出版社の編集部においては、入社して数年 (毎年、新規採用をしているところでは入社して2年目くらい) の編集者に、新人編集者の指導を任せるところもあるのではないかと思います。 私も日頃、後輩の指導をする機会が多いのですが、そうした経験を通して、
「人に教えるということは、自分自身が学ぶことである」
ということを常々感じています。
“教えることは自分の知識のアウトプット” であり、 “学ぶことは自分へのインプット” と見ると、一見、それらは相反するものに思うのですが、 「教えることで、自分自身の理解も深まるし、自分が実はよく理解していなかったことも明らかになる」 といった点では、この両者は表裏一体のものなのだと思います。
おそらく皆さんも、人にわかるように教えることが、いかに大変であり、 「人に教える中で、自分自身が本当はよく理解していなかったこと、曖昧な理解をしていたことに改めて気づかされた」 という経験をお持ちでないかと思います。 人にわかるように教えるためには、 自分が本当に基本から理解していないと、できないことです。
大学時代の輪講、そして、入社して2、3年の若手編集者に新人の指導を任せることの狙いも、そうした点にあると思います。 その意味で、入社1年目の編集者は、1年後、2年後には自分が後輩の指導をきちんとできる (後輩からの質問に自信を持って答えられる) ように、編集者の仕事をしっかりと学んでいってほしいと思います。
もちろん、 これは他の仕事でも同じだと思いますが、編集者の仕事も、先輩が手取り足取り教えてくれることはありませんから、先輩や上司の仕事を見様見真似で学んでいくことが大切です。
新しい取り組みに向けて 2011.07.10 コメント(1)
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