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紫色の月光
第十七話「大パニックな空の旅」 前編
「全く、貴方も本当に無茶をしますね」
慎也の一言で、布団の上で包帯をグルグル巻きにされているマーティオはしょぼんと顔を伏せた。返す言葉も無いからだ。
「しかし、無事でよかった」
「いや、俺は死んでいた……あの時、ネオンが出てくるのが少しでも遅かったら俺は確実に殺されていた」
そう言うと、マーティオは隣の布団でぐっすりと眠っているネオンに顔を向けた。その顔には恐怖と言う感情が一切無く、ただ幸せそうに深い眠りについている。
「………彼女は、本当に貴方が大好きなんですね」
不意に、慎也がそんな事を言ってきた。その言葉の前にマーティオは思わず反論する。
「ちょいと待った。なぜそうだと言える。俺はコイツに会ったばっかなんだぞ?」
「しかし、そうでもなければあんな強大な相手に立ち向う事は出来ないでしょう。例えて言うなら、大怪獣相手に立ち向う感じですか」
あまりよくわからない例えだ。しかし、それでも悪い感じはしない物だ。少なくとも、あの場面で彼女に助けられたのは事実なのだから。
(ま、サイズは奪われちまったけどな……)
これからどうするかな、と彼が思い始めたとき、彼はあることを思い出した。それは猛が襲来したがために途中で中断せざるを得なかったことだ。
「時に慎也殿。貴方はヨーロッパの何処で見つけたのだろうか?」
「ああ、そういえばその話は途中でしたね………ええ、と確か」
問われた慎也は自身の脳みそをフル回転させて記憶を探り出す。あれはそう、確か半年ほど前、割と極最近の出来事だ。
「……確かフランスでしたね」
「フランス?」
「そう、かの有名なフランスのエッフェル塔で顔を見ましたね……エッフェル塔は観光客が結構いますが、同時に自殺願望者も大勢いるのです。飛び降り自殺、ですかね」
その単語でマーティオはハッ、となって慎也を睨む。
「おい、まさか……!」
マーティオの脳には一つの最悪の可能性が浮かんでいた。それはやはり一番頼りになる先輩が飛び降り自殺をしたのではないのか、という可能性だ。
「いえ、あの人はその飛び降り自殺をしようとした人を止めようとしたのです」
「………止める?」
「ええ、エッフェル塔から飛び降り自殺を行おうとする男性を、あの人は必死になって止めようとしたのです……したのですが、結局は」
「……そうか」
それは先輩も辛かっただろうな、とマーティオは思った。だがそれと同時、その人が今いる場所を見つけたことによる安堵感と言う物もあった。
確かにまだ本人とは決まったわけではないが、それでも会いに行く価値はあると思う。
(さて、エリックは今何をしてるのかね……?)
国際空港から中国行きの飛行機がゆっくりと離陸していく。その便の中に二人の男がいた。世間から怪盗と呼ばれているエリック・サーファイスと切咲・狂夜の二人である。
『それでは皆様、快適な空の旅をお楽しみください』
機内にスチュワーデスの声が響くと同時、エリックは徐に前の座席の後ろに設置されている機内雑誌に手をつけた。
「あれ? エリック、寝るんじゃないの?」
すると、横にいる眼鏡バージョンの狂夜がエリックに顔を向ける。眼鏡を外すと性格ががらり、と変化してしまう彼は、早速睡眠をとろうとしていた。何せ、国内の旅とは違い、かなりの時間がかかるのだ。
「あー……何かさ。この表紙に載っているのに興味をそそられてな」
狂夜が覗き込むようにしてみてみると、表紙には7人のスチューワデスが写っていた。それも人形の、だ。
「いやさ、有り得ないと思うんだよな。こう……三次元の人間をフィギュア化するってのは」
「……エリック。それも空想の世界の人だよ、多分」
狂夜は半ば呆れながらも目が冴えてしまったので、何か暇潰しになる物は無いかと周囲に目を向ける。
「あ、そういえばまだ今日の新聞を見てなかった」
そういうと、彼の前の座席の下に入れていたカバンから新聞を取り出した。泥棒たる物、常に世間の情報は仕入れている物である。
「何々………!?」
しかし、その新聞の内容には彼を驚愕させる内容が記されていた。
『イシュ新兵器、フランス及びイギリスに襲来! 空を飛ぶディーゼル・ドラグーンの前に軍は成す術無し。これでアメリカ、インド、ロシア、イラン、アフリカ、日本と合わせて7回目の襲撃となる!』
死傷者2478名。行方不明者はそれ以上、怪我人は更にそれの上を行くと言う大事態である。しかも、新聞によるとイギリスのロンドンは壊滅的なダメージを受けているらしい。
(前回はロサンゼルス、その前はモスクワ、そして今回、ロンドンが壊滅的なダメージを受けたか……)
それはつまり、その場所を集中攻撃していると言う事なのだがその意図が全く掴めない。一体イシュとは何を目的としてこのような行動を取っているのだろうか。
(この前、あの竜神館長はリーサルウェポンを回収、及び破壊するって言っていたけど……どう考えても関係ないよねぇ)
何せ、残りのリーサルウェポンはそのイシュが全て持っているのだ。仮に自分たちを襲うにしても、その場合はフランスとイギリスではなくて日本を襲うはずである。
(ま、そこら辺をはっきりさせる為にあの人に会いに行くんだけどね)
