超!俺流

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2022年07月01日
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弱肉強食と言う言葉を目の当たりにした事がある。

小学生の時の話だ。

学校に着くなりタカラダが朝のテンションとは思えない程の勢いで俺の元へ走って来る。

「昨日ハムスター買ってもらってん!今日見に来いや!」

タカラダとタカラダ兄とに1匹ずつ。

「ミッキーとプッチー」。

学校が終わり、タカラダと一緒に帰る道中もずっとハムスターの話をしている。イマイチ俺にはハムスターの良さが伝わらなかったが、とりあえずタカラダが完全にハムスターのトリコになってある事だけは分かった。

俺は家に着くなりランドセルだけを玄関に置き、そのままタカラダの家へと向かう。不思議なもんで一日中ミッキーとプッチーの話を聞かされていると、なんか分からないが俺の中にもミッキーとプッチーへの愛情が僅かながら芽生えつつあったのだ。早く見たい。早く会いたい。早くこの手に乗せたい。

タカラダの家に着く。



…。

…?

1匹しかいない…。

これミッキーか?
それともプッチーか?

タカラダも「えっ?あれ?ミッキー?プッチー?」
さっきまでめちゃくちゃイキって飼い主気取ってたが、昨日の今日のタカラダにもどっちがどっちか分からない感じだった。俺は冷静に頭の中で「分からんのかい。」と思ったが、この状況をふまえた上であえて口にはしなかった。

とりあえずタカラダがその1匹をカゴから取り出すと、その1匹の口の周りは血だらけだったのだ。

俺は知らなかったが、ハムスターは狭い場所に一緒に飼うと縄張り意識が高く攻撃するらしいのだ。カゴは虫かご程度。完全にカゴの中でハムスター同士のワンマッチが起こっていたのだ。

ミッキーがプッチーを襲ったのか?
プッチーがミッキーを襲ったのか?



と、突然タカラダが叫び出す。

「コイツ!俺のプッチー!殺しやがって!」と言った瞬間、部屋の窓をガラガラっと開け、そのミッキーかプッチーかも分からない1匹を裏の田んぼに投げたのだ。

俺はタカラダに「いやいや、お前投げたのがプッチーかも分からんやん!」と言ったが、その時のタカラダの目は完全にブッ飛んでいた。我を失うとはこの事だと思った。とにかく俺はこれ以上今のタカラダといては危険だと判断し直ぐに帰る。

自然界には当たり前の様にある弱肉強食と言うものを、まさかタカラダの部屋で見れるとは思っていなかった。その後数日間、タカラダの前ではハムスターを連想させる様な「ハム」とか「トースター」みたいな言葉は禁句になったのは言うまでもない。

どっちがミッキーでどっちがプッチーだったのかは未だこの街の謎の1つだ。





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Last updated  2022年07月01日 07時47分01秒
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