音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2022年03月13日
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テーマ: 洋楽(3573)
“らしさ”を保ち続けた第11作 


 リトル・リバー・バンド(リトル・リヴァー・バンド、Little River Band)は、1975年にオーストラリアのメルボルンで結成されたバンド。当時の豪州出身バンドとしては、アメリカおよび世界への進出の先駆けとなる役割を果たした。時代が進むと、その先駆者的役割は終わっていったとはいえ、1980年代~1990年代にかけては、そのコーラスを生かした好作をリリースし続けていた。そんな時期の一枚が、本作『ゲット・ラッキー(Get Lucky)』である。

 1980年代にグレン・シャロックがバンドを抜け、ジョン・ファーナムがその後継に入るという事態が生じたが、本盤は、ちょうどグレン・シャロックの復帰後の時期に当たる。実際、収録の10曲中、彼がヴォーカルを取っている曲は7曲(うち3曲はウェイン・ネルソンがリード・ヴォーカルを担当)となっている。

 30年ほど経過した今から見ると、サウンド的には少なからず時代への迎合が見られる気もしないではない。とはいえ、全体としては、LRBらしいメロディやコーラス・ワークに力点を置いたナンバーが並ぶ。以下、個人的な好みも含め、聴きどころと思う曲を挙げてみたい。

 表題曲と言える1.「アイ・ゲット・ラッキー」は、リラックスした曲調と余裕の感じられるグレン・シャロックのヴォーカルがいい。2.「ゼアズ・ノット・アナザー・ユー」は、筆者的には特にお気に入りのナンバーで、スリリングな曲展開が魅力と言える。5.「アイ・ドリーム・アローン」は、バラード曲で、このままでも十分魅力的なのだけれど、あと一歩スロー・テンポならば、さらに名バラードになったのではないかという気もする。

 アルバム後半に入ると、ウェイン・ネルソンがリード・ヴォーカルとなっている曲(7.~9.の3曲)が目立つ。正直なところ、その当時の印象としては、ウェイン・ネルソンの部分はあまり強く印象に残らなかったのだけれど、今になって聴いてみれば、後のこのバンドの行く末を先取りしていたと言えるのかもしれない。ウェイン・ネルソンがヴォーカルを取っている曲の中でのベストは、9.「ワン・ザット・ゴット・アウェイ」。次の時代に続くLRBらしさが体現された1曲だと言えるように思う。

 ある種、過渡期の作品と言えそうなので、これこそLRBのこれぞ1枚にはならないかもしれない。けれども、LRBの演奏を気に入った人、さらにはこのバンドの変遷が気になる人にとっては、何とも興味深い1枚と言っていいようにも思う。また、それ以外のリスナーにとっても、上で触れた1.、2.、5.、9.はぜひ耳にしてもらいたい、そんな盤だったりする。 


[収録曲]

1. If I Get Lucky

3. Second Wind
4. Every Time I Turn Around
5. I Dream Alone
6. Time and Eternity
7. Two Emotions
8. As Long as I'm Alive
9. The One That Got Away
10. Listen to Your Heart

1990年リリース。



 ↓いずれもベスト盤です↓

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【輸入盤CD】Little River Band / Best Of (リトル・リヴァー・バンド)

 ​
【輸入盤CD】Little River Band / Definitive Collection (リトル・リバー・バンド)




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Last updated  2022年03月13日 15時46分30秒
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