自己中心的恋愛模様

2007.05.21
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カテゴリ: 突発的な作品
※シリアス→甘です














5年前
高校卒業と共に
俺と山本は別れた

イタリアと日本の遠距離恋愛なんて
十代のガキには きついと思ったからだ

(それに お前には闇の世界を見て欲しくなかったし)

それから 約5年
別れてから 一切連絡がなかったのに
ある日 お前から1通の手紙が届いた

(本当は すっげぇ嬉しかったんだ・・・)


そして 便箋に書かれた内容を読んだ時

俺は 5年と云う長い空白の時間を恨んだ

(そして俺は今日 十代目と日本へ向かう)
(・・・お前の結婚式に出席するために・・・・・)















- 本当の愛を誓えますか? -















「おめでと、山本。」


式場に向かう途中で 花屋で買った花束を山本に渡す十代目
そして その花束を笑顔で受け取るお前は
5年前と変わらぬ 太陽のように輝いた笑顔だった

(白を基調とした花は 山本の白いタキシードと同調しているように見えた)

以前より低くなった声
以前よりもでかくなった身長
それがまた5年と云う歳月を思わせられて
悔しくって 胸がズキンと痛んだ


その間に お前には彼女がいた
そして今日 その彼女とゴールイン

小柄で華奢な身体
優しい笑顔に穏やかな性格
野球が好きで子供好き


・・・まさに理想の女性だった

(俺の事なんか すぐに忘れたんだな・・・こいつ)


「獄寺。」


お前に呼ばれて 現実に引き戻された
傍から見れば ぼーっとしてるように見えたんだろう

気が付くと 部屋に十代目はいなかった
俺とお前の2人っきり・・・

(部屋にある掛け時計の秒針が やけにうるさく感じた)

・・・俺には 言わなければならない事がある
この言葉を言わなかったら
この先も山本に縛られると分かっていたからだ

だって・・・俺は5年間 こいつの事を忘れられなかったから・・・

けどこいつは きっと俺の事はすぐに忘れて
今の彼女と付き合って んで結婚までして・・・

なんだよ、それ ふざけんな
俺だけ こんだけ想ってるなんて馬鹿じゃねぇか
お前が・・・今だ俺の事 好きだなんて思っちまってるなんて
自惚れもいいところだ
こいつも馬鹿だが 俺も馬鹿だ

(けど ガキながらに本気でお前が好きだったんだ・・・)


「今日さ・・・まさか来てくれるなんて思ってなかったのな。」


「・・・俺はあくまで 十代目の付き添いだ。」


「あはは そうなのな。」


嗚呼 言わなきゃダメだ
今 言わなきゃ・・・
俺はこの先 こいつに縛られる

この優しい声音に
この優しい笑顔に
この優しいぬくもりに

俺の身体 心 全部
全部縛られる
分かってる・・・
そう分かっているのに・・・

なんで言えない・・・?

言おうとすれば
目が熱くなる感覚が襲ってくる
悲しくなんか無い
寧ろ 開放されるんだ
こいつと云う存在から
5年と云う長い歳月から

さぁ 言え
云うんだ、俺


「・・・山本。」


「ん?なんだ。」




















「結婚、おめでとう。」




















「・・・・・。」


嗚呼 俺 笑えてる?
嗚呼 俺 泣いてねぇか?

嗚呼俺は今
お前と云う存在から開放されたか?

おい、なんか言えよ 馬鹿
無言って・・・訳分かんねぇんだよ

さっさと言ってくれ『ありがとう』って・・・

(嘘 本当は言って欲しくない・・・)

次の瞬間
山本に手首を引っ張られたと思ったら

俺は山本の腕の中にいた

久しぶりに感じる 山本の温もり
また開いた 俺とお前の身長差

驚きと嬉しさで
頭がパニックになってて
抵抗も何も出来なかった

そんな俺にお前は囁くように言った

(俺の耳元で 優しく・・・)


「ごめん・・・まだ好きなんだ」


「ごめん 獄寺」


「愛してる・・・」


お前の匂いとか全然昔と変わらなかった
太陽の匂いと汗の匂い
けど 微かに匂う 優しい花の香りが
何故か 胸を締め付けられるように痛くって
段々目頭が熱くなって

俺は山本の腕の中で泣いた・・・


「っ、俺も・・・ひっく・・・っ、まだ好きだっつーの・・・。」


「うん、さっきの言葉言ったときの顔で分かった。」


「・・・なんで。」


「だって泣いてたんだもん、獄寺。」


そう言い 俺の頭を撫でる山本
嬉しかった 幸せだった

すると 山本が俺から離れた
そして笑顔で俺に言った


「一緒に逃げよ、獄寺。」


嗚呼 馬鹿野郎
もう二度と離してやんねぇからな
覚悟しとけよ、野球馬鹿


(その日 2人の男が教会から逃げ出した)

(神に対する裏切り)
(世間に対する反抗)

(どんな罵声でも軽く受け流してやる)
(俺の隣に こいつがいるなら)
(どんな酷い現実にでも立ち向かってやるさ)







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Last updated  2007.05.21 20:33:21
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