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哈日杏子『哈日杏子のgo go台北 新交通システム捷運に乗って』まどか出版日本文化に惹かれる台湾の若者“哈日族”の代表格、哈日杏子による台北旅行ガイド。哈日杏子は小林よしのりの『台湾論』にも登場し、日本でもそこそこ有名で、その著作は何冊も日本語に翻訳されている。本書は、豊富な写真やイラストを交えながら、新交通システム捷運の駅周辺の人気スポットをエッセイ風の文章で紹介している旅行ガイド。新交通システムの乗りかたや、観光のときに知っていると便利な会話集も収録されており、かなり親切。またフランクな話し言葉で書かれた文章も、親しみやすく読みやすい。ただ、少々古いのが難点。ユーズドで一番安いという理由で本書を選んだのだから仕方ない。最新の情報を盛り込んだものも出ているので、旅行の前に読もうと考えている方は、そちらをお読みになられたほうが良いだろう。
2007.04.30
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『趣味の文具箱 vol.7』エイ出版社待っていました!趣味の文具箱vol.7ついに出版。万年筆ムック本の大御所、「趣味の文具箱」年2回発行のペースで、ついにvol.7が出版された。日本で出ている最近の万年筆関係のカタログ本はすべて買うようにしているが、このシリーズを一番楽しみにしている。筆記具という趣味のジャンルは奥が深いと入っても、そんなに広くはない世界である。そろそろネタが出尽くした感が漂い始めた気がする。新作の紹介はネットよりも情報が遅い。万年筆業界の両雄であるモンブラン、ペリカンの歴史や過去の名作はすでに取り上げた。日本の手作り万年筆の紹介は『万年筆の達人』で取り上げた。関連品の紹介も、前号と今号でほとんど紹介しつくしたのではないだろうか。今号では、いつも以上に使用者の万年筆談義が多く掲載され、「使うこと」に重点を置いた感じがあった。(ちなみに、関係者や使用者のコメントを紹介するのはワールド・フォトプレスの「万年筆スタイル」の得意分野だった)となると、vol.8以降はどのような路線に進んでいくのかが、気になるところである。私の個人的希望としては、海外の万年筆事情や、各ブランドが出している宝飾系万年筆の紹介を読んでみたい。イタリアの万年筆工房やフランスやドイツの万年筆オタクの動向など、実際に見に行けないないからこそ、本で読みたいものだ。また、天文学的な数のゼロが並ぶような宝飾系の万年筆は、その実物を拝む機会があまりなく、その情報もほとんど入ってこない。先日モンブラン心斎橋店のリニューアルレセプションに行ってきたのだが、初めて見る超豪華モデルが多数展示されていた。雑誌やインターネットで見ることのないモデルも幾つかあった。もちろん、宝飾系の万年筆など、手が届く筈がなく、その情報を知ったところでどうなるというものでもない。しかし、買えなくともせめて写真で拝みたいというのがマニアの心情だろう。買えないようなもののことなど載せても意味がないのかもしれないが、買えないからこそ本で読みたいのである。もっとも、ブランドイメージや一部の人のためにという限定感を維持するために、大衆的な雑誌には載せられないようになっているのかもしれない。
2007.04.28
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明石散人『日本史快刀乱麻』新潮新書鳥玄坊シリーズの「築地の先生」による、歴史薀蓄本。明石散人の作品の奇想天外かつ胡散臭い薀蓄は癖になる。「京極堂」の師匠であり、また多くの作家や政治家のブレーンを務めているらしいが、詳しい話は知らない。正体については諸説あるが、はっきりと明らかになってはいないようだ。まあ、博覧強記と言いつつも、書いているネタにパターンがあるのでその辺を探れば正体が掴めそうな気もする。ただ、わざわざ別名で書くぐらいなので、表での作風と全然違う可能性もある。この作品は新書で、もっともらしい歴史本のの体裁をとっているが、いまいち信用できない。参考文献が明記されていないところや、その独自の主張の根拠が曖昧であり、胡散臭いことこの上ない。どこまでが本当で、どこまでがこの人の主張なのか曖昧なので、すべてを信じるのはかなり無謀だとしか言いようがない。話半分に読む分にははいいが、あまり真剣に読むものではないだろう。その意味で、はじめから小説として書かれている、鳥玄坊シリーズのほうが面白いしお勧めである。書き手も読み手も、フィクションであるとの共通の了解に元に成り立っている話なので、割り切れる。鳥玄坊シリーズはSF小説として、ぶっ飛んだ設定がいきいきとしている。
