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紫色の月光
第二話「美少女男」
<R・J社支社>
此処はR・J社ことリヴァレス・ジェード社の誇る支社の一つである。さり気無く海上都市として設立されている場所にある為か、この支社は近所の漁師さんたちと仲がいい。
「おーい、ちといいかい?」
そんな支社に一人の男が来ていた。髪の毛の色は燃えるような赤。身長は180cmオーバーで、まるで恐竜の様な鋭い目つきをしていた。彼の名前は柳・栄治。全身ボロボロのその姿が今までの彼の苦労を物語っている。
「はいはいっと。何の用ッスか?」
そんな彼の前によくわからない生命体が現れた。いや、ぶっちゃけると生命体なのかどうかも怪しい。寧ろ社内にいる誰かが動かしているラジコンとか言うのが当てはまりそうな気がする。……に、しては気持ち悪いくらい動きがリアルだが。
「……え、ええと。実は人を探してるんだけど」
栄治はコートの胸ポケットの中から一枚の写真を取り出した。それには栄治を含めた三人の人物が写っている。
「ええと、真ん中にいる奴は俺で、その右と左に写っている奴を探してるんだ。何か知ってたら教えてくれないか?」
何故の生命体のような社員はその写真を手にとってじっくりと睨めっこする。しかし数秒もしない内に見知った顔がいるのに気付いた。
「あれ? これは快斗さんッスね。お兄さんこの人の知り合いッス―――――」
か、と言いかけた瞬間、栄治が社員を人間とは思えない力で掴んだ。正直言うと目茶苦茶痛い。
「何処だ!? あの馬鹿は今何処にいやがる!」
「ちょ、痛いッス! マジで痛いから離して欲しいッス!!」
栄治が掴んでいた手を離すと、社員は一旦深呼吸をする。
「ふぃー………見知らぬ人にこんな目に合うのは久々の様な気がするッス」
久々の様な気がする、と言う事は恐らくは過去にもあったんだろう。どれだけ哀れなんだろうか。
「……あれ?」
しかし次の瞬間、この社員は写真に写っている3人目の人物の存在に気付いた。しかもこの人物も知っている。何故なら、つい最近出会ったからだ。
「この青髪の人も最近見たッスね」
「何だと!? ソイツも何処に居やがる、この謎の生命体!」
栄治は謎の生命体こと社員を思いっきり引っ張っては叩いている。しかも目茶苦茶痛い。
「あ、ちょっと! 言うから離して欲しいッス! いや、つーかマジで痛いから止めて欲しいッス!」
「じゃかしゃい! 早い所吐きやがれこの謎の生命体め!」
そういうと、栄治は更に力をこめて謎の社員を引っ張った。余談だが、その社員は引っ張られたと同時、まるでトルコ風アイスのように良く伸びたと言う。
○
<****街>
快斗は周囲の民間人の皆様の視線を浴びながら昼の街の中を歩いていた。
何故視線を浴びているのかと言うと、彼の連れが異常と言ってもいいほどの行為をしていたからだ。
「し~ん~よ~う~さ~ん~お腹空きま~し~た~…………」
涙目になりながら快斗のジージャンを引っ張っている金髪の美女。こんなことを言うのもなんだが、これで注目するなと言うのが無理な話だ。
「ええい、離せ! このジージャンはお気に入りなのだ! 破く気か貴様!?」
「ふえええ! お腹が空いて動けましぇ~ん!! 何処かレストランにでも連れて行ってくださ~い!!」
金髪の美女、リディアはマジで泣いていた。それだけに周囲からの視線は痛い物なのだが、
「ええい、20分前に食ったばっかだろうが! まだ食うのか!?」
「でも、まだお腹は空いてます~!!」
実は彼らは既に昼食を近くのラーメン屋で済ませていた。しかし先ほどからリディアが子供みたいに泣きながら何かを食べたがっているのである。
「ええい、貴様の腹の中はブラックホールか!?」
「違います! 敢えて底なし沼と言ってください!」
どっちにしろあまり変わらないような気がする。
「………何やってるんだ、お前」
すると、そこに快斗の耳に聞いた事がある声が聞こえてきた。彼は声がするほうへと振り返ってみると、そこには長髪をリング状の物で纏めている男がいた。
「……ユウヤか。何の用だ?」
「いや、何の用って……お前、そんな可愛い娘連れて何やってるんだ?」
「見てのとおり。コイツがさっきから飯食いたいだの腹減ったのだと騒いでいてな………全く、軟弱者めが」
さらりと酷いことを言ってくれる。
「ふ~ん……お前の彼女か?」
ユウヤの何気ない一言に快斗はゆっくりと振り向いた。
