第十五話【虫の知らせ】


(=_=)ヨクアルハナシ!

第十五話【虫の知らせ】




『母の場合』

今でも鮮明に覚えているエピソード。

ある晩のことです。いつもの通り、家族みんなで食卓をかこんで夕食をとっていました。
しゃべりながら笑いながらの大切な家族団らんの時間です。

しかし時計が午後8時をまわったとき、母がピタッと食べるのをやめました。しばらくは
誰も気付かなかったのですが、ふと見た顔が青白く脂汗をかいていたため、大丈夫かと
聞くと、「突然胃のあたりが重くなった。痛いわけじゃないんだけど… H先生(我が家の
かかりつけのお医者様)に電話するの、もうしばらく様子みてからにするわ」と言う。

午後8時15分、胃の重苦しさが少し和らいだといい始めた時、電話が鳴りました。叔母
(母の妹)からでした。電話を代わった母、「えっ」と短く叫んだあと絶句。

午後8時、大伯父が休死したという連絡でした。


『夫の場合』

我が母に並ぶ超現実主義者の夫ですが、生涯1度だけ、説明のつかない不思議な体験をした
ことがあるそうです。

11歳の春、夫は所属していたリトルリーグのチームメイト達と少し離れた町へ遠征試合に
出かけました。試合を終えた帰り道、夫達の乗っていたスクールバスが午後2時15分に
ハイウェイ上で突然エンストを起こし止ってしまいました。同時に夫の鼻から一筋の血が。

数分後バスのエンジンは何もなかったかのように再度かかり、帰宅した夫に告げられたのは
脳腫瘍で長く闘病生活を送っていた父親の死でした。亡くなった時刻は、夫が鼻血を出した
午後2時15分だったということです。

               ++++++++++++++++++

夫の場合は後にも先にもこれっきりですが、我が母は近しい人間が亡くなる時はたいてい
虫の知らせがあり胃の辺りが重くなったりのどが苦しくなったりします。妹Aも多少その
気があるようです。家系でしょうか・・・



※文中の「私」(語り手)は、bittersweetだったりババだったりT子だったりします。
 私や周囲の不思議体験をごっちゃに紹介しているので。ご了承ください。





© Rakuten Group, Inc.

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: