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次なるステップへの足がかりとなった非ブルーノート盤 時は1956年のことである。アート・ブレイキーと袂を分かったホレス・シルヴァー(Horace Silver)は、ジャズ・メッセンジャーズを離れ、自身のクインテットを形成することになる。そして、まもなく彼はブルーノートへ復帰し、引き続き吹き込みを重ねていくことになるのだけれど、実はその狭間にエピック・レーベルに1枚のアルバムを残している。それがこの『シルヴァーズ・ブルー(Silver's Blue)』という盤というわけである。 都合3日間の録音で、メンバーの異同があるのだけれど、ブルーノート・レーベルに戻って吹き込んだ『6ピーシズ・オブ・シルヴァー』のメンツの原型が既にここにあると言える。つまり、トランペットがドナルド・バード(ただし数曲を除く)、テナーはハンク・モブレー、ベースがダグ・ワトキンスというものである。 個人的な本盤の印象は、“新たなものの形成過程”である。言い換えると、“まだ完成していない”という言い方もできてしまうのかもしれないのだけれど、この3か月ほど後に吹き込まれることになるブルーノート盤『6ピーシズ・オブ・シルヴァー』の原型となるイメージを作り上げていく過程が反映されているように思える。収録曲全体としては、そのようなイメージを筆者は持っているのだけれど、中でもこれぞという演奏を少し挙げておきたい。4.「アイル・ノウ」は少し地味な印象だけれど、安定感が抜群にいいように思う。5.「シャウティン・アウト」はこれぞシルヴァー節といった好演奏。7.「夜は千の眼を持つ」は、この何年か後のジョン・コルトレーンの演奏でよく知られるが、意欲的な演奏ぶりが目を引く。 アルバム作品としてトータルでの評価というと、正直なところ、本盤はそれほど高くならないかもしれない(何と言ってもその後の活動ぶりも見事だったわけで…)。とはいえ、上で述べたようなホレス・シルヴァーの変遷を意識して聴けば、実によくその当時の状況が反映された演奏内容で、なおかつその後のブルーノートでの活躍の足がかりがよくわかる盤でもあるように思う。[収録曲]1. Silver's Blue2. To Beat or Not to Beat3. How Long Has This Been Going On?4. I'll Know5. Shoutin' Out6. Hank's Tune7. The Night Has a Thousand Eyes[パーソネル、録音]Horace Silver (p)Donald Byrd (tp: 1, 4, 6, 7)Joe Gordon (tp: 2, 3, 5)Hank Mobley (ts)Doug Watkins (b)Art Taylor (ds: 1, 4, 6, 7)Kenny Clarke (ds: 2, 3, 5)1956年7月2日(2, 3, 5)、7月17日(1, 4)、7月18日(6, 7)。 ↓LP盤です↓ HORACE SILVER ホレス・シルヴァー / SILVER'S BLUS 180g重量盤 LP【KK9N0D18P】 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2021年06月28日
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2021年06月26日
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派手さはないものの、着実な前進を示す1枚 1984年にEl Tri(エル・トリ)としてデビューして、4枚目のアルバムとなったのが、1987年発表の『オトラ・トカーダ・マス(Otra tocada más)』である。デビュー以来のスタイルを維持しつつ、前作(『エル・ニーニョ・シン・アモール』)からの流れを受け継いでの社会的な内容の詞の曲が目立つ。 全体としては、前後の諸作ほどの派手さはないかもしれない。その理由は、上述した通り、社会的内容の曲が多いことにあるような気がする。この傾向は、1990年代へと続いていくわけだが、世の不正などを歌にするのは、時に命懸けに近いものがあったのではないだろうか(1994年には大統領候補が暗殺されたり、21世紀になってからも、麻薬組織がらみで政治家が殺されるのがメキシコ社会だったりするのだから)。 さて、本盤で注目したいナンバーとしては、まずは、2.「ノシーボ・パラ・ラ・サルー」。アルコール飲料に書いてある“健康を害する恐れがあります”というセリフがタイトルになっている。