防災くらぶ通信

防災くらぶ通信

可愛いあの子



朱色っぽいような 赤い 新品の服を着てやってきました

私は その子が可愛くて 大好きだった

私達家族と いつも一緒で
泣いたり、怒ったり 笑ったり 歌ったり

いつも、その子は私達の側にて
私達を助けてくれました

いつか 別れが来るかもしれないとは思っていたけれど
まだ
もうちょっと
一緒にいたいと思っていました

今日

その子とお別れするとは 思ってもいなくて

最後の最後に あるだけの力で
私の息子と旦那を守って
自分は 見るも無残な姿となって
守ってくれました

あの子とは。

我が家の車です

今朝 早く
まだ私が寝ていて 娘が電話に出て
事故にあったことを知りました

家のすぐ近所で 4tトラックに後ろから追突されて
旦那は腰が痛く、動けないと
でも、電話はできたし、他にいたいところはないというので
とりあえず、命と入院につながる怪我はないのだという
事を確認し

起きたばかりだし、ご飯の食べていない娘もいたし

両家の実家に電話

すぐ向かうといわれたけれど
夏じゃないし、また更に事故起きたらと恐怖があって
断りました
命に別状ないみたいだしね

その後、親戚が保険屋さんで たまたま札幌にいたので
手続きをして

旦那も検査をして、骨には異常なしということで
帰宅すると。

結局 旦那の父が来てくれて
一緒に 車をみに、中につんである荷物を取りにいきました

そこには

あんなに 綺麗で可愛かった 車が
前側と、後ろが破壊されていて
前の姿ではありませんでした

あまりの変わりはてた姿に
私は 言葉もなくて
まだ、一緒にいたかったのにな・・・
痛かったろうな・・・って

旦那は左折しようとしていたので スピードは
ほとんど出ていなかったものの
向こうが出していたろうし、軽だったため
吹っ飛んで、壁にぶつかり横転したそうです

息子は泣かなかったそうです
とりあえず、脱出して 脱出しきれない旦那を助けたり
病院にいっても、泣かなかったそうです

帰宅してから
私の顔を見て「もう会えないかと思った」と
初めて泣きました

荷物を取りに行かないとならないから このまま出かけなくてはならない。
車に乗るのが、少し嫌なようでしたが
いつもなら、前に乗るのに後部座席へ

お父さんとよく頑張ったなって思う
よく泣かなかったね。ちゃんとお父さん助けてあげた

旦那の父が帰ってから
朝早かったし、色々疲れたようで
ぐったりしはじめたので
布団にいれたら

また、彼はしくしくと泣きはじめ

もう あの 車に乗れない
可哀想な事をしたと 泣き出しました

もう 一緒に出かける事ができないんだね
次買えばいいってもんでもない(っていうか どうしよう)

こんな形で さよならすると思ってなくて
いつか来るお別れの時には、感謝もこめて
ピカピカにして お別れするつもりでした

なんにもしてあげれなかったな。あの子に

マフラーがなくなったのが前兆だったのでしょうか
まだ、あの子と一緒にいるつもりだからって
昨日旦那と話したばかりだったのにな

あの子は 今 見知らぬ土地で
ぽつんと ボロボロの体で 雪に包まれてるんだなあ
と思うと

ちゃんとさよならできなかった事
これからも、いるであろうと思っていた想いが断ち切られて

とっても
悲しい。


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