わ行の宝石 0
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ペンタハイドロボライトPentahydroborite和名:五水灰硼石モース硬度:2.5分類:硼酸塩鉱物(ソロ硼酸塩)/カルシウムを含む硼酸塩晶系/産状:三斜晶系/塊状化学組成:CaB2O(OH)6・2H2O劈開:強比重:2.0屈折率:不明副屈折率:不明分散度:不明蛍光:短波で紫条痕:白主な色:無色透明多色性:なしおもな産地:ロシア、岡山県川上郡備中町布賀(ふか)・布賀鉱山の2か所のみ非常に希な産出の鉱物で滅多に見られる鉱物ではないレア石しかも綺麗な結晶 となるとこの日本の岡山布賀鉱山のみという残念なことにこの布賀鉱山はすでに閉山しており、2014年現在すでに絶産カット石ともなるとおそらく世界で見ても一社だけしかカットに成功していないかも?という超絶レア種になってきますもはや産出もない上にカット出来る大きさの結晶もごくわずか硬度も2.5と人の爪と同じ硬さしかなく、劈開も強く、結晶自体も小さくカットが非常に困難であるため市場にほとんど出まわっていない0.2ctもあれば大きな方で通常0.1以下の大きさなようです発見自体は1961年にシベリアで発見され、当時は単位あたり5個の水分子に水和された石灰硼酸・水酸塩として記載されたそのため英名のペンタ(ペンタゴンが元)、和名の五水となっているが後日、2水和物であることが分かった本来ならば和名も二水、英名もダイハイドロボライトになってもよさそうだが、今現在もペンタハイドロボライト、五水灰硼石で通っているこのような名は過去にも例があり、クリソベリルも同じような経緯を持っている発見当初 これは黄金色のベリルだ とクリソベリルと名付けられたが、ベリルとは別種の鉱物と判明したが、すでに「クリソベリル」の名が定着していたためそのままクリソベリルとなっている(異説有り)(昔の文献ではベリルの亜種 と載っているものもある)ペンタハイドロボライトも同様かもしれませんが、それよりなにより語呂の良さもあるかもしれませんw話を戻してペンタハイドロこの石にはとある鉱物と密接に関係していますその石とは独特の青が綺麗な「逸見石」(へんみいし)である布賀鉱山を見学していた方が、足元にこのペンタハイドロボライトが転がっているのを発見なぜこんな場所に・・・?と周りを見渡していたところ、壁のかなり上の方にくぼみがあるのを発見この晶洞こそ一時期本鉱ペンタハイドロボライトが大量に見つかった晶洞であり、この晶洞の奥に逸見石の晶洞も見つかったというなお日本での発見は1986年の事ですが、上記の晶洞発見は2003年の話ですちなみに逸見石もペンタも同グループに分類され硼酸塩鉱物なお六水灰硼石(ヘキサハイドロボライト)という別鉱物もあります六水のほうはネソ硼酸塩鉱物になり、水溶性なため五水以上にカットには不向きではそのペンタハイドロボライトですペンタハイドロボライト 0.15ct 岡山県川上郡備中町布賀(ふか)・布賀鉱山産 短波UV照射時の蛍光の様子
2014.02.19
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パウエライト0.10ct、インド産Powelliteパウエライトまたはポウエライトと読むこともあるようだ和名:ポウエル石またパウエル鉱や灰水鉛石ともいう硬度:3.5~4.0分類:モリブデン酸塩鉱物/カルシウムとモリブデン酸塩鉱物晶系:正方晶系/錐状八面体、薄片状など化学組成:CaMoO4劈開:不明瞭・三方向比重:4.23屈折率:1.974~1.984副屈折率:0.010分散度:不明蛍光:あり(SWで黄色がかった白や金色(黄濁のほうが正確?)条痕:白主な色:黄色、茶色、灰色、青、白、黒、緑、透明など多色性:なしほとんどの辞典にも載っていないレアストーンシーライト(シェーライト、灰重石)のタングステンがモリブデンに置き換わったものです化学組成で言った方がわかりやすいでしょうかCaWO4のWがMoに置き換わったものです化学組成からいくとウルフェナイト(PbMoO4)や上に書いたシーライト(CaWO4)やクロコアイト(PbCrO4)、ヒュブネライト(MnWO4)などの仲間にあたるようですねちょうどシーライトとウルフェナイトの中間といったところでしょうか?