Kokko's Diary

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1-4障害支援技術とユニバーサルデザイン


テクノロジーは障害のある人の生活を便利で豊かなものにしてくれる。
むしろ、生活に不可欠なものといえるかもしれない。
一方、私たちが便利と感じる機能や道具を障害があるために使えないこともある。
そのために専用の機器やソフトウェアが開発されている。
障害のある人のための
支援技術 (Assistive Technology)とは何を指すのだろう?
支援技術 は誰のためのものなのだろう?
また、
支援技術 はどのように発展してきたのだろう?
ここでは、
支援技術 を大きな枠の中で とらえてみよう。

支援技術 の役割と ユニバーサルデザイン との関係
 ・
バリアフリー ユニバーサルデザイン の違い

 
 
 
【1】 支援技術 とは?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・リハビリテーション領域に対する工学・技術からの支援は、リハビリテーション工学
 (Rehabilitation Engineering)と総称されていたが、福祉用具を必要とする人は、
 高齢者などリハビリテーションの流れに含まれない人も含まれるので、
 より広い概念として 支援技術 と称されるようになる。
 
 
 
・デンマークやスウェーデンなど北欧では、テクノエイド(テクニカルエイド)という用語が一般的で、
 福祉用具とほぼ同義に使われている。
 
 
 
支援技術 機器(Assistive Technology Device)は、北米を中心に使用されている用語。
 
 
 
・1988年にでた米国の法律
 「障害をもつ人のためのテクノロジーに関連した支援法:Tech Act」では、
 支援技術
機器を、「買ってきたか、そこにあったものか、手直しされたか、
 個人に合わせて作られたかに関わらず、障害のある人の機能を増大、維持、
 または改善するために使われるあらゆる装置、装置の部分、システムを指す」と定義。
 
 
 
支援技術 サービスとは、
 障害のある人が 支援技術 装置を選ぶ、手に入れる、使用することを直接助けるあらゆるサービスを指す。
 
 
【2】 バリアフリー とは
 
 
 
 
 
 (1) バリアフリー の歴史
 
 
 
・1961年には米国標準協会が「障害者のアクセスと利用に配慮した建築設計標準」を発表。
 
 
 
・1974年の国連障害者生活環境専門家会議において、障害をもつ人の社会参加を妨げる建築的障壁が
 取り上げられ、これらを除去しようという「 バリアフリー 」という概念が紹介される。
 
 
 
・当初、障害を持っている人だけでなく、一時的な不便を感じている人もThe Handicappedとして
 バリアフリー
の対象とされた。
 
 
 
・深刻な問題を抱えている重度障害のある人のことが最重要課題として取り組まれた結果、
バリアフリー は障害をもつ人のための特別な対応であるという考えが定着。
 
 
 
 
 (2) 支援技術 バリアフリー
 
 
 
・建築物や道路あるいは交通といった公共性が高く、空間的な課題が中心となる バリアフリー
 
 
 
・生活行為に近い存在としての機器や設備などのアクセシビリティを保障するのが 支援技術
 
 
 
 
 
 
 
 
【3】 ユニバーサルデザイン 共用品
 
 
 
 
 
 (1) ユニバーサルデザイン
 
 
 
・1985年に米国ノースカロライナ州立大学(NCSU)のロン・メイス(Ronald L. Mace)が
 ユニバーサルデザイン
を提唱。
 
 
 
・「あらゆる建築物や製品は設計の当初から誰でも利用出来るように最大限の努力をはらって
 設計するべきである」という考え方。
 
 
 
・設計段階から多様な利用者像を想定し配慮しておくことは、
 完成後に修正や特別な対応として取り組むよりも経済的。
 
 
 
ユニバーサルデザイン は障害者という存在を意識せず、利用者の能力の幅を意識してデザインする方法。
 
 
 
 
 (2) 共用品
 
 
 
共用品 ・共用サービスとは、障害のある人、高齢者、そして健常者の誰にとっても
 使いやすく配慮された製品・サービスのこと。
 
 
 
・日本では、視覚障害のある子どものためんい玩具に小さな凸をつける運動が始められ、
 「共遊玩具」が誕生。
 
 
 
・1990年代に入ると、障害の有無に関わらず共用できる商品作りをめざそうという
 E&Cプロジェクトが発足。
 
 
 
・1999年には(財) 共用品 推進機構が生まれ、 共用品 の開発・普及を推進。
 
 
 
共用品 は、障害者にも利用できるように、あるいは健常者にも利用出来るようにデザインすることで
 商品化を可能にする方法。
 
 
 
 
 
 (3) 支援技術 ユニバーサルデザイン
 
 
 
支援技術 は個別的な課題解決に有効な手段であり、 ユニバーサルデザイン は全体に対して有効な手段。
 
 
 
ユニバーサルデザイン は「障害者のための」という修飾語を伴わないデザインであり、
 支援技術
とは対置される。
 
 
 
・ライター、タイプライター、温水洗浄便座のように障害をもっている人のために考案された製品が
 障害をもっていない人のニーズにも合致し、一般の商品として成功を収めた例もある。


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