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October 23, 2006
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カテゴリ: 小説

banner2.gif  ←今日もランキング14位です

            応援ありがとう~ヽ(*^∇^*)ノ

第1話は こちら    第15話は こちら

 稲妻に打たれたような衝撃が走る。言葉を失った。 

 そんなバカなことがあるものか。美優は、先に日本に帰って来たは

ずだ。それも、母親が倒れたという理由で。けれども、今電話口に出

たのは明らかに美優の母親で、しかも美優はセブ島に旅行中だと

言っているではないか。

 何がどうなっているのだ? 松尾が修二に言ったことは何だったの

だ? 嘘だったのか? なぜ嘘をつく必要があるのだ? 美優と過ご

したあの島でのことを思い出すが、突然美優が修二の元を去る理由

など見当たらない。

 松尾に連絡を試みるが、長期出張中でいつ戻るか分からないとの

答えばかりだ。

 とにかく美優を探さなくては。会って、話をしなければ!

 そう決意し、休暇を取るため精力的に仕事をこなした。だが、皮肉

なことに、頑張れば頑張るほど仕事が増え、1日の休みを取ることも

ままならなかった。

 俳優としては、成功への道を歩いていると言えよう。演じている時は、

何事にも代えがたい充実感を得ることが出来た。けれども、たとえ人

気が上昇しても、富が増えても、心のどこかで喪失感を感じていた。

 美優がいない。

 ようやく休みが取れた時には、既に数ヶ月が経過してしまっていた。

 取るものも取りあえず、手がかりとなるあの島に向かう。美優に会え

ることを願って。

 リビングのソファに座り海岸の景色を眺める。海は、今日もキラキラ

と太陽の光を反射し、静かな波をたてている。

 天国も、こんな風に美しいのだろうか。修二は、今そこで美優と同じ

ようにこの美しい風景を眺めているのだろうか。

 そんなことを考えている時、玄関の呼び鈴が鳴った。この家の呼び

鈴が鳴るのは、非常に珍しい。家政婦が応対したが、何か困ってい

る様子だ。松尾を呼び、松尾が応対し始めた。

 美優は、ふと何かを感じ、インターホンの画面を覗きに行った。

 荒い画像の向こうに見える人物。何か張り詰めたものを感じさせる

クリンとした丸い瞳。懐かしい、もう二度と見ることは出来ないと思っ

ていた修二の顔がそこにあった。

 間違いない、修二だ!

 余りの驚きに一瞬たじろいだが、次の瞬間には走り出していた。松

尾の手が美優の腕を掴もうとしたが、力の限り振り払い玄関に向かう。

いつも美優の前に立ちはだかるジョーもいない。

 玄関ドアを開けると約100メートル先に見える大きなゲート。

 修二と別れたあの日から、まるで異次元の扉のように感じていた。見

えてはいるのに、決して自分の力では辿り着けなかった扉。

 その扉に向かって一目散に走り出した。思うように動かない足がもど

かしい。必死の思いで足を一歩、一歩、前へ押し出す。

 ゲートの向こうに見える人影。先ほどモニターに映った修二の姿が

脳裏に浮かぶ。あの人影は修二だ。修二が来てくれたのだ。

 顔を上げ、ただひたすら前を向いて走る。数ヶ月を過ごした白い大き

な屋敷が、そこにドッシリとたたずみながらも、何か見えない力で美優

の背中を後押ししてくれている感じがした。

 あと90メートル、80メートル、70メートル。徐々に近づいてくるゲート。

 見えた! 見えた! 修二だ! 修二がいる!

「修二、修二、修二」

 心の中で何度も修二の名前を叫ぶ。やっぱり生きていたのだ。嬉しさ

と、喜びと、愛しさと、感動と、一気に様々な感情が溢れ出し涙がこぼれ

てくる。

「美優ー!」

 ダダダダダッ。

 その時だ。松尾の叫ぶ声と共に、美優の耳になにか乾いたような、そ

れでいて体に響いてくるような連続した音が聞こえた。

 機関銃? 

 その言葉が脳裏を掠めた瞬間、美優の体が一瞬のけぞったかと思う

と、ザザーッと地面を滑り前のめりに倒れた。瞳に映る光景が、まるで

瞼を閉じるかのように沈み、真っ暗になる。

 一瞬意識を失う。ふと目を覚ますと、頬にザラザラした熱い砂の感触

を感じた。どうやら地面に頬が触れているようだ。こけたのだろうか。起

き上がろうと両手をつき、体を起こす。

 顔を上げようとした瞬間、美優の額の辺りから生暖かい液体が流れ

落ちて来た。汗が流れ落ちるように、ポタポタと落ちる滴。

 太陽に照らされ、眩しい程の白い砂の上に、赤黒い変形した王冠模

様が描かれていく。汗ではないようだ。

 先程の乾いた銃声を思い出した。

 撃たれた--?

「しゅ、修二」

 ゲートの向こうにいる修二に聞こえるよう、ありったけの力を込めて

修二の名前を呼ぼうとするが、囁くほどの声にしかならない。顔を上

げようとするが、もはやそんな力も出ない。

 修二--。

 そう心の中で呟いた瞬間、地面についた手の力が抜け、ガクッと

倒れ込む。

 力なく瞬きした美優の瞳に映る太陽の光。瞼を閉じても尚サンサンと

眩しいくらいに降り注いでいる。

 遠くに見えるのは修二?

 そして、その隣にいるのは美優?

 交差点で初めて修二と出会ったあの光景。

 眩しいよ--。

 第1話から読んでくださった方、ご愛読ありがとうございました<(_ _)> 

 特に、コメントをくださった方々には本当に感謝しています

ほんとに、ほんとに、ありがとぉーーーっ(*^O^*)/






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Last updated  October 23, 2006 10:40:28 PM
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