このパウエライトはモリブデナイト(輝水鉛鉱、MoS2)の分解によってできる二次鉱物として多く見られるのに、同じ仲間であるはずのシーライトはペグマタイトやスカルン鉱床に初生的にできるという違いがあるのもおもしろいところですこの境界線ってのは自然はどこで線引きしてるんでしょうねほんと不思議な世界ですさてこのパウエライトの名の由来はアメリカの地質学者J.W.Powellにちなんで命名されてます主な産地は・・・世界各地でとれオーストラリア、オーストリア、ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、メキシコ、アメリカなどなど様々。また日本でもとれますこのパウエライトの一番の魅力は(地色にもよるが)金色といっていい蛍光を示すことにあるのですが、残念ながら長波(LW)ではなく短波(SW)なのがすごく残念・・・やっぱりミネラライトが欲しいと思う今日この頃です・・・・追記:Peak2さんとのコラボ企画wマイナー石で盛り上がろう!という趣旨のもと初企画石仲間のPeak2さんがルースのパウエの短波蛍光の写真撮影に成功!詳細はここをご覧ください追記10.01.18珍しい緑色+カラーレスも手に入れ、短波UVも手に入れたので掲載左の緑のがクプロ・パウエライト0.07ctチリ産右の無色透明なのがカラーレス・パウエライト0.07ctチリ産せっかくなので3色集合wそして短波ビーーーーームwwww
2009.06.08
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濃紅銀鉱0.43ct、メキシコ・Zacatecas産 PYRARGYRITEピラージライトまたはパラージライト「パイラルガイライト」は誤称のようだ和名:濃紅銀鉱硬度:2.0~2.5分類:硫化鉱物/銀の硫化鉱物晶系:六方晶系(三方晶系)/角柱状、微小結晶集合塊化学組成:Ag3SbS3劈開:明瞭比重:5.8屈折率:不明副屈折率:不明分散度:不明蛍光:なし条痕:赤紫主な色:暗い赤、赤みがかった黒など多色性:不明ピラージライトと言ってもあまり通用せず国内では和名の「濃紅銀鉱」のほうがとおりがよいですねまたこの英名の読みが曲者で「ピ」ではなく発音上では「パ」のほうが近いようですパイロープ(PYROPE)・ガーネットもピロープとは言わないですしね他にもパイライトとかハイドログロッシュラーとかハイパーシンとかパイロクスマンガイトとか「PY」で始まるものは大抵ハイかパイですものねPY始まりのピもしくはヒ読みってヒヤシンスとかピラミッドとか俗称ものばかりですから、カタカナ表記であればやはり「パラージライト」の方がいいのかもしれませんただ名の由来はギリシャ語の火を意味する「ピル」と銀を意味する「アルグロス」なのでピラージライトでもあながち間違ってもいないかもしれませんまぁ読みをカタカナ表記することの限界でしょうねw例を言えばアクアマリンとアクワマリン、ダイヤモンドとダイアモンド。どちらも音だけで聞けば大差ないですしそう気にすることもないかとは思いますどうしても気になるならやはりPYRARGYRITEと英名表記すればよいだけのことかなとさてそんな濃紅銀鉱ですが(どんなだw)、保存が難しいです光に当てると短時間で黒ずんでしまいます一応木綿の布なので拭くと取り除けるものではありますが、気になるなら保存の際に黒い紙に包んでおけば変色を最低限におさえることができます主な質の良い結晶の産地はチリ、メキシコ、ペルー他にもボリビア、チェコ、ドイツ、イタリア、スペイン、アメリカ(アイダホ州、ネバダ州)など日本でも採れ宮城県細倉鉱山や鹿児島県串木野鉱山などでは大きな結晶が採れていたようだこの濃紅銀鉱によく似た鉱物に淡紅銀鉱(PROUSTITEプルースタイト)がある見ためも、産する鉱脈も、黒くなる性質もほとんど同じで一見しただけではわからない一応濃紅銀鉱のほうが透明性が低いことがおおいようだがそれも正確に見極めることは難しいようだ正確に見分けるのは成分分析するしかないようでアンチモンを含むのが濃紅銀鉱で、ヒ素を含むのが淡紅銀鉱だそうだ濃紅銀鉱も淡紅銀鉱も「銀鉱」の文字があることでわかるようにどちらも主要な銀鉱石
2009.04.19
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フォスフォフィライト0.32ct、ボリビア・ポトシ産 PHOSPHOPHYLLITEフォスフォフィライト和名:燐葉石硬度:3.0~3.5分類:燐酸塩鉱物/亜鉛の含水燐酸塩晶系:単斜晶系/柱状結晶、卓状結晶化学組成:Zn2(Fe,Mn)(PO4)2・4H2O劈開:極強、1方向に明瞭比重:3.08~3.31屈折率:1.595~1.621副屈折率:0.021~0.033分散度:不明蛍光:長波・変化なし、短波・紫色蛍光条痕:不明主な色:無色~帯青緑色多色性:微弱(三色性)コレクター垂涎の宝石。