実際のところは”愛は”が主語なのだけれど、こんな表現を表題にするあたり、1980年代当時のとりわけ地方でのアルコール中毒問題が背景にあったということだろう。6.「エル・ブギー・デ・ラ・シーダ」も時代を反映した曲。演奏だけを聴くと、確かにブギー調のナンバーなのだけれど、詞の内容はというと“シーダ(SIDA)”(英語では“エイズ(AIDS)”)をテーマにしている。8.「サラ」は、本盤発表の数年前に逮捕された麻薬王(ラファエル・カロ・キンテーロ)のオンナだった女性の名が曲名になっていて、インパクトのあるナンバーである。最後に、9.「カセータ・デ・コブロ」は、筆者的には本盤の中で特にお気に入りの曲。タイトルは、”(高速道路の)料金所”の意味で、本盤ではアルバムを締め括る曲となっているが、翌年にリリースされたバンド初のライヴ盤(過去記事はこちら)では、オープニング・ナンバーとなっている。[収録曲]1. Otra tocada más2. Nocivo para la salud3. Gente ignorante4. Seguro de vida5. El maldito ritmo6. El boogie del SIDA7. Lágrimas en la lluvia8. Sara9. Caseta de cobro1987年リリース。 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2021年06月25日
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パナマ出身のシンガーによる軽妙な好作 ミゲル・ボセー(Miguel Bosé)は、1956年パナマ出身の男性シンガー。パナマ以外に、スペイン、イタリア、コロンビア国籍も持っている。これまでに20枚ほどのアルバムを発表していて、スペインやメキシコなどスペイン語圏で幅広く人気を獲得したアーティストである。 そんな彼のアルバムの中でナンバー1とファンの呼び声の高い作品が、1993年発表の本盤『バホ・エル・シグノ・デ・カイン(Bajo el signo de Caín)』である。全編スペイン語だが、翌年には英語ヴァージョンとイタリア語ヴァージョンも発表されているとのこと。彼の作品のよさは、曲作り(本番では全曲が彼の参加した共作)と軽やかで味のあるヴォーカルにある。そんな観点から、注目曲をいくつか挙げてみたい。 1.「テ・コメリーア・エル・コラソン」は、シリアスで落ち着いた曲調だが、この“一歩引いた感”が彼の特徴で、この曲なんかにはそれがよく表れている。表題曲の6.「バホ・エル・シグノ・デ・カイン」は、淡々としたヴォーカルと浮遊感のある演奏がいい。9.「サラ」は、肩の力を抜いた感じの歌唱で、おそらくはこのノリをいいと思える人はミゲル・ボセーの音楽全般を気に入るのではないかと思う。 正直なところ、この軽妙さをよしと思うかどうかで好き嫌いが分かれそうなアーティストのような気がする。とはいえ、個人的にはなかなか気に入っていて、本盤は特にお勧めの1枚だったりする。[収録曲]1. Te comería el corazón2. Lo que hay es lo que ves3. Si tú no vuelves4. Nada particular5. Mayo6. Bajo el signo de Caín7. Wako-Shamán8. Imagínate que te quiero9. Sara10. Sol forastero11. La americana12. Gota a gota1993年リリース。 【輸入盤CD】 Miguel Bose / Original Album Series (ミゲール・ボセ) 【中古】 Bajo El Signo De Cain / Miguel Bose / Miguel Bose / Warner Music Latina [CD]【メール便送料無料】【あす楽対応】 【中古】 Miguel Bose ミゲルボゼ / Bajo El Signo De Cain 【CD】 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2021年06月22日
