本読みのひとりごと

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読むこと、書くことが大好きなbiscuitです。
夫、元気すぎる2人の息子と4人暮らし。

新聞記者を経て、フリーランスライター/エディターに。

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biscuit5750

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biscuit5750 @ Re[1]:木々との対話(09/12) >micoさん こんにちは!すっかりご無沙汰…
mico@ Re:木々との対話(09/12) bisさん、こんにちは。まずは次男くんのご…
biscuit5750 @ Re[1]:さようなら、クウネルくん(01/27) >micoさん お久しぶりです! コメントを…
mico@ Re:さようなら、クウネルくん(01/27) クウネル。新装された表紙を見てお別れし…
biscuit5750 @ Re[3]:子どもを持つことの不自由と、自由(11/17) >バーソロミューさん お久しぶりです! …

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カテゴリ: 読書日記
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寒い夜、熱い紅茶にいれて飲むのが好き。


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上野千鶴子〈おんな〉の思想 』を読む。

温度の高い書物だ。
論文、あるいはエッセイと硬軟自在に文体を変える著書の本をたくさん読んできたけれど、上野千鶴子がこんなにも自分を開示している文章は今までなかったんじゃないだろうか。

日本の女性学、フェミニズム研究のパイオニアであり、現在も最先端を走りつづける上野千鶴子。
その思想を形づくってきた古今東西の書物たちを、著書自身が解説した一冊。


たとえば本書の冒頭に置かれた、森崎和江『第三の性』の解説。

「戦争に負けた後……朝鮮からの引揚者だった森崎は、これまで男たちが使ってきた、どんな手垢にまみれたことばにも頼るまい、と決意した」

あるいは著者が、水田宗子に面会した際心に残ったという、水田のこんな言葉。

「友人がねえ、わたしの論文のなかに、少しもわたしが出てないって怒るのよ。わたしは、こんなに自分をさらけ出しているのにねえ」

これらの文章を、まるで上野自身の経験のように感じてしまうのは、深読みしすぎだろうか。

著者が言葉の力を信じて、渾身の力で後進に手わたしたバトン、とわたしはこの本を受け取った。
「しっかりしなさい!」と先人たちに背中を叩かれ、あるいは励まされ、不安でもおぼつかなくても、とにかく自分の足で一歩を踏み出そうと思わせてくれる一冊。




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Last updated  2013.11.28 00:30:11
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