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紫色の月光
最終話「宝物」
ジーンΧの騎士風の身体はドンドン変化していく。
筋肉は膨れ上がり、鎧の様な装甲がはちきれそうになっている。更には頭部がまるで恐竜の様な化物に成り下がっているのだ。
「あ……あ……」
どんどん大きくなっていくその姿を見たカイト達は正に震えていた。
あの巨体から発せられるオーラが普通じゃ無いのは一目でわかる。
「くそ……! なら今のうちに!」
するとソウルサーガが真紅のレーザーブレードを持って突撃する。
確かに向こうは変身なんだか進化何だかよくわからないが、とにかく取り込み中なのだ。この絶好のチャンスを逃す手は無い。
しかし、
「止せ、エイジ! あいつの進化は今終わったぞ!」
だが時既に遅し。
進化を終えたジーンΧは何の小細工も無いパンチでソウルサーガをぶっ飛ばしたのだ。
「うおおおおおおおおおおお!?」
しかもそのパンチで受けたダメージが半端ではない。
先ほどのジーンΧはパンチだけでダーインスレイヴのバリアを破壊したのだが、今回は一撃でソウルサーガの左腕を破壊したのだ。これは間一髪で左腕をガードに回した結果である。
もしもガードするのが遅かったらそれこそコクピットごと潰されていただろう。
「あれが……アルティメットジーン!」
カイトは目の前にいる強大な影を見て、その威圧感に押しつぶされそうになりながらも何とか堪えている。
「レベルがさっきと段違いだ……!」
さっきのままでも手も足も出なかったと言うのに、更にパワーアップしたのだ。
こんな化物相手にどうしろと言うのだろうか。
「いや、待って」
すると、横からシデンが話し掛けてくる。
「奴は確かにとんでもないパワーを持っている。一撃でも喰らえば僕達じゃアウトだ。だけど、あの図体ではスピードで僕たちが勝っているはずだよ」
「あ――――」
言われてみればそうだ。
確かにパワーは凄まじい物になっている。
しかしジーンΧの大きさは今や200mクラスになっている。
これだけ大きければすばしっこく動く小さな標的をそう簡単には捉えられないだろう。
こっちは向こうの十分の一程度しか大きさが無いが、それでも機動性には自信がある。
「よーし、それならやってやるか」
「うん、隙を見つけたら僕が凍らせるから、その後は二度と再生できないように消しちゃって」
「分っている!」
次の瞬間、ダーインスレイヴとアークブレイダーは疾走する。
二機ともダメージを受けているが、それでも機動性には自信がある。ならば意地でも向こうをかき回してやろうじゃないか。
ダーインスレイブは右翼を失ってはいるが、実を言えば翼なしでも十分に飛べるのだ。翼の役割は単なる武器と強化ブースターと言ったところである。ただその外見に騙されて翼を失えば飛べないと思う奴はいるわけである。
「よーし、喰らえ! フェザーブラスター!」
その左翼からビームランチャーが姿を現す。
その銃口に集められる光は発射されると同時、真っ直ぐジーンΧに向かって飛んで行く。
命中。
しかしそれはジーンΧの巨大な筋肉に当たったと同時、簡単に貫通する。
相変わらず水に攻撃しているような感覚なのだが、シデンの能力で凍らせてしまえばこっちのものである。
その後は特大のインフェルノ・スマッシャーで消し飛ばしてやればいい。
そうすれば幾ら液体金属と言えども復活は出来ない。
全て消し飛ばす事ができれば、幾らなんでも復活は不可能なのだ。
「……遅いな」
「え?」
しかし次の瞬間、二人はトンでもない光景を見た。
ジーンΧがこちらに匹敵するスピードでアークブレイダーにパンチを叩き込んだのだ。
それは一瞬の出来事であり、何も理解できないままシデンはアークブレイダーと共にぶっ飛ばされる。
「な……!」
「でかくなればスピードが遅くなるなんて子供の発想だな」
予想外の誤算だった。
まさか200mの巨体であのスピードとは思いもしなかった。
「さて、ここから楽しいパーティーと行こうじゃ無いか」
ジーンΧが不気味に笑う。
ジーンΧの液体金属能力には自分には打つ手が無い。
そして頼りになりそうなエイジとシデンは早々にリタイア。
「最悪だな………嘗て無いほどに」
今までこれほどまでの大ピンチがあっただろうか。
