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紫色の月光
後編
ビルの中に響く自身の足音が妙に耳障りである。
その発信源のネルソン・サンダーソン警部とジョン・ハイマン刑事は宇宙人と交渉するという、多分人類初の試みを行おうとしているのだ。
「……誰もいませんね、警部」
不意に、ジョン刑事は隣に居るネルソンに話し掛ける。
「そうだな、ション。…………!?」
そこで、何故かネルソンが何かに気付いたかのような表情になる。
はっきり言うと、無意味に物凄いリアクションだ。漫画だったら間違いなく背景に雷が落ちているだろう。
「どうしたんですか?」
「………ジョン」
ネルソンはやたら真剣な顔つきになってジョンを見る。額はびっしょりと汗でまみれている。
「……………トイレは何処だ?」
何だか物凄い顔の割には言う事がちっぽけの様な気がした。
「………奥行って右です」
「そうか! じゃあ、ちょっくら行ってくる!」
まるでカートゥーン映画に出てくる主人公のように彼はトイレに向かって走っていく。何となく、ネルソンが先ほどまで居た位置から涼しい何かが感じられる。
果たしてこれがネルソンの脚力によって作られたものなのか、それてもジョンの一人ぼっちの背景のために神様が作った演出なのかは分らない。
ただ、世の中に神様が居るとしたらこの理不尽すぎるジョンの周囲の光景を何とかしてもらいたいというのが彼の願いであり、それが叶えられていないと言う事は恐らくは後者ではなく前者なのだろう。
「…………そういえば、あれって言葉が通じるのかな」
ここでジョンはとても大切な事を思い出した。
交渉するというのならどうあっても言葉を通じさせる事が大事である。
しかし、問題があるとしたら向こうが果たして地球語を話すことが出来るのか、と言う事である。
英語、中国語、フランス語、日本語、ポルトガル語、ロシア語、エトセトラと地球には様々な言語があるのだが、あの宇宙人がこれらを知っているとは思い難い。
「やっぱり……此処はジェスチャーで表現するべきでしょうかね」
まあ、言葉が通じないのなら勿論手話も通じないはずだ。
それなら行動で示すものである。
「…………」
しかし、ぶっちゃけるとどうすればいいのか分らない。
行動で示すと言っても、こちらに敵対意識が無いと言う事を示す場合、どうすればいいのだろうか。
「………!」
其処でジョンはある行為を思い出した。
それは握手である。
やっぱり友情の証と言えば握手だ。誰でもフレンドリーに行える行為で、間違っても敵同士で行う事は無いだろう。
「そうとなれば、早速実行! 来るなら来い、宇宙人!」
ジョンが思いっきり叫ぶと同時、目の前に突然あの宇宙人が現れた。それこそ何の前触れも無く、だ。
「ぬおおおおおおおおおおおおっ!?」
驚きのあまり、思わず『シェーッ』の格好で飛び退いてしまったジョンは深呼吸をして自身を落ち着かせる。
自分が呼び寄せたんだと言うのに、あんまりだ。
(落ち着け、落ち着くんだ、ジョン・ハイマン! 警部が居ない今、自分がやるしかないじゃ無いか!)
気合を入れなおしたジョンは自身の頬を引っ叩くと突然現れた宇宙人に向かって振り返る。
しかし次の瞬間。
「……………」
ジョンの目は一瞬にして点になった。
疲れているのか、気のせいなのかは分らないが宇宙人の数が増えているように見えるのだ。しかも次々に消えては増えるそれは何処と無く忍者が使うと言う『分身の術』をイメージさせる。
「あ、あらぁ~?」
周囲360度を宇宙人に囲まれては耳障りな宇宙人の声がジョンの脳内に響く。
想像を絶する光景である。
「え、ええと………ほわああああああああああああああっ!?」
ジョンはまたしても飛び退いた。
宇宙人が再び一体になってジョンの隣に居るからである。
「―――――――」
しかし、ジョンは気付いた。
宇宙人が手と思われる右のハサミを差し出しているのである。
(こ、これはもしかして握手をしようと?)