2007.04.26
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ジョー・バフ『深海の雷鳴』ヴィレッジブックス ソニー・マガジンズセラミック船殻のステルス原潜が戦術核魚雷を使ってドンパチする、近未来海洋軍事アクション小説。かつて、潜水艦小説は、(1)Uボートや伊号潜水艦をメインに描く作品、(2)冷戦期の米ソ原潜同士の一触即発の追いかけっこや核戦争の危機を描いたもの、(3)敵から隠れたり沈没したりしている潜水艦内部の閉塞感を描いたもの、(4)海洋冒険ジュブナイル、の4パターンに分けることができた。(1)か(2)かのどちらかを時代背景として選択し、オプションとして、艦長と副長の対立、敵艦艦長との因縁、艦内に紛れ込んだ異分子、本国との連絡途絶、閉塞環境における乗組員の心理、核の恐怖、などを適当にチョイスすれば潜水艦小説が出来上がったといっても過言ではない。いわば水戸黄門的なお約束を踏まえていれば、時代背景と潜水艦という舞台の魅力だけで、物語が成立したのである。しかし、冷戦崩壊後、潜水艦は花形兵器の座から去っていった。国際情勢の変化に伴なって、任務は変化し、予算は削減され、魅力的な新型艦も登場しなくなり、軍事小説のネタとしての面白みは失われていった。そんな時代に颯爽と登場してきたのがこのシリーズ。現実世界が潜水艦小説の舞台として魅力を失った新時代の潜水艦小説であるこのシリーズは、ドイツと南アが手を組んで米英と戦争し始めたという架空の近未来を舞台に設定した。登場する潜水艦も、セラミック船殻で4500m潜航可能な架空の潜水艦。戦術核魚雷をふんだんに使用し、敵輸送艦隊を一瞬のうちに蒸発させたり、遠距離での核爆発で敵原潜を破壊したりと、これまでの潜水艦小説の戦闘シーンとは一線を画すSFチックな描写が目新しい。また、潜水艦で輸送した特殊部隊による地上での任務にもスポットが当てられ、閉塞感ある潜水艦小説の風通しを良くしている。舞台である深海の描き方も、海底火山の描写など、ビジュアル的にイマジネーションを刺激する工夫もなされている。潜水艦モノは映画化すると、ストーリーやキャラクターは魅力でも視覚的な面白みに欠けるという弱点を持っているが、これくらい視覚的にも訴えかけるような小説ならば、映画化しても面白いものになるのではないだろうか。上記のように新しく新鮮な要素のたっぷり詰まった新型の潜水艦小説であるが、もちろん前述の王道パターンもきちんと踏襲しており、その点でも安心して読むことができる。ただ、設定がちょっと破天荒なため、リアルさを追求する人にはお薦めできない作品ではある。
2007.04.24
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高田亜季『台湾風』アルファポリス現地に住む日本人の目から見た台湾の日常生活。最近、台湾の政治や歴史について学者や政治家が書いた本を何冊か読んだ。今回読んだこの『台湾風』は、台湾人男性に嫁いだごく普通の日本人女性によるエッセイ。政治問題について書かれた書籍からは見えてこない、台湾の庶民の生活の一端を垣間見ることができた。著者の夫が外省人であるためか、この本から見えてくる台湾像は、私が持っていたイメージ以上に中国的に感じられた。現状から見ても、歴史的経緯から見ても、台湾は大陸中国とは違う独立した国家としての実体を備えている。また、台湾を大陸とは一線を画す国としたのは日本統治の経験によるところが大きい。それらの事実についての知識から、台湾は中国よりもかつての日本に近いといったイメージが、実際以上に肥大化してしまっていたのかもしれない。外省人は、中国共産党を否定していても、中国を否定しているわけではないし、本省人も数百年前に大陸から渡ってきた漢民族である。