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現代ギター・インスト・ロックが辿り着いた境地 ジェフ・ベック(Jeff Beck)は、1975年に代表作ともいえる『ブロウ・バイ・ブロウ』を残した。この作品はエレキ・ギターをメインとしたインスト盤の最高峰の一つで、翌年にはこの路線を進めた『ワイアード』もリリースしている。これらの盤が、ロック・ギターの世界に革新や変化をもたらしたものだとすれば、そうしたインストルメンタル路線が達した境地を示しているのが、その10数年後、1980年代末になってリリースされた本盤『ギター・ショップ(Jeff Beck's Guitar Shop)』と言えるような気がしている。 この『ギター・ショップ』は、ビルボードのチャートで49位となり、リリース翌年(1990年)のグラミーでベスト・ロック・インストルメンタル・パフォーマンス賞を受賞した。演奏については、ジェフ・ベック(ギター)に加え、テリー・ボジオがドラムス、トニー・ハイマスがキーボード、シンセサイザーを担当している。ベースラインをハイマスが担当するのも新鮮で、ベックのギターは、1970年代の作品のフュージョン寄りの演奏に比べると、ストレートにロック調の部分が多く、聴きごたえがある。 注目曲として挙げておきたいものとしては、まずは表題曲の1.「ギター・ショップ」。テクニック満載の切れ味のよい演奏が筆者としては好みである。さらに、5.「ホエア・ワー・ユー」はアームの操作で音程を変えている演奏が聴きもの。ほかに、個人的好みでは、6.「スタンド・オン・イット」、8.「トゥー・リヴァーズ」、9.「スリリング・ショット」なんかも外せない。 とまあ見事な作品ではあるのだが、正直なところ、じっくり聴いたら結構疲れるアルバムでもあるという風にも感じる。良くも悪くも、ジェフ・ベックのギターはテクニックが凄いという証と言えるだろう。彼の演奏は、“精密な機械みたい”なんて言われ方をされたりもするわけで、見事な演奏なのだけれど、熱中して聴くには確かに集中力が必要になる。だからと言って、演奏面でもっと“緩い部分”があれば、この盤はより素晴らしい作品になったのだろうか、と考えてみると、きっとそれは誤りのような気がする。聴いている側が息継ぎするタイミングが時にわからなくなるような部分も含め、これがジェフ・ベックのよさということではないのかな、と思ってみたりする。[収録曲]1. Guitar Shop2. Savoy3. Behind the Veil4. Big Block5. Where Were You6. Stand on It7. Day in the House8. Two Rivers9. Sling Shot1989年リリース。 [期間限定][限定盤]ギター・ショップ/ジェフ・ベック[CD]【返品種別A】 ギター・ショップ [ ジェフ・ベック ] 【輸入盤CD】Jeff Beck / Guitar Shop (ジェフ・ベック) 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2021年06月19日
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若き日の輝きを示すヒット作 リック・スプリングフィールド(Rick Springfield)は、1949年、オーストラリアのシドニー郊外で生まれた。1969~71年にはズート(Zoot)というバンドで活動し、オーストラリア国内で人気を博した。その後、渡米してソロ作を発表するようになるが、なかなかヒットには恵まれなかった。その一方で俳優としても活動するようになり、昼ドラマのキャストとして、そしてようやく音楽アーティストとしても注目を浴びるようになったのは、彼が30歳代になった頃、1980年代初頭のことだった。 1981年発表の『ジェシーズ・ガール(Working Class Dog)』は、日本語でのアルバム表題にもなった2.「ジェシーズ・ガール」のミリオン・セラー・ヒットを生み出し、アルバムそのものも全米7位を記録してプラチナ・ディスクとなった。この活躍の結果、翌1982年にスプリングフィールドはグラミーの最優秀男性ロック・ヴォーカル・パフォーマンス賞を受賞している。 不遇の時期を経てようやくのヒットなどで、20歳代の若者が彗星のごとく現れた的な話ではなかったわけだけれど、それでも本盤は、やっぱり若々しさに溢れているように思う。ロックという触れ込みなわけだけれど、音のつくりはポップな部分を多分に含んでいて、切れがよく軽快な演奏がとにかく印象的である。そうした観点からの注目曲をいくつか挙げてみたいと思う。 2.「ジェシーズ・ガール」は、上述の通りの、いわずとしれたヒット曲。“ジェシーの彼女みたいないい女の子がどこにいるだろうか”といった青春めいた詞の内容だが、ポップでシンセの効いた音の中でギターもちゃんと聴かせ、抑揚の効いた曲展開と、大ヒットもなるほどの出来のナンバーである。5.「エヴリシング・フォー・ユー」はサミー・ヘイガーのペンによる曲であるが、やはりポップ寄りのとっつきやすい演奏がスプリングフィールドらしい。6.「愛の輝き(ザ・ライト・オブ・ラヴ)」は、イントロからしてかっこよくてノリのよさもあり、メリハリの効いた好曲。