未完成交響曲 ~日刊エッセィ~

未完成交響曲 ~日刊エッセィ~

バーキットリンパ腫


バーキットリンパ腫は小児期では下顎または卵巣に急速に大きくなる腫瘤として発現する。
巨大な腹部病変として現れることのほうが多く,しばしば回盲弁の領域から生じる。
成人では巨大になって全身化し,しばしば肝臓,脾臓,骨髄に大きな腫瘍ができる。
脳脊髄液や脳の病変が診断時に,または再発リンパ腫としてみつけられる。病理学的所見によって,悪性リンパ腫細胞の急速な増殖を示す高い細胞分裂像と星をちりばめた空のようなパターンが明らかにされる。
この疾患は風土性リンパ腫にみられるエプスタイン-バーウイルス(EBV)と密接に関連している;しかし,EBVが病因としてどのように作用するのかは不明である。
バーキットリンパ腫は細胞遺伝学的に特徴があり,通常C-myc癌遺伝子を伴うt(8;14)がみられる。
病期分類には胴体のCT,骨髄生検,脳脊髄液細胞診断,およびガリウムスキャンを行う。
腫瘍の成長が速いため,治療を即座に開始し,病期分類の検査を迅速に行わなくてはならない。
治療による急速な細胞死に伴って腫瘍溶解症候群が起こる。LDHレベルが高ければこの合併症が予想されるので,患者には水分補給やアロプリノール与,アルカリ化,および電解質(高カリウム血症を予防し治療するため)を与えなくてはならず,尿酸腎症,急性腎不全,低カルシウム血症,および高リン酸血症の可能性に対して留意しなくてはならない。短いコースの高用量併用化学療法は治癒率が高い(75%以上)。
脳脊髄膜浸潤に対する予防は重要である。時に化学療法前に疾患が完全に切除されることもあるが,強力な化学療法が適応となる。




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