実際はどうなのかよくわからないが、取りあえずそうだというのならそうなんだろう。
やはり握手すればどんな奴とでも分かり合えるはずである。
しかし、手を差し伸べた瞬間、ジョンは気付いた。
向こうの手はハサミと言う事に。
「…………………」
正直、痛いんじゃないかな、と思った。
しかし此処でやってみるのがチャレンジ精神というものである。
「……………」
ジョン刑事は宇宙人と握手をするべく、手をさし伸ばす。
すると、向こうも理解してくれたのか、右手のハサミを伸ばす。
次の瞬間。
「痛あああああああああああああっ!!」
ジョンの手は見事に挟まれた。
それこそジャンケンの勝敗の如く。完全なる敗北の形式図である。
「いちちちちちちち……………」
痛い握手である。
多分、握手でこれほど痛い思いをしたのは彼が初めてであろう。
「…………ん?」
しかし、そこでジョンは気付いた。
宇宙人がまたしても何時の間にか消え去っているのである。
神出鬼没とはまさにこのことを言うのだろう。
「………!」
しかしそれとは別にもう一つの気配がする。
しかも、それは確実に此処に近づいてきている。
次の瞬間、ジョンはいきなり後ろから何者かの手によって口をふさがれた。
「騒ぐな、奴にばれたら面倒だ!」
しかし、よくよく聞いてみればそれは怪盗シェルことエリック・サーファイスの声であった。
「ふご!? ふみょのむも!?」
因みに、口をふさがれているので今の彼が何をいっているのかは分らない。
「ええい、喋るなら地球語を話せ! 俺は宇宙語は知らん!」
そうしているのはあんたでしょうが、とジョンは突っ込みたいが、ついついマヌケな声になってしまう。
と、そんな時だ。
かつん、かつんと足音が響いてきたのだ。しかもそれは確実にこちらに向かってきている。
「………おい、ネルソン警部はどうした?」
ようやく開放されたジョンは深呼吸をしながら答えた。
「トイレ………にしては目茶苦茶長い」
「残念ながらそのトイレです」
「…………」
エリックはついがっくりと肩を落とした。
「………ん?」
しかしそこで彼は気付いた。
近づいてくる足音の正体に、だ。
暗闇の中から現れたそれは見間違える事が無い、切咲・狂夜の姿である。
「キョーヤ?」
しかし、よく考えても見る。
狂夜は前回、宇宙人の怪光線を浴びて体が固まったのではなかっただろうか。
しかし今の彼はピンピンしている。それどころか普通に歩いてこちらに向かってきている。
強いて不自然だと思われる点は一つ。
妙に無表情と言う事である。
「……………」
沈黙。
狂夜はエリックとジョンの間近まで来ると、その歩を止め、静かに口を開き始めた。
「君達の言葉は非常に分りにくい。だから、私はこの男の脳髄を借りて、君達の言葉を使う」
いきなりの予想外の一言にジョンとエリックは呆気に取られてしまう。
しかしエリックの頭の回転は案外速い。
「……つまり、ジョン刑事と話してみても何言ってるのか分けがわかんなかったから狂夜の身体を借りたわけだ」
情けない事実である。
しかし先ほどからジョンがまともに宇宙人と交わした会話と言えば奇声ともいえる叫びだけである。これでは何を言ってるのか分けが分らないであろう。
「……申し訳ないです」
ジョン刑事は本当に申し訳無さそうに頭を下げる。
それは自分への不甲斐なさと向こうに上手く意味を伝える事を出来なかった事に対する謝罪の意も含まれている。
「まあ、宇宙人とコミュニケーションとろうとする場合、何すればいいのかわかんないよな。……寧ろ、殺されかけた経験あるし」
気楽に言うエリックの神経がよくわからない。
まあ、犯罪者の神経がまともだったらそれはそれで困るのだが、それでも限度と言う物があると思う。
殺されかけた事をこんなに気楽にいえる奴なんてそうはいないだろう、多分。
「うむ、しかしコミュニケーションは大事だぞ」
すると、そんな二人の後ろから良く聞いた事がある声が聞こえてくる。
ネルソンだ。
しかも、どういうわけか彼はトイレットペーパーまみれである。
「………どーいう使い方したんだよ、あんた」
まあ、これは誰もが思う疑問だろう。
特に、まるでターバンの様に頭にグルグルとトイレットペーパーが巻かれているのは退いてしまう。
「何、ジョンの悲鳴が聞こえてきた物だから急いで用を足そうと思ったんだが、途中でバナナの皮を踏んで転んでしまってな。その時に包帯男のようにグルグル巻きになってしまってこんな感じになってしまった」