相手が再生したり、強い場合は何回もある。
しかし流石に此処までの状況は初めてだった。何せ自分の攻撃はジーンΧには通じていないのだ。
「さて、お遊びはそろそろお終いにして……殺してしまうとするか」
ジーンΧは面倒臭そうに言う。今の彼からしてみればカイトですら下等生物に他ならない。
ジーンΧの人差し指に巨大な黒の球体が生まれる。
それはカイトとゼッペルの技ごと彼等を吹き飛ばし、更にはゼッペルすら殺してしまった技である。
先ほど見たばかりなのだから見間違えはしない。
「でけぇ!」
しかも大きさが馬鹿にならない。
先ほどの10倍の大きさはある。
「死ね」
ジーンΧはゆっくりとダーインスレイヴに向けて指を下ろす。
それと同時、巨大な黒の球体はまるで巨大な隕石のように落下していく。
「ちぃ!」
無駄とは分っている。何せ先ほどはあれの十分の一程度の大きさのもの相手でも通じなかったのだ。今更同じ攻撃が通じるとは思わない。
だがそのままやられるよりは、どんなに小さな抵抗だと分っていても死から抗いたかった。
「ジェノサイドミーティア!」
残された左腕から出現した緑色の光球が唸る。
それは真っ直ぐに大きさが20倍近くある黒の球体に向かって飛んで行く。
緑の光球は黒の球体に命中する。
だが、それだけ。
ただ当たっただけで、緑の光球は黒の球体の前に完全に消し飛んでしまったのだ。しかも黒の球体はまるでとどまる事を知らずに向かっていく。これでは人をはねた暴走車だ。
「インフェルノ・スマッシャー!」
苦し紛れだ。
しかしそうだと思っていてもやらないよりは遥かにマシだ。
だがダーインスレイヴのその行動をあざ笑うかのように、黒の球体は地獄の光を打ち消して進んでくる。
「く……! 止まりやがれぇぇぇぇぇ!!」
ダーインスレイヴの必死の攻撃は続く。
大技で、普通ならコロニーすら破壊できるジェノサイドミーティアとインフェルノ・スマッシャーを連続して次々と黒の球体に飛ばしていく。
だが、それでも止まらない。
緑の光球も、地獄の光も全然通じないのだ。
「………!」
そして黒の球体は寸前まで迫ってくる。
此処まできたらもう止められない。
「ちっくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」
カナダの地にカイトの虚しい叫びが響く。
それと同時、黒の球体が地面にぶつかった。
怒涛の大地震が大地に襲い掛かる。
空では大気が震え、鳥たちは逃げ出していた。
そんな大振動をフィティング艦内は味わっている。
艦内は空に浮いていると言うのに大地震にでも襲われたかのような震動が来ているのだ。
「うわ……!」
何人かはその場に辛うじて止まり切れるが、やはり転ぶ奴はいる。
リーザもその中の一人だ。
彼女は手すりにも何にも掴まっていなかったがためにこんな事になってしまったのだが、派手に転んだ後にすぐに起き上がる辺りは流石である。
「ちょっと! 一体何!?」
彼女は身を乗り出してブリッジにいるマラミッグに訪ねる。すると彼女は冷静に答えてくれた。
「原因不明の大爆発です。それの余波が直撃したようです」
「余波!? どんな威力なのよちょっと!?」
「カナダに巨大なクレーターが出来るほどです」
最早怒鳴っているとしかいえない彼女に対してここまで冷静に対処できる辺りが流石である。
「尚、先ほどまで反応していたダーインスレイヴ、ソウルサーガ、アークブレイダー、そして未確認機の四つの反応が消えています」
「え?」
それはつまりどう言う事なのだろうか。
リーザの脳裏に最悪の結論が過ぎる。
それは全員死んでしまったのではないか、と言う事である。
「――――――許さないからね」
しかしそんな中でも、彼女は俯いたまま、消えてしまいそうなほど小さな声で言った。
「預け物を返さない限りは、絶対に死ぬなんて許さないんだからねっ!」
ジーンΧの放った特大のカオス・ボンバーによって作られた超特大のクレーター。
そこには先ほどまでいたダーインスレイヴやアークブレイダー、ソウルサーガの姿は無い。まるでもうこの世界には存在しない事を暗示しているかのようである。
しかしそれだとおかしい事がある。
それならばジーンΧは何処に消え去ったと言うのだろうか。
その答えを導く為のヒントはこのクレーターにも僅かに残されている黒い渦にある。
