いまは (さすがに) パソコンやインターネットが使えない編集者はいないと思うので、おそらく書籍編集者のデジタル・デバイドは、これまで紙の書籍の編集作業を、
1. アナログ的に行なってきた編集者
2. InDesignなどを使ったDTP (デスクトップ・パブリッシング) で自ら行なってきた編集者
との間で起こってくるのではないかと思っています。
1での “アナログ的” というのは、 著者から原稿をWordなどのデータで頂いた後に、それを紙の原稿として出力して割付 (用字・用語の統一、文字の級数・フォントの指定、レイアウトの指定などを赤ペンで入れる作業) をして、割付原稿と原稿データを印刷所に入稿し、 組版は印刷所のオペレーターに任せている、という場合を指しています。私も、まさにこれに当てはまる編集者の一人です。一方、2については、雑誌の編集者はこれに該当する方が多いと思いますし、書籍の編集者でも、印刷所に入稿せずにDTPで編集作業をしている方も多いと思います。
今後、 電子出版が広まってくるであろうということを考えると、 編集者が電子出版のプロセスや、これに関わる周辺の技術、販売手法を理解することが求められます。 そうしたことを考えると、 これまで紙の書籍の編集作業をDTPで行なってきた編集者と、 デジタルデータの操作に深く関わってこなかった (例えば私のような) 編集者との間には、大きなデジタル・デバイドが生じる可能性があります。
実は、こうした背景が (自分としては、このことに危機感を持っていて) 、大学院で深く学んでみたいと考えた理由の一つとしてもありました。 電子出版のことを直接学んだわけではありませんが、2年間の学びを通して、少しはデジタル・デバイドが減ったかなぁ、と思っています。
まだ、電子書籍元年と言われてから2年目に過ぎません。 私のようにこれまでアナログ的な編集作業にどっぷりと浸かってきた編集者でも、 今からしっかりと勉強していけば、 全く問題はないと思います。 私も日々あれこれ (いまは、EPUB と Sigil について) 勉強しております。
新しい取り組みに向けて 2011.07.10 コメント(1)
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