「んなはずねぇだろう。……それはそうと、お前は何してるんだ? 確か、この時間帯はファミレスで働いてるんじゃなかったけか?」
「普段ならそうなんだけど……実は、お前の所の本社からちょっとした依頼を受けていてな。―――――行方不明になったリオンを探してくれ、とさ」
その話なら快斗も聞いている。リオンはかれこれ1週間ほど前から行方がつかめなくなっているのだ。こんな事になっているのだから本社に関連していなくても民間のニュースで報じられる。しかも最近は行方不明者が多いのだから尚更だ。
「リオンの行方がさっぱりだからアルエも元気が無くてな。このまま放って置いたら精神狂うんじゃ無いかと思うくらいで」
そいつはかなり重傷なような気がする。まあ、それも仕方が無い。リオンはアルエの恋人なのだ。人間じゃ無いけど恋人なのだ。愛にそんな事は関係ない事が立証されたわけである。
「成る程。……だが探すのはリオンだけではない」
「へ? まだ行方不明者がいるのか?」
「ああ。昨日、本社から連絡があってな……イグルも行方不明になったそうだ。正にミイラ取りがミイラになりやがった分けだ」
「イグルも? ……そいつは穏やかじゃ無いな。最近行方不明者が続出しているだけあって」
ああ、と快斗が頷くと同時、彼のジージャンを引き裂く勢いで後ろにいるリディアが彼に訴えてきた。
「お腹が空きましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」
○
<十数分後 とあるファミレス>
「美味しいです~♪」
店内でリディアの満足な声が響く。彼女は口の周りをハンバーグのケチャップまみれになりながらもそれを一生懸命食べていた。まるで餌を与えられた子犬である。
「……………これで満足か?」
リディアの向かいの席に座りながらメロンソーダを飲んでいる快斗は呆れた目で彼女を見ていた。それもそのはず。先ほど彼女はラーメンとチャーハンを盥上げているにも関わらず、何とハンバーグセットにステーキセット、更にはお子様ランチまで召し上がっているのだ。
これは快斗でなくとも呆れる。
「いえ! 次はこのスパゲッティー、超カルボナーラと言う物を頂きたいと思います!」
「まだ食うのかテメェェェェェッ!!!」
だん、と力強くテーブルを叩きながら快斗は立ち上がった。その顔は明らかに怒りと呆れが入り混じった顔だ。何と言う事だろう、こんな複雑な表情が出来るなんて。顔とは素晴らしい。
「い、いいじゃないですか! お腹が空いているんですから……!」
「何個食ったら気が済むんだよお前! 何処の戦闘民族だ! もしくはフードチャンプか!?」
最早自分でも何を言ってるのか分らなくなって来た。
「そうですね………後、14皿ばかし」
「………もういい。飯代お前が払え」
妥当だ。と言うか、そうでないと財布が持ちそうに無い。今の世の中、不景気でそんなに財布の中が暖かいわけではないのだ。
「え、ええと…………ゴメンナサイ! 後一皿にしますからどうか見捨てないでください!」
それでも食うのか、と店内に居る店員さんとお客さんと快斗は思った。
「あのー、追加、お決まりですか?」
そこに店のウェイトレスが話し掛けてきた。一言で言うと可愛らしい女の人である。
「ああ、確かカルボナーラ……って、ちょっと待て!」
しかしそのウェイトレスの声を、快斗は知っている。長い付き合いで間違えるはずが無いその人物の前に振り返った彼はあんぐりとした表情で呟いた。
「……紫伝。何やってるんだお前?」
○
<R・J社支社>
「うん、この人は数日前此処で働かせて欲しいって頼みに来たッス」
謎の生命体としか言えない社員の言葉に栄治が反応した。
「それで、結局どうなったんだ?」
「働かせてあげたいのは山々ッスけど、ウチはそんなに余裕は無かったッス。だからファミレスでウェイトレスでもやれば、ってアドバイスしたッス」
「……ウェイトレス、ねぇ」
確かに、写真を見た限りでは立派にウェイトレスをこなせそうな可愛らしい顔をしている。何せ、一言で言えば美女そのものだからだ。
しかし、栄治は複雑そうな顔をしていた。
「あれ? どうしたッスか」
「まあ、確かに……顔は女の子、だけどねぇ」
写真に写っている人数は3人。
一人は神鷹・快斗。もう一人は柳・栄治。
そして問題のもう一人、見るからに美少女と言えるその人物の名前は樹・紫伝。
正真正銘の『男』である。
○
<ファミレス>
「ほへ? お知り合いですか?」
間抜けな顔をしてリディアが快斗に問う。