それがこのフォスフォフィライトといえるだろう宝石になるようなカットできる良質の結晶は唯一ボリビアのみで、このボリビアでも採れる結晶の大半は破片状結晶で、そこから得られるカットルースは小さなものになる(良質でなければドイツやアメリカ・ニューハンプシャー州からも採れるそうだ)ところがこのフォスフォフィライトはもろく欠けやすく硬度も低くで非常にカットしづらいものなので滅多にカットされることがないのだ。しかもこの脆さゆえに熟練のカッターでも10個研磨して2~3個作れれば上出来というほど難しいものなのだそうだそれゆえに小さなルースでもかなりの高額になってしまうまた大きな結晶もなくはないだがその高額ゆえに割るわけにはいかず、研磨されることはほとんどないに等しいしかし俺は運よく一度だけキャラUPのフォスを見る機会に恵まれましたそのフォスフォフィライトは2.91ctの見事な大きさで、色も最高の淡い青緑色で目立ったインクルもなくまさに最高のフォスでした一応そのときに写真も撮らせていただきPCに入ってはいるもののもはやそれはひとの所有物でありその方の許可なく載せるわけにはいかないので申し訳ないですが割愛させていただきますちなみにお値段も相当なものだったことを追記しておきます・・・(泣)さて最後に原石のほうも載せておきますフォフフォフィライト剥離結晶 1.33ct、産地不明 (色味からおそらくボリビア産だと思われる)
2009.01.09
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再撮影したものは一番下にありますフローライト3.23CT、産地イギリス・ロジャリー写真でもわかるほどの黒い点のインクルが惜しい・・・FLUORITEフローライト(旧名フロースパー)和名:蛍石硬度:4.0分類:ハロゲン化鉱物(フッ化カルシウム)晶系:等軸晶系/立方体、八面体化学組成:CaF2劈開:完全(4方向に完全)比重:3.18屈折率:1.434副屈折率:なし蛍光:通常強蛍光(ピンク、紫など多様)条痕:白主な色:無色、青、緑、紫、ピンク、黄など様々多色性:なし日本人にもなじみが深く、ほとんど宝石を知らない方でもたいてい名前だけでも知っている石。色のバリエーションも非常に豊富で楽しめ、カナダ、アフリカ、タイ、イングランド、ドイツ、スイス、イタリアや日本でも採れ、量も多く採れるために安価でもあるしかし柔らかく割れやすく脆いために、宝石としては主に鑑賞用で装飾品にはむいていないまた、熱にも弱く炎にかざすだけで簡単に溶けてしまうので注意が必要そしてこのフローライトの和名にもあるようにブラックライト照射で強く蛍光するのも一つの魅力。中には太陽光の紫外線で蛍光するものまであるほどこれらフローライトの中で単一の名前がついたものがあるそれは「ブルー・ジョン」イギリス・ダービシャー州・キャッスルストンが唯一の産地だった・・・かつては大量に産出し、装飾品や調度品など広く利用されていたのだが、今現在は採りつくされたと言われほんの小さな破片が見つかる程度になってしまったそうです色は無色と紫、紫と黄色、青と紫などで縞模様入ったもの今となっては非常に入手困難になってしまいましたあぁそうそうこのフローライトは紫外線で発光するだけでなく、熱でも発光します。カッターなどで削って炎に近づけると簡単にその様子が確認できますまぁもちろん二度と見れなくなりますがwではそろそろ写真のほうへまずは貴重なブルー・ジョンですもちろんイギリス・ダービシャー州・キャッスルストン産33.44ct・・・って原石だしグラムのほうがいいかな?グラムだと6.688gです。って書かなくても5で割ればいいだけなんだけどねw右は蛍光の具合。見事なまでに紫に輝いていますお次はグリーン・フローライト重さは計ってません持ってるカラット天秤じゃたぶん無理そうだったので・・・中国産こちらはパープル・フローライト・・・・なんですが、全体ほぼ透明ででところどころ薄い紫といった感じですこちらはメキシコ産最後になんちゃってwレインボー・フローライト全体ほぼ透明に緑の筋が入ってるという感じで「レインボー」とはいえないかもしれません・・・追記最初に載せたイギリス・ダーハム郡・ロジャリー鉱山産(一部イギリスではなくイングランドとなっているサイトもあるがこれも間違いではないそうだ)のフローライトは個体差は多少あるものの、強蛍光を示すのみならずイットリウム・ランタン・セリウム・ネオジウム・サマリウム・ユーロピウムガドリニウム・ディスプロシウム・エルビウム・イッテリビウム。これら多くの希土類元素により不思議な現象が起こるどういった不思議な現象かというと蛍光等下ではグリーン、日光下ではほんのり青みがさし、UVライト下では鮮烈な青になるというもの最初に載せた所有する唯一のフローライトのルースがこのロジャリー産のものだったので確認も兼ねて再撮影に挑戦してみましたまずは通常時そして日光下最後にUV(長波)下残念ながら日光下での変化は極少量で一部に青みが感じられるといった程度でした。(2枚目の一部に青みをなんとか捕らえました)しかしこれを撮影した今の季節は冬。紫外線量も少ないので夏の太陽光下で再挑戦したいと思います補足ですがこのロジャリー産のフローライトのルースというのはかなり珍しいそうだなかなかないらしい・・・・
