Kokko's Diary

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1-2障害を受け入れるには


支援技術サービスを提供することは誰もが喜ぶと思いがちだが、人によってはそれを拒否するひともいる。

支援技術を十分に活用するうえで、障害に関する基本的理解が重要なものとなる。

・テクノロジーは、 障害受容 と密接な関係にある。
 ・障害のある人の
自己決定 が重視されるようになり、 AAC 研究が進んだ。

 
 
 
【1】障害受容について
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・障害受容は「あきらめ」、「居直り」といったネガティブな状態ではなく、
 障害をポジティブにとらえた状態である。
 
 
 
・障害受容は本人だけの問題ではなく、家族もその障害を受容する必要がある。
 
 
 
・障害受容を考えるうえにおいて、先天性障害と後天性障害とではそのプロセスが異なる。
 
 
【2】受容のプロセス
 
 
 
 
 
 
支援技術の導入において以下のような障害受容のプロセスについて理解しておくことは重要。
 
 (1)ショック期
 
 
 
 
 
・自分自身に何が起こったのか理解できないといった、まさに茫然自失の状態。
 
 
 
・この時期は長く続かず、少しずつ現実が見えてくる。
 
 
 
 
 (2)否認期
 
 
 
 
 
・自分の障害を、「誤診に違いない」、「障害であるはずがない」といったようにみとめようとしない時期。
 
 
 
・ショックを和らげる意味で重要な時期でもあるが、訓練などには積極的ではなく、
 この時期が長く続くとリバビリテーションにも影響がでる。
 
 
 
 
 
 (3)混乱期
 
 
 
 
 
・「怒り」、「悲しみ」、「抑うつ」などが現れる時期。
 
 
 
・介助者とのトラブルが生まれるのもこの時期である。
 
 
 
・この「怒り」は、特定の人に向けられているものではなく、もって行き所のない怒りの表出だと理解して
 受け止める必要がある。
 
 
 
 
 (4)解決への努力期
 
 
 
 
 
・様々なことをきっかけにし、今までと違った生き方が見えてくる時期。
 
 
 
 
 (5)障害受容
 
 
 
 
 
・「あきらめ」や「居直り」といった後ろ向きで消極的なものではなく、
 「障害があってもいろいろなことが出来る」、 「障害があるから別の生き方を味わえた」
 といったように自分の障害を前向きで建設的にとらえる状態を指す。
 
 
 
 
【3】支援技術と障害受容
 
 
 
 
 
 (1)支援技術の拒否
 
 
 
 
 
・障害をもった人の多くが障害の克服を望むだけに、支援技術導入は慎重に行われる必要がある。
 
 
 
・支援技術の紹介で、機能回復の望みが絶たれたと悲観し、新技術を拒否する人もいる。
 
 
 
・特に、ショック期、否認期、混乱期に機器の導入を行う場合には配慮が必要。
 
 
 
・技術がすべて拒否されるわけではなく、リモコンなど日常誰もが使う便利な胴部は多くの人々に受容されやすい。
 
 
 
 
 (2)支援技術が助ける障害受容
 
 
 
・支援技術によって出来ることに気づくことで障害受容を助ける場合もある。
 
 
 
 
 
 (3)障害への多様なアプローチの必要性
 
 
 
・支援技術は、多くの解決法の1つにすぎない。
 
 
 
・医学、工学、心理学、看護学、社会福祉学、教育学など多くの視点から眺めつつ、
 時期に応じた支援をすすめる必要がある。
 
 
 
【4】自立観の変遷とコミュニケーションニーズの高まり
 
 
 
 
 
 (1)ADLからQOLへ
 
 
 
・1970年代まではADL(Activities of Daily Living : 日常生活動作)の獲得がリハビリの目標。
 
 
 
・1970年代までは回復困難なら手厚く介助してあげるしかにという考え方が一般的。
 
 
 
・米国で運動障害を持つ人々の自立生活運動が障害観を変える。
 
 
 
・ADLや経済的自立が中心だった自立観が、QOL(Quality of life : 生活の質)に移行。
 
 
 
 
 
 
a)ADL(Activities of Daily Living : 日常生活動作)
 
 
 
・障害を受けてできなくなった食事、排泄、衣服の着脱などの日常生活に必要な動作。
 
 
 
・理学療法や作業療法はADLの獲得に大きな役割を果たす。
 
 
 
 
 
 
 
b)QOL(Quality of life : 生活の質)
 
 
 
・いくら質の高い優しい介助を受けても、当事者の意思を反映しなければQOLと結びつかない。
 
 
 
・ADLだけでなく障害のある人の自己決定権がQOLを考えるうえで重視されるようになる。
 
 
 
 
 
 (2)AACの誕生
 
 
 
 
 
・医学、心理学、言語学、音声学、工学などの研究者が集まって重度障害のある人の
 コミュニケーション技法を、学際的に研究しようとする分野である
 AAC(Augmentative and Alternative Communication : 拡大代替コミュニケーション)が誕生。
 
 
 
・自己決定は共用されるものであってはならず、障害をもつ人誰もがその人なりに自己決定出来る能力と
 場面をもてることが重要。
 
 
 


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