「……知り合いも何も、十年代の友人だ」
その快斗の横でウェイトレスこと紫伝は唖然とした表情をしていた。この男がまさか自分が働くファミレスに客として来るとは思わなかったからだ。
「で、紫伝。話を戻そうか。何やってんだお前、そんな格好で」
天然記念物でも見るかのような目で快斗は紫伝を見る。周囲の皆様は見事に騙されているが、長い付き合いのこの男を騙す事なんてできない。そこで、紫伝はこっそりと快斗に、周囲の人間には聞こえない声で話し掛けた。
「だ、駄目だよカイちゃん! 僕は一応女として働いてるんだから……! 男だってバレたらクビだよ!」
「何だ、お前秘密にして働いてたのか?」
「当たり前だよ! 一応、もう君が喋っちゃったからこのまま友人と言う事でそのまま済ませるけど、名前は絵里で頼むよ! 一応、名札にも絵里って書いてるしさ!」
「分った分った……その代わり、後で色々詳しく話してもらうからな」
快斗の返答を得ると、紫伝は安堵の笑みを浮かべた。思わずくら、と来てしまいそうな眩しい笑みだが、一応これでも男である。
皆騙されてるのだ。世の中何があるのか分ったものじゃ無い。
○
<午後10時半 ファミレス周辺にある公園>
快斗はブランコに座って夜の公園の中で紫伝と会っていた。今の彼は女装ではなく、普通の格好である。しかし、やはりその青髪と尻尾のようにぷらんと右側頭部に垂れ下がっている金髪がやけに可愛らしい。
「で………実に数ヶ月ぶりの再会ってわけだが、お前は何やってんだ?」
快斗は半ば呆れた眼で紫伝を見た。因みに、リディアは既に一足先に宿に帰らせている。此処は二人で話をしたかったからだ。
「あの恐ろしいアルティメットジーンとの戦いからもうそんなに経ったんだね……確か、あの後僕等は何処だかよくわからない孤島に転移しちゃって」
「そう、そしてその後バラバラに行動した……俺は北に向かい、お前は西、栄治は東にそれぞれ移動した。……元の世界に帰る手段を探す為にな」
今にして思えばあの時良く生き残れたな、と快斗は思う。まあ、そう思うのは何時もの事なのだが。
それだけの激戦を生き抜いたのだ。
「実はあの後、僕は無一文になっちゃってね……悲しいけど、色んな所でお仕事しながら移動していったんだよ。何処の世界もお金が無いと生き残れないからね」
「……それでウェイトレスねぇ?」
「いやぁ、実は海上都市のリヴァレス・ジェード社の支社で働かせてもらおうかと思ったら、そこの変な生命体に『ウェイトレスでもしたら似合うと思うッス』とか言われたから……」
紫伝は笑いながら快斗に言うが、彼は笑えなかった。何故なら、その謎の生命体に心当たりがあるからだ。
「……あんにゃろ。余計な真似を」
「で、カイちゃんはどうなの?」
紫伝は鉄棒を椅子代わりにしながら快斗に問うた。
「元の世界に帰る手段は一向に見つからない。しかも、そんな俺は何故か今、リヴァレス・ジェード社の支社の一つの臨時社長を勤めているときた。更には本社の命令で記憶喪失のHUMの面倒まで見なきゃならない……」
「相変わらず大変だねぇ」
そしてモテルねぇ、と紫伝は思ったのだが、敢えて口に出さないで置いた。
「だがよ、何だか最近嫌な予感がするんだ」
そんな時、快斗は呟くように言った。
「嫌な予感?」
「ああ………何か、もう二度とお前等に会えそうに無いような、そんな予感がする。あのジーンΧが現れたときの様な、絶望的な予感がするんだ……!」
今でも憶えている。その圧倒的な存在感、今まで出会った敵の中で最強最悪の力を持つその敵の名前を出すだけで、彼は心臓が握りつぶされそうな感覚を憶えた。
「……ジーンΧが生きている、と言うの?」
「いや、それは無い。あの時、俺達の目の前であいつは完全に消し飛んだ。……でも、それでも何か嫌な予感がする。最近は行方不明者も続出してるし……もしかしたら早い所この世界からおさらばした方がいいのかもしれない」
しかし、それでもやらないとならない事はある。今、二人はこの世界でお仕事中の身だ。しかも快斗に至っては特殊な仕事を引き受けている最中である。
「……取りあえず、気をつけろよ。俺が言いたいのはそれだけだ」
「分った。……気が向いたら、また来てよ。あの大食いの女の子と一緒にさ」
「ふっ……その時はもう少し自重して置くように言うさ」
そういうと同時、彼らはお互いに振り向いてそれぞれの帰路に着いた。
第三話「怪盗イオ」
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