まるでブラックホールのように渦巻くそれは、何処かへと続く扉のように見える。
それもそのはずだ。
この黒い渦は、他の世界へと続く次元の扉なのだから。
それは、まるで宇宙の中を常識では考えられないスピードで走っているようだった。
幾つもの星を通り過ぎ、夜を切裂くような感覚は時間をも支配しているようである。
そんな空間の中に彼等はいた。
ダーインスレイヴも、アークブレイダーも、ソウルサーガも無事だ。ダメージを受けてはいるが何とか動ける。無論、コクピットの中にいる彼等もちゃんと生きている。
しかし、それでもどうしろと言うのだろうか。
今の彼等の目の前には追い討ちをかけるようにジーンΧがいる。
あれだけの力の差を見せ付けられておいて、どうやってアレを倒せばいいのだろうか。
「此処は……!」
周囲を見渡したカイトは、この場所に見覚えがあった。それは一度見たら二度と忘れられない場所である。
「次元トンネル……! 馬鹿な。あの攻撃で無理矢理次元の扉を開いたってのか!?」
「じげんとんねる?」
間の抜けた声でエイジが問い返す。
聞いた事が無い単語に彼は戸惑うばかりだ。
「……簡単に言えば、パラレルワールドへ続く道だ」
「ああ、成る程って何ぃぃぃぃぃっ!?」
ワンテンポ遅くエイジが驚きのリアクションを取ってくれる。そもそもパラレルワールドの意味を分っているのかも疑わしい。
パラレルワールドとは簡単に言えばこの世界とは違う別の世界の事だ。
嘗て彼等と戦ったシャドウミラーもこのパラレルワールドの一つからやってきた勢力である。
「と、言う事はこのまま行くと僕達は別の世界へと旅立っちゃうってことかい?」
「その時まで生きていればそうなる。ここは比較的時空の流れが安定しているっぽいしな……納得できないが」
そういいながらカイトはジーンΧを睨んだ。
それに対して、彼はこう答える。
「俺の能力は生まれ変わった。コアを二つ取り込む事によって、時空すらも超越する力を手に入れたのだ。これで全時空は俺のものになる」
だが、それでもカイト達が生きているのは誤算だった。
本来のカオス・ボンバーなら簡単に彼等を消し飛ばすくらいは出来たはずなのだが、やはりあのカイトの必死の抵抗が威力を少しだけ弱らせたのだろう。
「だが、貴様等が死ぬ事には変わりない。単に舞台が変わっただけだ」
ジーンΧは不敵に笑う。
その言葉にエイジもシデンも返す言葉が無かった。
例え生きているにしても奴の実力が恐ろしい事には変わりが無い。
何せ、二人ともただのパンチの一発で負けてしまったのだから対策法がまるで無い。
「舞台はそろそろ幕を閉じる。――――どっちが負けるのかは分らないがな」
しかし、何故かこんな状況でもカイトは不敵に笑っていた。単なる負け惜しみではない、何かが自信となって彼の瞳に現れている。
「何?」
彼の言葉に反応するのはジーンΧだけではなくエイジとシデンの二人もだ。
だってそうだろう。
このジーンΧの恐ろしさを一番よくわかっているのは他ならぬカイトのはずだ。
何せ、彼等が此処に来る前にジーンΧと戦っていたのは他ならぬ彼なのだ。
しかもボロボロだった。
更に言わせて貰うならば先ほどダーインスレイヴの二大最強技であるジェノサイドミーティアにインフェルノ・スマッシャーを連続して放ってもジーンΧが軽く放ってくれるカオス・ボンバーを止める事は出来なかった。
しかも「ちっくしょおおおおおお」とか言いながら攻撃を受けていた。
これで何故、こんな状況でこんな事がいえるのだろうか。
「失敗だったな。俺をこの場所に送ってくるとは……」
カイトは不敵な笑みを更に増してジーンΧを見る。やはりその左目の瞳には闇色の力が満ちている。が、それとは別に限りなく燃える闘志が見える。
「邪眼って、生き物の負の感情を闇のエネルギーに変換する代物だってのはお前等皆知ってるな。それじゃあ、この様々な世界を行き来するこんな場所で思いっきりかき集めたら………どうなるかな?」
「――――――あ」
思わずエイジとシデンはハモッた。それも学校の音楽の先生が思わず拍手を送ってくれそうなくらいにナイスタイミングである。
彼等が使う光眼とは違い、カイトが使う邪眼は他の生命からかき集めて使用するものなのだ。つまり、かき集めた負の感情が多ければ多いほど邪眼をエネルギー源とするダーインスレイヴは強くなるわけである。