実はこの二人、インターネットの裏掲示板である書き込みを見つけたので中国に向かっているのだ。その内容は、イシュの誇る天才科学者、ノモアが中国で病にかかって寝込んでいると言う物であった。
そう、二人はノモアに会いに行くのだ。
「団長、どうするんですか」
エリック達の座席の更に後方、一番後ろの列で怪しいひそひそ話をしている五人がいた。彼らは前回、京都の山の中でマーティオに偉い目にあった山賊達五人である。
「どうするもこうするもない。俺達は悪だ。悪は悪なりに悪い事をしないとならないのだ」
前回のくすぐり地獄から奇跡の生還を果たした団長は、何と今回ハイジャック計画を立てているのである。しかも短期間で計画した物だから色々と準備が不足しているのだ。これじゃあハイジャックもクソも無い。
「でも団長……幾らなんでも時限爆弾はやりすぎではないかと……」
タケノコが言う。そして彼の隣に座っている団長が持っているケースには何と時限爆弾が仕掛けられているのだ。一応、彼らなりに苦労して持ち込んだ物である。
「そうですよ、ピストルをちらつかせるだけでも十分に占領できますって。何と言っても乗客の数が半端じゃ無いですから」
マイタケが言う。彼は作業員に成りすましたドクキノコから受け取った銃を力強く握っていた。団長の許しを得ることが出来たら直にでも行動に移るつもりでいる。
「いや待て」
しかし、そこで団長はマイタケを手で制した。
「いいか、俺達は今はただの山賊じゃ無い。今から俺達は空賊なのだ!」
その団長に他の団員達が揃って首をかしげた。
「そ、空賊ですか?」
「そうだ。空賊だ! 何と言っても、今は上空にいるわけだからな」
そりゃあそうだ。そんなの小学生だって分る。何と言ってもこの乗り物は『飛行機』なのだから。
「だからだ! 今までの様なやり方は一切通用しないと思え!」
団長が力強く言い終えたと同時、マイタケの横にいるキノコが団長に問うた。
「一切通用しないって……俺たち山の中でこれと言った事しましたかねお頭?」
そこまで言ったと同時、キノコは団長に思いっきり殴られた。何処かの格闘漫画もビックリな派手な音を出してキノコはぶっ飛ばされるが、シートベルトをつけているお陰で何とかその場で急停止してお客さんと飲み物を運んでくれるスチュワーデスさんに迷惑をかけることは無かった。
そして彼が殴られた理由はたった一つ。
「馬鹿野郎! 何度言えば分るんだ、俺は団長だ!」
毎度ながらのよくわからない拘りである。
しかしキノコは余りの大ダメージで気を失っており、団長の言葉が耳に入っていないようだ。
「しかしいい質問だ、キノコ。褒めてやろう」
だがその褒め言葉もキノコの耳には入っていなかったりする。
「いいか。俺たちはあの京都の山の中で何をしていた!? A、山賊。B、『アブダクション』と叫ぶ。C、皆で土竜さんの術。D、何もしていなかった。さあ、どれだ!?」
此処で何故か四択問題が出たが、かなり優しい問題である。何故なら、つい最近まで自分たちがやっている事なんて一つしかないからである。
なので、マイタケとタケノコは声を揃えて回答を言った。因みに、キノコはやっぱり気を失っている。
『答えはズバリ、Dです!』
「ファイナルアンサー!?」
『ファイナルアンサー!』
「ンな分けねぇだろうがこの馬鹿共が!」
マイタケとタケノコは一瞬にして殴られた。
しかし残念ながら長い間獲物と言える獲物が来なかったがために山賊と言う回答は当てはまらないのである。悲しいけど、これ現実なのよね。と言いたくなりそうだ。
「いいか、正解はズバリ――――」
ああ、やっぱAなんだ。と殴られた二人は思った。
「Cの土竜さんの術だ」
次の瞬間、シートベルトをつけているにも関わらずマイタケとタケノコが派手な音をたてて倒れた。
「団長! 何ですかその土竜さんの術って!?」
「俺たちそんなの聞いた事も無いですよ!?」
団員の二人はやっぱり必死になって講義する。しかしこの団長がそんなのに怯むわけがなかった。
「馬鹿野郎! 土竜さんの術とは、高速のスピードで穴掘りを進めることが出来る高度な術なのだ! 忍者界でも極めて習得が難しいとされている奥義だ!」
『んなアホなぁ!?』
思わず何処かのお笑い芸人みたいな突込みをしてしまうマイタケとタケノコ。と言うか、こんなのあるんだろうか。
そんな時、京都にいる棗は修行の時間なので軽くノートを開いていた。その中には様々な忍術が記されており、有名な分身の術から誰も知らないようなマイナーな術まで記されている。
時偶に『こんなのあったっけ?』と思いたくなるようなものもしばしばある。
そして今、棗は正にそれに直面していた。
「……忍法土竜さんの術? ……こんなのあったっけ?」
棗は首をかしげながら頭の上に疑問符を浮かべる。このノートは毎日開いていると言うわけではなく、全ての術を知っていると言うわけではないのだが、しかしこんな術聞いた事が無い。
「何々……先ず、スコップを持って大地に突き刺す」
棗は次のページをぱらり、と開いた。
すると、そこには恐るべき衝撃の事実が記されていた。
「その後、宇宙から無限に降り注ぐ超エネルギーの力で進化した後、凄まじいパワーがついた後に一気に掘り進みましょう」
そこまで読んだ棗は思った。
これって術じゃなくない? と。
(と言うか、超エネルギーって何さ!?)
