ぼくの細道・つれづれ草

ぼくの細道・つれづれ草

2006.06.26
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  橋の欄干を過ぎてゆく
      風が涼しい夏の終章だった
      間遠に聞えていたのは
      祭囃子の太鼓の音だったろうか
      橋下の
      空間とも水面ともつかぬ
      暗がりに
 蛍がぼんやり光っているのを
      みつめていた

(  あのとき
      何故 もっと
      話し合えなかったのだろう
      何故 もっと お互いを
      ぶつけ合えなかったのだろう
      橋を半分戻れば
      もう至近の距離に
      あなたがいるというのに
      引き返す決断もなく
      その夜わたしは
      橋に背を向け帰ってしまった )

夏休みも終わったある日
      思い定めて
      あなたを訪ねるべく
      橋の半ばにさしかかると
      対岸の斜面一杯
      燃えるように
  彼岸花が咲いていた
      その日は
      橋を通る風の元素さえ
      とても鋭利で
      かすかにそよぐ
 彼岸花の蕊の百千が
      十指をさし伸べ
      手話を話しているかのようでした
      天真の原風景が
      わたしの心象を
      癒してくれたのでしょうか
      わたしは
      風と一緒に橋を渡り切ると
      まっすぐ 足早に
      あなたの家へと向っていました


      






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Last updated  2006.06.26 14:29:55
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