これら以外の収録曲も総じて若々しい雰囲気に満ちていて、40年ほどたったいま聴くと、“青春の肖像”なんて言葉がふと脳裏をよぎったりする。[収録曲]1. Love Is Alright Tonite2. Jessie's Girl3. Hole in My Heart4. Carry Me Away5. I've Done Everything for You6. The Light of Love7. Everybody's Girl8. Daddy's Pearl9. Red Hot & Blue Love10. Inside Silvia1981年リリース。 Rick Springfield リックスプリングフィールド / Working Class Dog 輸入盤 【CD】 【輸入盤CD】 Rick Springfield / Original Album Classics (Box) 【2014/2/18発売】( リック・スプリングフィールド) 【輸入盤】Original Album Classics (5CD) [ Rick Springfield ] 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2021年06月16日
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快進撃を始めたCCRのセカンド作 CCRことクリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(Creedence Clearwater Revival)は、1968年にデビューを果たした。彼らは、翌1969年には3枚のアルバム、さらに1970年には2枚のアルバムを発表し、次々とヒット曲を生み出していった。バンドとしては太く短命だったけれども、この集中的なエネルギーに満ちた快進撃の始まりともいえるのが、このセカンド作『バイヨー・カントリー(Bayou Country)』だった。1968年のデビュー盤およびシングルの「スージーQ」で注目されていたが、本盤は彼らのアルバムとして初めて全米10位内に入り、シングルの6.「プラウド・メアリー」は全米2位のヒットとなった。 ジョン・フォガティをはじめ、CCRのメンバーはカリフォルニア州、つまりは西海岸の出身である。とはいえ、彼らのサウンドは南部臭の強いR&B的なもの、南部ロックの先駆といったものである。「スージーQ」が南部出身者(デール・ホーキンズ)のナンバーというイメージも強いだろうが、何よりも彼ら自身がこういうロックを体現しようと一心になっていた。本盤のタイトル(および収録曲1.の表題)の“バイヨー(バイユー)” というのは、現地語(チョクトー語)で“小川”を意味し、ルイジアナ州ニューオーリンズを中心に東西のテキサス州やアラバマ州にかけての地帯は“バイヨー・カントリー”と呼ばれる。つまるところ、西海岸らしさとはかけ離れた志向を持っていたわけである。 本盤に収録された曲から、注目曲をいくつか挙げておきたい。上記の1.「ボーン・オン・ザ・バイヨー」は、シングルとしてヒットした6.「プラウド・メアリー」にカップリングされた曲なのでよく知られているだろう。これら2曲のほかに筆者の趣味としては、5.「天井小屋の乞食(ペントハウス・ポーパー)」。このナンバーは、とにかくカッコよく、聴き逃すことができないと思う。あと、長尺の7.「キープ・オン・チューグリン」もCCRの南部志向のロック魂が炸裂といった趣のナンバーで、個人的になかなかのお気に入りだったりする。[収録曲]1. Born on the Bayou2. Bootleg3. Graveyard Train4. Good Golly, Miss Molly5. Penthouse Pauper6. Proud Mary 7. Keep on Chooglin'*現行盤では、4曲のボーナス・トラックあり。1969年リリース。 バイヨー・カントリー +4 [ クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル ] BAYOU COUNTRY + 4[輸入盤]/CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL[CD]【返品種別A】 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2021年06月13日