しかしトイレットペーパーなんだから迫力が無い。
と言うか、それこそどういう転び方をしたらこうなるんだろうか。今世紀トップクラスの謎である。
そんな謎を残したネルソンはエリックを見てから静かに言う。
「安心しろ、今回の標的はあくまで宇宙人だ。貴様の逮捕はこいつの相手が終わってからだ。………それに」
「それに?」
「今回は、至るところにバナナをしまいこんだ為、手錠は持ってきていない。詰まり、逮捕する事が出来んのだ」
ジョンとエリックはその場で『ズダーン』と激しい音を立てて倒れこんだ。
警察官なのに手錠を持ってきていないのは色々と問題があるような気がする。しかもバナナよりも持ってくる優先順位が低いと来た。
こんな警察官がいてもいいのだろうか。
「さあ、宇宙人。話を聞かせてもらおうか。先ず、お前はどういう経緯でこの星にやってきたのだ?」
そんな大問題な警察官、ネルソンが狂夜に話し掛ける。
すると宇宙人の言葉を代弁する狂夜は無表情なまま質問に答える。
「私がこの星へやってきた本来の目的は、宇宙船の動力源を取り戻す為だ」
「動力源?」
「そう、私は此処から遠く離れたバルタン星から宇宙旅行を楽しんでいる途中、宇宙船のトラブルで動力源をこの星に落としてしまったのだ。その為、私はこの星で動力源を探し回っている」
動力源と言われたらネルソンの頭の中には一つしか出てこない。
それは他ならぬバナナだ。
彼は徐に懐からそれを取り出そうとして、
「止めてください、警部。120%信頼を失うと思いますから」
ジョンに止められた。
ネルソンは残念そうな顔をすると、再び狂夜と向かい合う。
「では、このビルにいる理由は?」
「動力源の反応を近くで感知したからだ」
そこで、今度はエリックが狂夜に向かって言った。しかし今の彼から見れば目の前にいる狂夜は宇宙人に他ならない。彼が知っている狂夜ではないのだ。
「じゃあ、此処にいる人を襲った理由は? そして俺達を襲った理由は?」
狂夜はしばし沈黙した後、無表情なまま答えた。
「それは、君達のうちの誰かが動力源を持っているからだ。そう反応している。しかし、誰が持っているのかは分らない」
では、動力源を奪われるのを恐れた彼等は手当たり次第に攻撃した、と言うのだろうか。しかしそれは言い方を変えれば『それだけ奪われたくは無い物』と言う事になる。
「それでは、君はその動力源を再び手に入れたら星に帰るのか?」
「………いや。我々は、このまま地球に住むことにする」
ここで話の流れからして予想不可能な衝撃的な発言が飛び出した。
「な、何でだよ!? 動力源さえあればお前は帰れるんだろうが! それでめでたしめでたしじゃ無いのか!?」
「……我々の星。バルタンは、つい先日、ある科学者の核実験のために爆発した。その為、私の様に宇宙を漂流している者が数多くいる。だから、私はこの星を制圧し、バルタンの物とする」
「な……!」
その凄まじい発言を聞いたからには黙って入られない。
「……共存の道と言うのは無理なのか?」
「何を言う。地球人はこの星をどんどん汚していき、そして破壊している。そんな連中と一緒に生活なんて出来はしない。それならば、地球人を全滅させ、その後にバルタンの科学力で地球を再生させる!」
全てを拒絶するかのように言ったその一言を最後に、狂夜は床に倒れた。
まるで操り糸が切られたかのように。
「キョーヤ!」
倒れた狂夜の元にエリックが向かう。
脈はある。心臓も動いている。つまり、ちゃんと生きている。
「よかった……」
しかし、安心したのも束の間。
彼等をあざ笑うかのような宇宙人の声がビル内に響いたのだ。
「出やがったな……!」
エリックの目は先ほどのおちゃらけな目から一瞬にして鋭い目つきに変わる。それは敵を見る目に他ならない。
「――――――――」
それに応える様にして暗闇の中からバルタン星からやって来た宇宙人、バルタン星人がゆっくりとその姿を現した。
「……やってやろうじゃねぇか!」
エリックの手に槍の柄が握られる。
その穂先が向けられる先にあるのはバルタン星人の頭だ。
「脳天ぶち抜けやぁああああああああああああっ!!」
その超高速のスピードで突き出される穂先はそのままバルタン星人の頭部に突き刺さる。
(手応えアリ!)
