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庭に いま三種類の木を育てようと思っている。
いずれも珍木というほどではないが、それぞれ
にありふれた木でもなく、思い出のある木なの
である。
拾いてし無患子の実のまろきをば
掌にあそばせて古寺を訪ねつ
昨年晩秋のことだった。
南都白毫寺を訪ねる途次、N大学の学生寮の
庭に無患子(むくろじ)の木があるのを発見した。
掲示板の説明でそれと知ったのだが、その辺
の路上を探して、ようやく5、6個の実を拾うこと
ができた。
無患子の実は漆黒で、堅さは抜群。数珠や
羽根つきの羽根の球に使われている。
庭に路地蒔きしておいたら、今春そのうちの
三個が発芽した。大事に育てたい。でも成長して
また次世代の実をつけるのは何年先のことやら。
むくろじ = (むくろじ科) 漢名;無患子
落葉高木 花期=夏 淡緑色
樹高17m位まで
二条城七月の風さやさやと
しだれえんじゅをわたるひととき
この七月、京都二条城へ行った。庭園の回路に沿って
ニセアカシヤに似た木が植栽されていた。不思議なこと は、枝が枝垂れていることである。案内板によれば、「しだ
れえんじゅ」とのことであった。
えんじゅ = ( まめ科 ) 漢名;槐
原産地=中国 落葉高木
花期=夏から秋 淡黄色
樹高 15~25mくらい
豆果に腎臓形で褐色の種子をつける
「牧野新植物図鑑」を調べても、「えんじゅ」は
載っているが、「しだれえんじゅ」の記載はない
葉裏白き多羅葉の葉に言の葉の
何ぞ記さむ梅雨の葉陰で
多羅葉(たらよう)の詩をこのブログに掲載したのは5月
19日のことだった。旧宅に自生していた多羅葉の木をば
偲んでのことだった。転居してからはこの木を見る機会は
なかったのだが、最近、東大寺二月堂の近くで自生した
多羅葉の大木をみつけた。
たらよう = (もちのき科) 常緑高木で樹高10mくらいに
花期 = 春から夏 黄緑色
核果は球形 紅色
日本名;多羅葉 葉の裏を傷つけると傷痕が
黒くなるので、この方法で文字を書くことがで
きる。それを経文を葉に傷つけて書く多羅樹
の葉にたとえて名付けたものという。
「むくろじ」「えんじゅ」「たらよう」三種の木が揃うのはいつの
頃か。揃って実をつけるのはいつごろになるか楽しみだ。