを見てるだろ?もう俺は怖くて怖くて」
「このアホが!そんなの気のせいだっつーに!」
「ここで邪魔したら、俺は公務執行妨害で捕まってしまうよ」
「それはそれで面白いじゃないか。ここに居たって寒いしな」
「とにかく待つしかないなぁ」

―――30分後―――

大分時間が掛かったが、玉ちゃんが無事釈放された。
「随分とかかったねぇ。いったいどうなったの?」
「えーとねぇ。まず罰金が7000円で、減点1だって。信号無視らしいよ」
「7000円!なんて理不尽なんだうね!」
「でも滅多にできない経験だし、私も初めてだったから面白かったよー!」
「は・はぁ…」
 さすがは玉ちゃん。海ちゃんは思った。
 それからは何とか無事に家に着き。時すでに深夜の2時近くだった。
 いやはや疲れた深夜のドライブ劇であった。

[次回予告]
 再びラビと海ちゃんの二人で遊ぶことになった。
 またもやスガイに行くことになったのだが…
 いったどんなゲームをするのだろうか!?

次回 第37話 「ラビット、ダーツの旅」にご期待下さい!

※この物語は事実を元に構成されたノンフィクションです。

原作 海ちゃん
製作協力 みっつ






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