棗は力を入れて、ノートを破く勢いでそれを睨みつけた。心なしか、ノートが緊張で汗を流しているように見える。
「誰だぁぁぁぁぁぁっ!!! こんなくだらないの書き込んだ奴!!」
棗はそういうと、それこそ超エネルギーでも取り込んだかのような動きで奇妙な術が書いてあったページを引き裂いた。
余談だが、中国行きの飛行機の中にはエリックや団長たちのほかにある男が乗っていた。
他ならぬ、ネルソン・サンダーソン警部である。無論、相方のジョン刑事も一緒だ。
「警部、何だってまた中国に行く事になったんですか?」
ジョンがこれまたいい質問をしてきた。そしてその問いにネルソンはうむ、と言ってから答える。
「実はな、ジョン。先日予告状が届いたのだ」
そういうと彼はポケットの中から宿敵、怪盗シェルことエリックから送りつけられた予告状を取り出す。
そこにはこう書かれていた。
『前略、つーか毎回書くの面倒臭い』
そして冒頭に書かれているこの文字を見たジョンはネルソンの方に顔を向ける。
「警部、コレ本当に予告状ですか?」
「予告状だ。何せ、何故か二枚目に炙り出しで書かれていてな」
「それじゃあそっちのくださいよ!」
ようやく気付いたかのようにネルソンは二枚目の予告状をジョンに手渡した。そこにはこう書かれている。
『はっはっは。よーく炙り出しだと気付いたな! どーせネルソン警部が花火でもしようとしたら何かが起きて偶然見えたに違いない!』
流石にコレは無いだろう、とジョンは思った。
「警部、幾らなんでも花火は無いですよねぇ、この季節に……」
すると、ネルソンは何故か飛行機の窓から空の景色を眺めていた。心なしか、妙に哀愁が漂っている。
(……マジなんだ)
そしてそれはジョン刑事に真実だと知らせているようなものである。
それを敢えて心の中の黒歴史にしたジョンは残りを読み続ける。
『今回は中国、北京にて宝石『魅惑の女神』を頂きます。――――by怪盗シェル&レオ』
魅惑の女神と言えば、つい最近展示されたばかりの馬鹿でかいエメラルドの事だ。あまりの大きさなので世界各国に運ばれては展示されている珍しい品である。そして今回、中国で展示された際に頂こうと言う考えなのだろう。無論、中国に行くついでに頂こうと思っているだけなのだが、そんな事をネルソン警部が知っているはずが無い。
「なあ、ジョン。偶には夏でなくても花火したいよな……」
そんな時、ネルソンが何処か黄昏た声でジョンに言ってきた。
「は、はあ……そんな物ですかね?」
「ジョォォォンッ!!」
次の瞬間、ジョン刑事はネルソン警部に首を絞められた。コレで何度目だろうか。
「ジョン! 俺は悪気があったわけじゃ無いんだ! 俺は単に花火の火を消す水をついうっかりしてガソリンと間違えてしまっただけで………」
かなりヤバイ気がする。と言うか、何でこの人は無事なんだろうか。
人間離れしたネルソンの力で見る見る意識が遠のいていくジョン・ハイマン刑事。そして今までの思い出が次々と走馬灯の様に見えてきた。
(ああ、あの時は本当に愉快だったなぁ……父ちゃんがフーセンガムで空を飛ぶなんて馬鹿馬鹿しい事やってたよ、本当)
最早彼の目には生気がないというか、周りが見えていないようだ。
しかし、そんな彼に救いの光が差し込んでくるかのようにして彼らの後方から一つの声が上がった。
「やい、テメェら! 死にたくないなら大人しくしてやがれ!」
後ろの座席の方で銃を持った覆面男が立ち上がっている。それを見た乗客員はすぐさま悲鳴を上げた。そしてそれが合図になって、覆面男の後ろから更に四人の男たちが現れる。
「いいかお前等! 俺達はそんじょそこいらにいるハイジャック犯じゃ無いぞ! 俺達は空賊だ!」
そしてイキナリ聞いた事が無い単語を発してきた彼らに、ネルソン達は目を丸くした。
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