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“世界一の無名ギタリスト”による本領発揮盤 ロイ・ブキャナン(Roy Buchanan)という人は、悲しいかな、知名度が低い。セッション・ミュージシャンとして、ブルース、ロック、カントリーなど多彩な演奏ができ、ソロ作も1970年代~80年代にいくつも残しているが、どうしたことか、聴かれることは決して多くない。エリック・クラプトンやジェフ・ベックらがリスペクトするギタリストで、ミュージシャンズ・ミュージシャンの典型だが、インターネットやら何やらでいくらでも情報が入る今の時代になっても、残念なことに、知名度が上がるどころか忘れ去られつつあるのでは…と不安にすらなってしまう。 ブキャナンは、1939年生まれで、1988年に怪しげな“自殺”を遂げている。フェンダー社のテレキャスターを駆使した多彩な奏法が特徴で、いろんなジャンルの演奏を得意とするものの、ブルースあるいはブルース・ロック的な演奏は彼の根幹を成す。アルバムによって、結構作風が違っていたりもするけれど、ソロ第2作のこの『伝説のギタリスト(Second Album)』(当時の邦題は『伝説のギタリスト ロイ・ブキャナン登場』)の演奏は、彼の得意とする演奏スタイルがストレートに反映されているという点で、まさしく本領発揮の盤と言えるのではないかと思っていたりする。 アルバムのどこを切り取っても捨て曲がなく、真骨頂のテレキャスター演奏が炸裂するといった感じなのだけれど、敢えて何曲かピックアップしておきたい。3.「ファイヴ・ストリング・ブルース」の鬼気迫る演奏は、本盤収録曲の中でも白眉と言える。その一方で、7.「エルモア・ジェイムスの賛歌」のようにリズムに乗った演奏も無視できない。さらに、前作からの傾向も引き継ぐ8.「シー・ワンス・リヴド・ヒア」のような、いくぶん長閑な曲調のナンバーもいい。 一般の聴衆受けしづらいロイ・ブキャナンの作品としては、本作は相応のセールスをあげた盤である。でも、実は、そうした売り上げ云々とは関係なしに、こういう内容こそが名盤として生き残っていく(個人的・希望的観測を含め)という風になってほしいと、密かに願っていたりする。[収録曲]1. Filthy Teddy2. After Hours3. Five String Blues4. Thank You Lord5. Treat Her Right6. I Won’t Tell You No Lies7. Tribute to Elmore James8. She Once Lived Here1973年リリース。 [枚数限定][限定盤]伝説のギタリスト/ロイ・ブキャナン[CD]【返品種別A】 伝説のギタリスト [ ロイ・ブキャナン ] ↓こちらはベスト盤↓ 【輸入盤CD】Roy Buchanan / Deluxe Edition (w/Bonus Tracks) (ロイ・ブキャナン) 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、バナーをクリックして応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2021年06月10日
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イギリスの国民的バンド、飛躍の一枚 ステイタス・クォー(Status Quo)は、イギリスのロック・バンドで、ブギー・サウンドを代表するグループとして知られる。1960年代前半に結成され、メンバー・チェンジやバンド名称の変更を経た後、1967年に現在のバンド名となった(厳密には、当初の名称はザ・ステイタス・クォーで、1969年から「ザ」がなくなった)。当初はサイケ・ロックのサウンドを志向していたが、1970年代に入るあたりからブギー・ロックという路線を取り、人気を獲得していった。 そんな彼らにとって節目となったのが、5枚目に当たる『パイルドライヴァー(Piledriver)』という作品である。それまで所属していたレコード会社を替え(パイ・レコードからヴァーティゴ・レコードへ)、心機一転でリリースしたこのアルバムは、英国チャート5位を記録し、人気バンドとして絶頂期への入口となった。 演奏内容としては、ハード・ブギーやブギー・ロックといった彼らのキャッチフレーズから連想されるイメージ通りのものと言える。細かいことを言うと、少しサイケっぽい部分が顔をのぞかせたり、ややポップっぽいブギーが目立ったりといった特徴はあるけれども、初めてステイタス・クォーを聴こうという向きにも好適の盤だと思う。 筆者のお気に入りを含め、いくつかの曲に触れておきたい。ややポップな1.「ドント・ウェイスト・マイ・タイム」やシングルとして全英8位となった6.「ペーパー・プレイン」は、このバンドらしさ全開の典型的ブギー曲。