思わずにやり、と笑うエリックだったが、どういうわけかバルタン星人の姿が突然消え去った。それこそ何の前触れも無く、一瞬で消え去ったのだ。まるで最初からその場にいなかったかのようである。
「何!?」
そんな馬鹿な。
確かに突き刺した感触はあったはずなのに。
エリックがこの事態に混乱していると、突然彼の背後に現れたバルタン星人の右ハサミが彼の脳天に炸裂した。
「が――――――!」
その不意を突かれた攻撃によってエリックは簡単に倒れこんでしまう。
「――――――――」
勝利に酔いしれたのか、バルタン星人は不敵に笑う。
しかし、次の瞬間。
「とうりゃあああああああっ!!」
後ろからネルソンがバルタン星人に飛び掛る。
その攻撃方法は彼の十八番である鉄拳である。
「――――――!?」
今度は自分が不意を突かれたバルタン星人は、その一撃をモロに受ける。
その衝撃により、床に倒れこむバルタン星人だったが、素早く起き上がると同時、一瞬にして自身の分身を作り出した。どうやら一気にケリをつける気のようである。
「む!?」
この光景に驚いたネルソンは一歩退くが、彼の闘志の炎は消えはしない。
「ならば!」
ネルソンは自身の両手の拳を前に突き出すと同時、力強く叫んだ。
「へぇぇぇぇぇんしぃん! ポリィィス、メェェェェェェェェェェン!!」
その叫びが終わると同時、ネルソンの身体が光りだす。
余りの眩しさの為、思わずジョンや2体のバルタン星人は目を閉じて動きを止めてしまう。しかしそれだけで十分だった。それだけの時間さえあればネルソンは正義の味方、ポリスマンに変身できるのだ。
ヒーローに欠かせない赤いマスク、逞しい筋肉の形が明らかに分るボディー、そして胸に大きく『正義と愛』と書かれており、両手の甲には『G』と書かれている。
これらのトレードマークを持つポリスマンは、この姿になる事でネルソンの時の数倍のパワーを出せるようになるのだ。
「よし! 調子は良好、パワーも全快! 明日の天気は勿論晴れだけど明後日も晴れ!」
何が言いたいんだろうか、とジョンは思った。
「行くぞ、宇宙人!」
ポリスマンは分身した事により、2体に分裂したバルタン星人の元へと突っ込んでいく。彼の攻撃方法はその肉体を使った拳と蹴りだ。銃なんてものは装備していないのである。
「――――――」
二体のバルタン星人はポリスマンに向けてハサミを開く。其処から放たれる光は容赦なくポリスマンに襲い掛かるが、彼は『それがどうした』とでも言わんばかりに次々と拳で弾いていく。
「うおおおおお! 受けろ、必殺! スーパーナッコォっ!」
襲い掛かる光を弾き終えた彼はそのままバルタン星人に拳を突き出す。
その一撃を受けてしまったバルタン星人は簡単にぶっ飛ばされてしまい、派手な音を立てながら床に叩きつけられる。
それと同時、叩きつけられたバルタン星人の姿がふっ、と消え去った。どうやら分身の方を倒したようである。
「ならば!」
ポリスマンは本体の方に振り返る。
「――――――――――」
バルタン星人はハサミを構えて戦闘態勢を整えた。
「…………つおりゃああああ!!」
ポリスマンがバルタン星人に飛び掛る。
それと同時、バルタン星人の姿が一瞬にして消え去った。瞬間移動能力である。
「ぬ!?」
バルタン星人が先ほどまでいた場所にポリスマンは着地する。
それと同時に彼の背中に激しい痛みが走った。
「ぬお!」
その原因は背後から突然現れたバルタン星人による蹴りだ。
その行動の後、バルタン星人はハサミから次々とビームを放つ。
「ぐあ!」
そしてポリスマンはそれらを全部マトモに受けてしまう。
背中に突き刺さるようにして受けたダメージの前に、ポリスマンは床に倒れこんでしまう。