だが、これをやると本当に身体に負担がかかるのだ。
何せ単に邪眼を使うだけで強烈な頭痛と吐き気のダブルコンボが襲ってくるわけである。これで複数のパラレルワールドから思いっきりかき集めたらどうなるのか分ったものじゃ無い。
最悪、更に寿命が縮まるかもしれない。
下手したら負担に耐え切れずに彼の心臓であるコアが破裂するかもしれない。
だが、折角のジーンΧを倒すチャンスなのだ。
ここでやらねば死んだゼッペルやアルフレッド達にいずれあの世で会うであろう顔が無い。
「集中―――――!」
流石に複数の世界からかき集めるとなれば時間がかかる。
一分でも一秒でも惜しい状況なのだ。
「させるかぁぁぁぁぁ!!」
ジーンΧも危機感を得たのだろう。
その図体には似合わないスピードで迫る彼の顔には明らかに焦りの表情が出ている。
「ダイヤモンドダスト・カノン砲!」
しかしそんな彼の足が突然冷え出していく。
それはアークブレイダーの胸部から放たれた冷気の大砲である。
「やらせないよ……!」
「お前には、貸しが―――――」
すると、今度はソウルサーガが突っ込んでいく。
彼の狙いは氷付けになったジーンΧの巨大な右足だ。
「あるからなああああああああああ!!!」
猛烈な勢いで刃をフルスイング。
ジーンΧはソウルサーガを振り解こうとするが、自身が余りにも大きくなりすぎた。
もうスイングすれば足に攻撃できる彼の攻撃を食い止めることはできない。
スイングされた刃は氷付けになった右足に命中。
一瞬にしてジーンΧの右足を脆いガラスのように砕く。
「ぬおおおおおおおおおお!?」
いかに液体金属の身体であろうともこれは痛い。
しかも普段から痛みを感じる事が無いのだから更に強烈なダメージを感じるのだ。
「おのれええええええええええええ!!」
すぐさま足を再生させたジーンΧは、まるで缶蹴りのようにしてソウルサーガを蹴り飛ばすべく、足を振るう。
「冷えた後はやっぱ熱くなりたいだろうよ!」
しかしソウルサーガはこれを迎撃するべく、刃を振るった。
その刃から吹き出されるのは他ならぬ灼熱の炎である。
「ヘルファイア! 地獄の炎で燃え尽きろ!」
その強烈な熱に触れたジーンΧの足は一瞬にして溶け始める。
「ちぃ!」
それならばとジーンΧは両手をソウルサーガとアークブレイダーの前にかざす。
其処から放たれるのは無数のビームの雨だ。
「うお!」
間一髪で攻撃を中断して回避に成功。
ソウルサーガとアークブレイダーはすぐさまジーンΧから離れる。
やはり能力を行使する事によって多少は液体金属の敵と有利に戦えるとは言っても、火力の差は歴然としている。
一発でも喰らったらその場でアウトだ。
しかもこんな空間の中で戦っているのだから脱出だって出来やしない。
「逃げ場なしとはね……!」
シデンは半ば呆れたように言う。
「なら、逃げ場があると仮定してお前は逃げるのか? あんなデカブツが追ってきて、何時殺しに来るかわから無い状況なのに」
「まさか。―――戦うのさ! 彼がそうしたようにね!」
ビームを避けながらもエイジとシデンはそんなやり取りをしていた。
何故この状況でこんなやり取りが出来るのか不思議なものである。
しかし、その二人の後ろで、黒いオーラを体中に纏いながらダーインスレイヴが起動を始めた。
そこから放たれる強烈な黒いオーラは今までのダーインスレイヴの比ではない。
最早右腕と右翼が無いなんて考えていたら120%返り討ちに会うのがオチだ。
それだけの脅威の存在となったのだ。
「ぐ……あ!」
しかしコクピット内にいるカイトに襲い掛かる負担は並大抵ではない。
何せ、闇のエネルギーが邪眼から溢れ出ているのだ。
その証拠として、左目の瞳から、まるでピエロのメイクのように黒い入れ墨の様な物が出来上がっている。
「ジェノサイドォォォォォォ……」
カイトは血液が逆流しているかのような不快感を得ながらも、必殺の一撃を放とうと左手をジーンΧの前に出す。
「させるかぁぁぁぁぁぁ!!」
流石に恐怖感を得たのだろう。
ジーンΧは先ほどまでアークブレイダーとソウルサーガに向けていたビームの砲身である指先をダーインスレイヴに向ける。
しかし、それはダーインスレイヴに届く前に弾ける。突如としてダーインスレイヴの前に出現したオーラによって全て弾かれたのだ。
「すげぇ、壁までパワーアップしてやがる……」