個人的に意外と気に入っているナンバーの一つは、8.「ロードハウス・ブルース」。フォガットなんかにも言えることだけれど、ブルース・ロックからこうしたブギーと括られる音楽への流れという意味で、こういう曲に筆者はついつい釘付けにされてしまう。それから、忘れてはならないのは、アルバム全体を通して聴いた時、決して一本調子になってしまっていないことである。その意味では、4.「アンスポークン・ワーズ」や7.「オール・ザ・リーズンズ」といったなかなか魅力的なナンバーが混じっていて、これらも注目曲と言えるのではないかと思ったりする。[収録曲]1. Don't Waste My Time2. Oh Baby3. A Year4. Unspoken Words5. Big Fat Mama6. Paper Plane7. All the Reasons8. Roadhouse Blues1972年リリース。 パイルドライヴァー +1 [ ステイタス・クォー ] ↓こちらはベスト編集盤↓ ICON[輸入盤]▼/STATUS QUO[CD]【返品種別A】 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2021年06月06日
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フィル・コリンズをメインに据えたトリオ期の締め括り盤 メンバーが徐々に脱退していき、フィル・コリンズを軸とする3人体制で1980年代にポップなサウンドを志向して「インヴィジブル・タッチ」などのヒットを飛ばしたジェネシス(Genesis)。やがて1996年にはフィル・コリンズ自身も脱退することになる(ただし2006年に復帰)のだが、この“黄金期”の最後のスタジオ作となったのが、1991年の『ウィ・キャント・ダンス(We Can’t Dance)』というアルバムである。 本盤は、大きなヒットを記録したアルバム『インヴィジブル・タッチ』以来、5年ぶりの新作で、全米4位、全英1位と好評を博した。前作と比べると、ポップさを一定程度は保ちながらも、過度にポップさを強調せず、どちらかと言えば、それよりも前のプログレ・サウンドがうまく盛り込まれている(フィル・コリンズにとってみれば、ひょっとすると、この折衷具合がバンド活動継続のモチヴェーション低下につながったのかもと個人的には勘繰りたくもなってしまうけれど)。 シングルとしてヒットした曲という観点では、1.「ノー・サン・オブ・マイン」(英6位、米12位)と7.「アイ・キャント・ダンス」(英米ともに7位)が目立ったナンバーである。他に筆者の個人的な好みでとくに外せないと思うのは、一応シングルカットされたが上記2曲ほどヒットはしなかった2.「ジーザス・ヒー・ノウズ・ミー」。たたみかけるような演奏に加え、皮肉の聴いた詞の内容も気に入っている。 これら以外に注目したい曲としては、10分ほどの長尺曲が2つ含まれている。ひとつは、3.「ドライヴィング・ザ・ラスト・スパイク」、もうひとつはアルバム末尾の12.「フェイディング・ライツ」である。この12.はプログレ色がいい感じに戻ってきているように思うのだけれど、同じような特徴のナンバーとしては、6.「ドリーミング・ホワイル・ユー・スリープ」も捨てがたい。 結果的には、フィル・コリンズを含むジェネシスのスタジオ作としては、これ以上の新作が出ることはなかった。とはいえ、個人的には、その当時はそれこそよく聴いたし、現在も思い出しては時折引っ張り出してきて聴き続けている盤だったりする。 [収録曲]1. No Son of Mine2. Jesus He Knows Me3. Driving the Last Spike4. I Can't Dance5. Never A Time6. Dreaming While You Sleep7. Tell Me Why8. Living Forever9. Hold on My Heart10. Way of the World11. Since I Lost You12. Fading Lights1991年リリース。 【輸入盤CD】Genesis / We Can't Dance (w/DVD) (ジェネシス) 送料無料【中古】ウイ・キャント・ダンス [Audio CD] ジェネシス 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2021年06月04日
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2021年06月02日
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