「―――――――――」
バルタン星人はまるで勝利に酔いしれるかのようにして笑っている。
そしてそんなバルタン星人の恐るべき能力の前にポリスマンは成す術がなかった。
「くそ……! 俺は負けられん、俺は……!」
しかしポリスマンは力一杯立ち上がる。
確かに地球のことを考えれば、バルタンの言うように人類は滅ぶべき存在なのかもしれない。
環境を次々と破壊していき、限りある資源を容赦なく食い尽くしていく。
これでは地球は何時か死の星になるだろう。
現代の問題である環境汚染や地球温暖化と言った問題はまさしくそれである。
しかし、それでもポリスマンは人間が好きだ。
そんな大好きな人間を絶滅させると言うのならばこの身をかけて戦おう。
それがポリスマン、ネルソン・サンダーソンと言う男なのだ。
「お前も必死なんだろう、何と言っても帰るところが無いのだからな。しかし!」
ポリスマンは拳をバルタン星人に向けて言う。
「それでも、俺は人類が好きだ!」
ポリスマンはバルタン星人を睨むと、強く拳を握り締めた。
そしてそのままバルタン星人に向かって突っ込んでいく。
「―――――――」
しかしバルタン星人はやはりその瞬間移動能力でポリスマンをかく乱する。
それだけで向こうはこちらを見失う事を知っているからこそ、この行動が出来る。
しかし、ポリスマンは気付いている。
バルタン星人は瞬間移動するたびにある位置に出現している事に、だ。
「とぉ!」
ポリスマンは跳躍する。
それと同時、先ほどまで彼がいた場所に無数の光が飛んで来る。
それは背後からポリスマンを倒す為にバルタン星人が行った行動である。
「残念だったな! 行動がパターン過ぎた!」
そう、さっきからバルタン星人は瞬間移動するたびに後ろから攻撃しているのだ。
これを見抜いたポリスマンはすかさず反撃に出た。
「行くぞ、必殺!ジャスティィィィィィスっ、キィィィィィィィィック!!」
ありがちなネーミングだが、それでもポリスマンのボディは技名に応えてくれる。
突き出された右足は強く、そして大きく光り輝き、まるで彗星のようにバルタン星人に向かって突撃していく。
「――――――――!!!?」
バルタン星人の腹部に突き刺さるようにしてキックが炸裂する。
その瞬間、バルタン星人の体中を光が駆け巡る。まるで電流でも駆け巡るかのようだ。
「――――――――――!」
次の瞬間、バルタン星人が大きく爆発した。
それこそ跡形も無く、だ。
「………」
しかし、ポリスマンはやり切れない感情で一杯だった。
何故なら、向こうも向こうなりに必死で地球のことを考えていたのもまた事実だからだ。
「…………警部」
「ジョン、宇宙人は倒した。そこで寝ている怪盗を逮捕しろ。――――帰還するぞ」
「あ、いやー……実はその怪盗が何処にもいないんですけど」
エリックはどさくさに紛れて狂夜を担いでビルから逃げ出していた。
正直に言うと、宇宙人と戦ってからネルソンに追いかけられるのも疲れるから逃げたわけである。
「………どーしよーかねぇ、コイツ」
彼の手の中にはバルタン星人が言っていた動力源こと『銀河の涙』が握られている。
今回の騒動は元はといえばこれのせいなわけだ。流石にそんな物を何時までも持っているというのは少々気が引ける。
「……ま、持っておくとするか。その内、役に立つかもしれないし」
しかし流石に泥棒なだけあって返す気は無い。
尚、この黒い宝石が本当に役に立ったのかどうかは別のお話である。
最終兵器リーサルウェポン 外伝
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