台湾人の中国認識やアイデンティティーの問題は、実際に交流してみないとわからない問題だろう。もっとも、大陸中国のことも、私は本を何冊か読んだ程度しか知らない。台湾人は、本省人の場合特に、自分達は大陸人とは違うとの意識がとても強いらしい。実際、大陸と台湾とでは、レベルが全然違う。この前、日本に来ている台湾人留学生は、「日本に来て、違いに戸惑ったことは?」との質問に「ない。ほとんど一緒だから」と応えていた。日本人の私が日本でこの本を読んで台湾も中国的だなと感じたと書いたが、それは台湾と中国の違いを知らないが故の、失礼なコメントなのかもしれない。台湾にしても中国にしても、その実体を知るには本を読むだけでは限界があることを改めて感じさせられた。
2007.04.22
ニコラス・D・クリストフ/シェリル・ウーダン『新中国人』新潮社アメリカ人のジャーナリスト夫婦が見た現代中国の実像。活気あふれる成長も非道な抑圧も現在の中国の実体である。政府は実体を隠蔽すべく取材を制限しようとするが、クリストフとウーダンはあの手この手で規制をすり抜けて、地元民との交流のなかから中国の現状を探り出す。具体的エピソードがふんだんが書かれており、臨場感ある中国論となっている。特にウーダンは中国系アメリカ人であったので、白人にはできないような取材をを行なっており、非常に面白い。また、華僑と中国の関係も浮かび上がってきて、興味深かった。権力者の苛烈な支配、関係(コネ)と人治による社会システム、腐敗した王朝に対する暴動と易姓革命、都市部の繁栄と貧困にあえぐ農村、社会の隅々にまで蔓延する賄賂、女性への徹底的な差別、権力への盲従、散砂のごとき個人主義、拝金主義、中華思想による対外膨張の傾向。共産党の革命で、中国は大きく変わったとはいえ、その本質は中国四千年の歴史を継ぐ赤い皇帝の率いる王朝である。西側と中国の間には巨大な溝があり、多くの問題を抱えているが、このような中国と付き合うためには、まず中国を知り、対話と圧力を駆使する必要がある。中国は巨大かつ複雑な存在なので、クリストフとウーダンにも、今後の展開を読みきることは出来ない。崩壊し未曾有の混沌を引き起こすのか。それとも、経済的豊かさ、外国からの圧力、教育水準の向上によって民主化し、超大国となり繁栄を手にするのか。北京オリンピックを翌年に控えた中国の姿に、いま世界中が注目している。
2007.04.21
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橋本恵『謀略―かくして日米は戦争に突入した』早稲田出版岩畔豪雄とは何者だったのか。「謀略の岩畔」の真の姿に迫る。ロジスティック、満州国の経済事務、諜報活動、陸軍中野学校の設立などで活躍した「謀略の岩畔」。大東亜戦争では南方作戦で活躍したほか、特務機関「岩畔機関」を率いてインド独立工作に従事している。ちなみに「大東亜共栄圏」という言葉を作ったのも、「戦陣訓」を提唱したものも岩畔である。もっとも岩畔の企図した「戦時訓」は、戦後のイメージとは全然異なるものなのだが。そもそも岩畔の活動の大半は、世間のネガティブなイメージの謀略というよりも、時代を先取りする先見の明にとんだ合理的なものだったといえるだろう。しかし、岩畔の活躍の中で一番有名なのは、日米開戦回避の外交交渉だろう。日米諒解案を策定し、和平に向けての努力を重ねた岩畔の姿勢は、謀略的なイメージとは裏腹に、実に誠実なものだったそうだ。松岡外相が三国同盟に固執したために交渉ははかどらず、独ソ戦が始まってしまったことで、完全にタイミングを逸したため戦争は回避できなかった。いわば失敗に終わったため、岩畔の知名度はそんなに高くない。しかし、彼の真摯な取り組みは、アメリカから高く評価され、東京裁判で戦犯に問われることはなかった。追記現在『謀略』は絶版となっているが、著者である橋本恵のホームページいわくろ.comで同様の内容が公開されている。
2007.04.18