この時、エイジの目にはカイトが別の世界の人間のように見えた。
まるで住む世界が違う、と。そう思ったのだ。
そんなカイトの―――――ダーインスレイヴの左手に緑色の光球が宿る。
それはどんどん大きくなっていき、最終的には10m程の大きさになった。
「ミィィィィィィティアああああああああああああっ!!」
渾身の力をこめて放たれたジェノサイドミーティアは、大きさは小さいがそれでもジーンΧを飲み込む事に成功するならば確実に消し飛ばす事が出来るほどの破壊力を秘めている。
それこそ液体金属だろうがなんだろうが関係ない。再生する前に全てが消し飛ぶのだ。
「カオス・ボンバー!!」
しかしジーンΧは一瞬でそれを見破った。
このままむざむざと破壊される事を望まない彼は特大のカオス・ボンバーを放つ。
緑色の光球と黒の巨大な球体がどちらからでもなくぶつかる。
その衝撃を押さえ込むようにしてダーインスレイヴとジーンΧはそれぞれの技を放った手に力をこめる。
これは力と力の押しあいだ。
ここで負けたほうが敗北するのだ。
此処でカオス・ボンバーとジェノサイドミーティアが混ざった衝撃を受けたら最期。もう再生すら出来ない。
「うおおおおおおおおおおおおお!!!」
だが、不利なのはカイトだった。
体中に走る不快感に押されながらもこの押し合いをしている彼は二重の敵と戦っている事になる。その分、彼は不利と言えるのだ。
「俺の勝ちだ!」
カイトの押しが弱まってきた。
その隙を逃さないジーンΧは一気に力をこめてくる。
「ぬ……!」
少しずつではあるが確実に押されている。
このままでは二つの衝撃を同時に身に受けて、完全にこの世から消え去ってしまう。
「く……っそ!」
ここまでなのか。
もう二度と、あの家族がいる家に帰る事は出来ないのか。
そして預かり物を返す事も出来ないまま消え去ってしまうのか。
「諦めるな! 馬鹿カイト!」
すると、ダーインスレイヴの横から彼に渇を入れる声が聞こえてきた。
エイジが乗るソウルサーガだ。
「そうだよ、僕達だってちゃんといるんだからね」
その横でダーインスレイヴを支えるようにして浮かんでいるのはシデンが乗るアークブレイダーだ。
「お前等……!」
「こんな時ぐらい、皆で決めてもバチは当たらんぜ」
「そうだよ、もう一度三人一緒で勝とうよ」
二人の瞳に光が宿る。
それは他ならぬ光眼の発動を意味するものだ。
「……いや、四人で、だ」
カイトは懐からある物を取り出す。
それは、今はもう動く事が無いゼッペルの心臓であるΩコアだ。
「ゼッペル……この際、一緒にやろう。お前の悔しい分も一緒にしてあいつにぶつけてやる!!」
この時、カイトは思った。
(もしかしたら恐かったのかもしれない。こんなにいい連中が、俺みたいな奴の事を大事に思ってくれることが)
だから避けてしまったんだろう。
だからつい巻き込まないようにしたい、と思ってしまったのだろう。
(だけど………頼るのも悪くは無いんだよね。――――結局、分ってなかったのは俺か)
それはそれでお笑いだ。
大切な物を失う事を恐れ、離れていく事を恐れた結果、彼は自分から離れていく事を決意したつもりだった。
しかし結局、決別できなかった。
何故なら、それはとっても大切な宝物だから。
その宝物は自分にとってはかけがえの無い物なのだ。だからこそ手放す事は出来ないのだ。
「行くぞ! お前等、集中しろ!」
次の瞬間、アークブレイダーとソウルサーガは手をジーンΧに向ける。
「………!」
ジーンΧは異変に気付いた。
それは押していたはずの衝撃がこちらに押し返されている事である。
「今にして思えば、お前も連邦の支配欲に巻き込まれた被害者、か。………もしも、輪廻っていうのがあるのなら、今度はもうちょっと別の形で会おうな」
カイトが言ったと同時、衝撃はジーンΧに襲い掛かる。
それは再生させる時間も、最期の叫びをあげる時間も無く、彼の身体を一瞬にして消し飛ばしてしまう。
「終わった……ようやく、終わった」
短いようで、とても長い戦いがようやく終わった。
それを実感した瞬間、彼等を迎えるかのように次元トンネルの終点が見えた。
それはとても光り輝いており、そして何よりとても暖かかった。
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