現職は有利? 過去10回の選挙での勝率は…2020/10/27 05:00 読売新聞オンライン 米大統領選では一般に、現職が有利だとされる。1950年代以降、現職が出馬した10回の選挙で現職は7勝3敗だ。現職は大統領としての日々の働きが報道され、実績を訴えやすい上、強大な権限を背景に与党内部での求心力も高い。 50年代以降で敗れた現職3人の共通点 50年代以降の大統領選で敗れた現職はジェラルド・フォード(共和)、ジミー・カーター(民主)、ジョージ・ブッシュ(父、共和)の3氏だ。3人の敗因は主に経済の低迷だった。いずれも選挙直前に失業率が7%を超えていた。 フォード氏は、就任前年の73年に起きた第1次石油ショックに端を発する不景気を克服できず、敗れた。在任中の失業率は一時、第2次大戦後最悪の9%台を記録していた。 カーター氏も不況に悩まされた。イランの親米王政が79年、民衆蜂起で倒れる革命を機に第2次石油ショックが発生し、米国内の経済が混乱した。カーター氏が80年に対決したロナルド・レーガン氏(共和)は「米国を再び偉大にしよう(Let’s Make America Great Again)」との標語を掲げて経済再生を訴え、支持を広げた。これに似た「米国を再び偉大に(Make America Great Again)」との表現をトランプ大統領が多用するのは、今なお高いレーガン氏の人気にあやかる狙いとみられる。