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李登輝/小林よしのり 『李登輝学校の教え』小学館文庫李登輝と小林よしのりの対談。基本的には小林よしのりの『台湾論』の李登輝との対談部分とかぶる部分が非常に多い。まあ、よく考えると、どちらも同じ対談を本にしたものだから当然か。この前このブログで、福井晴敏の『Cーblossom』を取り上げたとき、漫画よりも小説のほうが好きだと書いたが、今回は『李登輝学校の教え』よりも『台湾論』のほうが面白かった。李登輝の経歴と台湾の現代史についての李登輝の発言は、自著『台湾の主張』とほぼ同じ内容。ただ、この本は小林よしのりとの対談なので、李登輝の発言の常々の発言と、小林よしのりの主張にあわせての発言とを見分ける必要があるだろう。また、日本へのリップサービスも多かったような気がする。気になったのは、第一講の「日本と台湾の企業の大陸進出は自殺行為に近い」という部分。今春のいわゆる「転向」発言の際には、両岸の経済的結びつきのバランスをとるために大陸からの投資の受け入れをもっと、といった感じのことを述べていた。たしかに、主張はかわってはいる。しかし、ここ数年の両岸の経済情勢も変わっているということを踏まえて、今と昔の主張の真意を考える必要があるだろう。
2007.04.16
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福井晴敏/霜月かよ子 『Cーblossom Case 729』講談社文庫 『亡国のイージス』の如月行を主人公とした、サイドストーリー。講談社文庫から出ているが、実はこれは小説ではなく漫画。イージスの事件の前に起きた事件で、短編集『6ステイン』の7つ目のエピソードとして位置づけられている。私は普段漫画を読まないので、漫画の絵から情報を読み取る能力に欠けているためか、あまり面白くなかった。『6ステイン』の短編小説は短くともエッセンスが凝縮されており、ある意味で『亡国のイージス』以上に面白かったので、おそらくこの『Cーblossom』も小説の形態で出ていたら楽しめていたと思う。同じような厚さの本なのに、『6ステイン』では六篇の物語が書かれているのに対して、『Cーblossom』ではたった一話の話しか収録されていないという事実から、小説のほうが漫画よりも6倍も効率がいいと考えるのは、暴論だろうか。話の内容や密度は7篇ともそう変わらないと思うので、あながち間違いでもないと思うのだが。どちらの形態が優れているかという問題ではなく好みの問題だとは思うが、私は活字のほうが好きだということを改めて実感した。
2007.04.13
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養老孟司『バカの壁』新潮新書 いわずと知れたベストセラー。何を今更、という感じもあるが、いまだにあちこちの書店で平積みされているので読んでみた。もちろん私の思考も「バカの壁」に遮られている。私は頑固なたちなので、大方人よりも分厚い壁に遮られていることだろう。売れているからという理由でこの本を手にとった私が、さらっと読んだだけでわかった気になっているのも、「バカの壁」による錯覚だろう。普通の人は君子ではないので、自分の欠点を改善することは難しいだろう。私も自分の「バカの壁」を崩していく作業の難しさを感じている。また、それ以上に難しいのは、他人の「バカの壁」を取り除くことだろう。
2007.04.05
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エリザベス・ムーン『復讐への航路』ハヤカワSF「若き女船長カイの挑戦」シリーズ第二弾。宇宙のあちらこちらで活躍しているヴァッタ家の一族郎党が同時テロによって皆殺しにされる。復讐を心に誓ったカイは、テロの裏に隠された巨悪の陰謀を暴くために立ち上がる。ヴァッタ家はなぜ潰されようとしているのか?アンシブル破壊工作の目的は何か?独り立ちを余儀なくされたカイの前には、様々な謎と困難が待ち受けていた。今作で大きなストーリーの流れが見え始めたこのシリーズ、主人公の活躍の舞台広がり、大規模で派手な展開になりそうだ。単なる宙間貿易の話から、陰謀が渦巻き銃弾が飛び交うミリタリーSF色が濃くなってきた。今作で、シリーズとしての伏線がたくさん散りばめられたので、今後どのように話が収まるのか気になる。
2007.04.02
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