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紹介文
死と変身と、それを貫く時間を通して、<戦後>を遡行してゆく孤独な魂ー時代の悪夢ともいうべき戦争の下で、愛の狂気が宿命的な死へ収斂してゆくさまを醇乎たる文体で描く『他人の夢』。時間の罠に呪縛された生の深淵を剔快する『錆びた港』。夜と廃墟と夢幻の大伽藍=著者独特の幻想を思考の原型を開示する作品集。」帯より

多分発行数のものすごい少ない単行本。
しかも筆者サイン入りがなぜか家にありました。
多分帰国される方のセールか何かで買ったんだと思うんですが・・。
読む機会がなくて積んであったのを
表紙が何だかステキ、と手にとってこのたび読みました。
時代は戦中。
戦中なのに何だか浮世はなれした大金持ちのお嬢様の
妄想がベースになっている珍しい 戦中ファンタジー
。
ですが、意外に面白かったです。
夢の中の夢、みたいな不思議な世界(本当は妄想の中の現実)で
『この戦争が実は本当の現実じゃなくて、世界中の人の悪夢の
寄り集まりだって。ね、もしそうだったら、そこにあたくしの夢だって入り込むkとが出来る筈でしょう。あたくしの夢が生み出す、もうひとつの現実の中へ峻さん(婚約者)を包んで、峻さんにだけは、まるでべつな戦争、おだやかな、何の危険もない戦争をすごしていただくことが、必ず出来る筈ですわ。』
とお嬢様がのたまう、そんな話。
この婚約者も”脇役”として巻き込まれる兵隊もいて
妄想はどこまで現実なのか、そんなことあるわけがない、と
疑いながらも妄想どおりであれば自分は安全なので
信じたい気持ちもあり。
最後もスッキリ終わっていてファンタジー苦手なワタシでもなかなか興味深く読めました。
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