2008.09.11
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ハックマナイト1.45ct、ミャンマー産サイズ6.9×8.4×4.0mm上から順番に通常時UV照射中変化後なお変化後の色はちょっとあせている状態なのでもっと濃くなります。ほとんど不透明なくらいまでになりますよHACKMANAITEハックマナイト和名:ハックマン石硬度:5.5~6.0分類:ケイ酸塩鉱物晶系:等軸晶系化学組成:Na8Al6Si6O24(Cl,S)2劈開:明瞭比重:2.34屈折率:1.480蛍光:強蛍光条痕:白主な色:白、青、UVにより変色ラピスラズリの構成鉱物の一つ「ソーダライト」の亜種に分類される宝石で、主にブラジル・カナダ・アフガニスタン、ミャンマー、などで得られる宝石です。しかし、ハックマナイトはソーダライトのごく一部に出現するもので、ハックマナイトとして特有の外見上の特徴がなく、簡単な見分けは大変に困難。また他の宝石であるスカポライトとの混同も見られます。宝石質となる結晶の絶対数が少なく、独特の変色性により、世界的にコレクションストーンとして扱われます。ハックマナイトの特徴は『彩りの変化』にあるのですが、ペンライト・スポットライトで変化する一般的な『カラーチェンジ』とは異なり、『紫外線照射環境下』で変色が確認できる宝石です。これは、暗所でハックマナイト本来の彩りとなるものの、太陽光線にふれると彩りが失われるという変色が起こる為、変化を確認する為にブラックライトなどを照射して暗所に置いた状態と同じ環境を必要とします。この変化の状態や度合いによって、大変な稀少価値を与えられる宝石であることと、透明石としては大きな結晶が得られない為、0.05CT程度の小さなカット石でもストーンコレクターに注目を受ける宝石となっています色の変化のメカニズムを簡単に説明すると、ハックマナイトに紫外線をあてると硫黄が原因となり、赤紫色へと変化するのです。詳しく説明するとK.Nassauさんの説明を引用しますが、紫外線放射 S22- ―――――――→ S2-+e- Clを置換することによって形成されたS22-紫外線を照射することによりS2-+e-となる。S2-ホール・センターは400nmを中心に吸収を起こす。また、e-がハロゲン空孔にトラップされるとFセンターを形成し、これが530nm中心に吸収を起こす。 これらの吸収帯のコンビネーションにより、ハックマナイトの赤紫色を生じる。しかし、これらのカラー・センターは不安定で、露光することにより破壊される。すなわち、ハックマナイトの赤紫色は露光することによりドラマチックに退色する。さらに不思議なことに、退色したハックマナイトに紫外線(長波でも短波でもよい)を照射すると、赤紫色が復元される。これらの退色~色の復元の変化は何度でも繰り返される。このような性質は“ファトクロミズム”と呼ばれている。わかったでしょうか?汗俺も理解できれてませんのでそのまま引用させていただきましたなお良質のものは、微量に紫外線の含まれる蛍光灯下や、夏の紫外線の強い時期などでも、僅かな色変化が見られます。物によっては完全に変化するものもありますブルー・ハックマナイト0.95ctビルマ・モゴック産、6.5×6.5×3.8mmそしてこれはハックマナイトの中でちょっと珍しい地色が青いもの通常時の青から照射後は濃い紫・・・というか黒くなりますw最後にハックマナイト0.20ct、アフガニスタン・バダグシャン産5.0×3.5×2.4mm上から順番に通常時、UV照射中蛍光時、変化後の順番見事に透明ですごく薄いピンク色で一見モルガナイトっぽい色合いのこの透明石が、UV照射中は明るい蛍光オレンジイエローに、照射後は薄めのアメジストのような紫色に変化地色透明なハックマでこれほどの変化を見せてくれるのはそうそうないですよねぇこれでノーマル(白)、ブルー、透明の三兄弟がそろいました!
2008.07.29
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