第19話・みっつ、兎小屋での一夜


 兎小屋での鍋パーティも終わり、トランプで「大富豪」に興じた5人だったが、独走を見せたひめに対してラビとみっつの2人がUNOでの決着を求め、戦場をUNOに移す事になったのだった。

 ラビがUNOを持ってきたのを見て、みんな口々に「懐かしい~。」や「すごい、久しぶりだな~。」と、懐かしさを感じながらも、ラビとみっつはひめへのリベンジに燃えていた。
 またしても、海ちゃんがカードを配り、遂に始まったUNO対決だったが、ここでもひめが妙な強さを発揮し初回から勝ち続けていた。当初は、ひめ打倒のために拙い連携を取ろうとしていたラビとみっつの連合も、回を重ねるに従って崩壊して行った。
 みっつ 「ラビ、ドロー4だ!お前も出して憎きひめに8枚引かせてやれ!」
 ラビ 「こ、こら!そんなん、持ってね~よ!」
 と、ラビがカードを4枚引くハメになったり、海ちゃんが調子を合わせて来て、
 海ちゃん 「みっつ君。僕もアシストしますよ~。エヘヘヘヘ」
 みっつ 「お~い、海ちゃん!俺、ドロー2なんて持ってないよ!ほんと、相変わらず腹黒いね~!」
 海ちゃん 「いえいえ~!そんな事はないですよ~。エヘヘヘヘ」
 と、そんな具合に遊びは続いていたが、やはりひめの優位は不動であった。その内に、海ちゃんが買出しの時に買って、それから冷蔵庫で冷やしていたシュークリームを出して来た。そして、皆にオヤツとして振舞った。
 海ちゃん 「これは、美味しいですね~。エヘヘヘヘ」
 ラビ 「お前、相変わらず甘いものが好きなんだな!」
 みっつ 「そうそう、いつも食べてるよね~!」
 海ちゃん 「いえいえ~!そんな事はないですよ~。エヘヘヘヘ」
 と、お決まりの台詞を言いながらも、シュークリームを本当に幸せそうな顔で食べる海ちゃんはまるで子供のようだった。
 そして、UNOを2時間位やったのだが、終わる頃には夜中の3時過ぎになっていた。当然、終電はとっくに無いので、みっつは前回に引き続き兎小屋にお泊りになってしまった・・・。
 内心、密かにこれを恐れていたみっつだったが、背に腹は代えられないので覚悟を決めて、
 みっつ 「今回も世話になるよ・・・。」
 と、ラビに頼み込んでいた。既に夜中という事で、とりあえず海ちゃんとひめは、
 海ちゃん 「じゃあ、また今度ということで・・・。エヘヘヘヘ」
 ひめ 「じゃあ、またね~!今日は面白かったよ。勝ちまくったから(笑)」
 と、言いながら帰って行った。その後、玉ちゃんが鍋の後片付けをやり始め、ラビとみっつは机をどけたり寝るための準備を始めた。
 そして、玉ちゃんが鍋を洗い終わったので寝るということで、3人は布団に入ったのだが、前に述べた通り、みっつはこの状態を恐れていたのであった!
 なぜなら、来客のみっつは当然に部屋の隅(台所の前)で寝るのに対して、ラビ達はこれも当然に2人くっついて寝るのであった。みっつの横でゴソゴソとラビが玉ちゃんに対し、何やらやましい事をしているのが気配でわかるので、シラフではとても寝にくい環境だった。だが、次第にラビのイビキが聞こえて来て、その音につられる様にみっつも深い眠りに入って行くのであった・・・。

 という訳で、今回で鍋パーティの一日は文字通りに終わりなのですが、次回は翌朝の話をエピローグとして書いてみたいと思います。では、第20話「玉ちゃん、ご苦労様です!」に、ご期待下さいね~!

※この物語は事実を元に構成されたノンフィクションです。
           [総監督・原作・監修] 海ちゃん
           [脚本・シリーズ構成] みっつ


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